【起業家の思考法とは!?】Love the Problem 問題に恋をしよう|ユリ・レヴィーン

Love the Problem 問題に恋をしよう
  • 社会の課題を解決するにはどんな活動が必要でしょうか!?
  • 実は、問題に恋するスタンスが欠かせないものになるかも知れません。
  • なぜなら、挑戦心と、不屈の精神を養うことができるからです。
  • 本書は、社会問題に挑戦するためスタートアップに挑戦する過程を描いた1冊です。
  • 本書を通じて、社会課題に向き合う覚悟と視点を養うことができます。
ユリ・レヴィーン,樋田まほ
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問題に恋せよ!?

本書の著者、ユリ・レヴィーンさんは、2つのユニコーン企業=デュオコーン(二角獣)を生み出した連続起業家・創造的破壊者と呼ばれている方です。世界最大のコミュニティベースの運転・渋滞・ナビゲーションアプリのウェイズを立ち上げ、2013年に11.5億ドルでグーグルに売却、2020年にムービットを10億ドルでインテルに売却しました。スタートアップを通じて、非効率的な市場を破壊して不十分な機能のサービスを改善し、「大きな問題」に集中して世界をよりよい場所へ変えることを目指しています。(出典;東洋経済オンライン)

本書は、そんなユリ・レヴィーンさんが、自身の起業経験を通じて、いかに社会の課題と向き合い、そのためのソリューションを持続可能な形で立ち上げていくかについて、まとめた1冊です。

まず大切なのは、何にフォーカスするか、ということです。スタートアップ起業家であれば、自身のプロダクトや社会への強い情熱をもっていることが前提となります。でも、ユリ・レヴィーンさんは、これを「問題に恋する」ことだといいます。自分のお金や自分自身に恋をするのではなく、社会に散在している問題に恋ができるかどうかということが大切になるのです。

起業家自身のアイデアやプロダクトを大事にすることではなく、エンドユーザーを大事にするということなのだ。

序文 スティーブ・ウォズニアック(アップル共同創業者)

問題というのは、常に現場にあります。現場というのは、一般の生活者や企業が活動するフィールドです。そこで巻き起こる問題にいかにフォーカスすることができるかということです。あくまで、目的はそのフィールドの中にあり、アイデアやプロダクトは手段でしかないということです。

アイデアやプロダクトの素晴らしさにフォーカスするのではなく、まずは、問題から始めることにしてみましょう。企画も、経営計画も、ピッチも、プレゼンも全てのストーリーは、問題から始まります。

問題が大きく、解決に値するものである必要があるでしょう。それを解決しようと奮闘する経営者や会社は、その問題によって輝くのです。

非常に大きな問題を解決したら、たくさんの価値が生まれ、成功できる。

第1章 解決策ではなく、問題に恋しよう

最終的にスタートアップの起業は、長く、厳しく、辛い道のりになります。その困難を耐え抜くのに必要なだけの情熱を燃やし続けるためには、自己の中に課題を見出すのではなく、他者が共有している問題にフォーカスすることです。

問題との向き合い方とは!?

まずは、問題を見つけることから始めることにしましょう。解決に値するのか、大きなものか、解決できた場合、よりよい世界が訪れるのか!?それらを自問自答しながら、進みましょう。

実際に問題を抱えている人に会いに行くのも良いでしょう。問題の解像度が上がるし、それらの問題がどれほど深刻なもので、解決困難なものかを実感することができるからです。

多くのスタートアップが消えていくのは、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成できないからです。PMFを達成できない理由は、問題ではなく、「解決策」ばかりに目が言ってしまって、結局エンドユーザーのためのソリューションになっていないことが多々あるためです。

自社に焦点を当てると、ユーザーにつながりを感じてもらうのは非常に難しい。

第1章 解決策ではなく、問題に恋しよう

常にキーは、「ペインポイント」にあります。日常生活や社会に浸透してしまっているペイン(不)にアテンションを立てましょう。5W1Hで具体的にペインポイントを記述してみるのも、起業にあたっては、有用です。

私はいつも「ペイン」を探すことからはじめる。私のペインは、たいてい不満によって引き起こされる。もちろん、不満以外の要素もあるが、誰にとっても不満は行動を起こす大きなきっかけとなる。私は嫌いなことや腹が立つものに遭遇すると、どうすれば解決できるか考えはじめる。

