- 何が、人を、社会を動かす起爆点になるでしょうか。
- 実は、言葉かもしれません。
- なぜなら、世界を変えたビジネスの根源には、人の言葉があったからです。
- 本書は、そんな未来を作る言葉についての1冊です。
- 本書を通じて、ビジネスコンセプトを考えるヒントを得られるでしょう。
熱狂的なストーリーと言葉!?
ココ・シャネルは、「女のからだを自由にする」という言葉とともに、コルセットが常識の世界を変えました。ビル・ゲイツは、「すべてのデスクと、すべての過程にコンピューターを」という言葉とともに、パーソナルコンピュータのデファクトスタンダードを作りました。そして、スティーブ・ジョブズは、「エンジニアじゃなくてアーティスト」の集団であるという言葉を胸に、デバイスからサービスまで垂直統合システムを構築しました。
そうした言葉は、コピーというよりも、もはや「一行の戦略」に近いものです。
未来を語るのは誰の仕事か
熱狂的な「ストーリー」がこれらの言葉にはやどります。ストーリーの始まりは、常に一行の言葉なのです。
ビジョンとは!?
ビジョンとは「見えるもの」ではなく、「見たいもの」。
未来を発明するビジョナリーワード
アラン・ケイは、こんな言葉を残しています。
「未来を予測するのではなく、つくりだす人」
アラン・ケイ
どんな世界を見たいのか、どんな風景を見たいのか、そんなパーソナルなビジョンから言葉は始まります。
パルセロナFCのビジョンは、ユニークです。「WIN」と「GIVE A GOOD IMAGE」の2つを掲げます。「WIN」はサッカーチームなので、そうだよね、と思えるのですが、「GIVE A GOOD IMAGE」はどうでしょう。
これは、会員やファン、カタルーニャの人々の創造力を刺激する世界観を語っています。観客の「創造力を高める」ことを「勝つ」ことと並んだ目標・ビジョンに置き、実践し続けています。選手たちは単に「勝つ」ことではなく、「芸術的なプレー」をすることが求められます。たとえ勝利したとしても、美しなければ、ファンから容赦なくブーイングが送られる・・そういう世界観です。
ビジネスコンセプトのポイントとは!?
よりよい言葉に求められる3つの条件があります。
1)解像度
「次世代の」「新しい」「便利」「幸せ」「優れた」のような言葉からは、それがどんな未来に繋がっていくのか、イメージが湧きません。具体性が大切なのです。
2)目的地までの距離
人を旅出させるには、「言ってみたい」というあこがれと同時に、「行けるかもしれない」と思える絶妙な距離が大切になります。
3)風景の魅力
個人的な願望から始まった想像だとしても、世の中にとってどんな意味を持つのかまで伝わるものであった方がいいでしょう。
- アルバイトがキャストとして舞台に立つように活躍できる。
- 一部の巨大企業のためだったコンピューターが、子どもが学ぶツールになる。
- 女性がコルセットから解放されて、社会のなかで仕事を通じて活躍する。
そんな風景の魅力をありありと描けるかがポイントです。
ビジョンの描き方については、こちらの投稿「【MVV理解の解像度上げられる!?】理念経営2.0 ── 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ|佐宗邦威」もたいへんおすすめです。ぜひご覧ください。
まとめ
- 熱狂的なストーリーと言葉!?――戦略は、一行です。
- ビジョンとは!?――見たい世界です。
- ビジネスコンセプトのポイントとは!?――解像度、目的地までの距離、風景の魅力で検証しましょう。