第1章 解決策ではなく、問題に恋しよう

私たちを「他者の問題」や「社会の問題」から遠ざけてしまう1つの原因は、私たちにあります。それは、私たちが人生のとても解像度の高いサンプルN=1であるという点です。自分が抱える問題や課題というのは、とても解像度高く、そして手に取るようにわかります。なにせ、自分自身なのですから。そのために、他者や社会全体となると、どうしても自分自身の問題の解像度から比べると相対的に捉えづらい対象として見えがちです。

あるいは、問題の認識の仕方に固執すると、その問題は誰もが抱える問題だと拡大して捉えてしまうことだってあるでしょう。

人はみなが同じではないし、唯一の正しい正解の道はないのです。この点のバランス感覚が起業の最初期とその後の舵取りにおいて、非常に重要な視点となります。

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白黒つけず、挑戦を!?

解決策か、問題か、どちらかにフォーカスしているかは、そのストーリーから見出すことができます。

解決策にフォーカスしている場合は、「当社は・・・」とか「私たちのシステムは・・・」というような語り口になります。一方で、問題にフォーカスしている場合は、「私たちが解決する問題は・・・」とか「私たちがあなたのために行うのは・・・」という語り口になります。

解決する「価値ある問題」は何かがあるかないかで、その後が全く異なることに気づきます。

PMFの段階では、とにかくユーザーからのフィードバックを得続けましょう。

ユーザーからのフィードバックは、事態を早く展開させられる唯一の要素であり、一番に対処すべき問題でもある。

第2章 スタートアップは失敗の旅

ユーザーと話をしなければ、「なぜ」問題なのかが、わからないし、「必要十分」なプロダクトにするためには、「なぜ」の部分の解像度が必要だからです。

スタートアップに失敗はつきものです。そして失敗をしなければ、前に進むこともできない旅路であることも事実です。何よりも大切なのは、失敗を折込み、どれだけ早くにリカバーできるかということです。失敗を恐れていては、起業家はこわれてしまいます。

「違うやり方をすればよかった」と思ったときこそが、違うやり方を試す最高のタイミングだ。

第2章 スタートアップは失敗の旅

今日は残りの人生の最初の1日目というスタンスで、新たな変化を前向きに受け入れ、再構築を常に行っていく活動こそが、スタートアップを問題のフォーカスする体質にしていきます。

これは、スタートアップだけではなく、プライベートの人生にも重なる部分です。

PMFを達成する可能性を高める要素は、以下の4つです。

  • 早く失敗すること;実験に使える時間とランウェイが増えます。
  • ユーザーの声を聴くこと。
  • 問題に集中すること。
  • 必要なときには厳しい決断をすること。

プロダクトを出し惜しみするのではなく、その品質が恥ずかしいタイミングでもローンチしていきましょう。最終的にPMFを達成すれば、ユーザーはやってきます。達成していないうちは、離脱など期にすることはありません。仮にプロダクトが必要十分なレベルに到達すれば、ユーザーはそれまでの不満を忘れるものです。

ユリ・レヴィーンさんの幼少時代、お父さんにアイデアの話しをするとどんなに途方もないアイデアだったとしても、「ためしにやってみようか?」と言われて、トライをさせてもらえたといいます。うまくいかなくても、白黒をつけることはなく、ただ、「何を学んだ?」ということを聞かれました。

こうした環境で育つと、失敗への恐怖は薄らぎ、さらに、自信が高まり、自分を信頼する力が湧いてきます。ものごとに白黒をつけずに、常に失敗を許容し、挑戦を続けていくことが、スタートアップにも人生にも大切なことなのかも知れません。

スタートアップの起業ストーリーについては、こちらの1冊「【Connecting the dots!?】100話で心折れるスタートアップ|えい,佐々木真」も大変おすすめです。また、子育てとリンクする部分についてはこちらの1冊「【遊びとルールがキー!?】未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの|トニー・ワグナー,藤原朝子」をぜひご拝読下さい。スタートアップという社会変革の挑戦に触れるたびに、自分の人生をアップデートしていくヒントを得るような気分です。

まとめ

  • 問題に恋せよ!?――常に問題から始めましょう。
  • 問題との向き合い方とは!?――自己と他者の間で認識(認知)のバランスを見出しましょう。
  • 白黒つけず、挑戦を!?――「何を学べたか」が、最大のキーポイントです。
ユリ・レヴィーン,樋田まほ
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