【「人格」を大切にせよ!?】シナリオ・センター式 物語のつくり方|新井一樹

プロ作家・脚本家たちが使っている シナリオ・センター式 物語のつくり方
  • どのような情報が、人を魅了するのでしょうか!?
  • 実は、大切なのは、明確な人格を持った人物のストーリーかもしれません。
  • なぜなら、人は、人に最も興味を持つからです。
  • 本書は、よりよいシナリオメイクに関する1冊です。
  • 本書を通じて、企業ブランディングに多くのヒントを得られるでしょう。

ストーリーの原点とは!?

小説や戯曲もそうですが、シナリオでも当然、最終的には人物を描くことなのです。四千年の昔から演劇はあり、何千何万という作品があるわけですが、汲めども尽きないのは人間性の追求です。

新井一『シナリオの技術』

人間性を描くストーリーですが、才能がなければ、これを作れない!と思っていませんか。実は、そうではなさそうです。才能とは、そもそも自分では判断できるものではありません。そもそも「才能のあるなし」については、悩んでも意味がないのです。それは、必ずしもコントロールできることではないから。大切なのは、コントロールできることに集中することです。

創作においては、スポーツのように身体性が左右するわけではなく、また数学のように答えが一義的に決まるわけでもないので、才能を特定するのが、そもそも難しいのです。

でも、ストーリーの創作の世界にも、才能というものは確実にあります。それは、「人にはかけない物語を描くことができる力」です。そしてもう一つ大切なのは、誰もがこの能力を持っているということです。初心者の人でもその人が描いたものは唯一無二です。才能は、誰にでもあるのです。

では、誰にでも才能が「ある」なら、どこで差がつくのか。
それは、技術です。

1 才能があるのか、ないのか

技術とは!?

多くの人がストーリー=展開を考えますが、実はこれだけでは面白くなりません。

そもそも、ストーリーとは何かというと、物語の筋書きを意味します。

2 ドラマとストーリーを分けて考える

ストーリーは、21パターンあります。このストーリーについて一生懸命に、頭を捻ったとしても、いずれかのパターンに当てはまってしまいます。大切なのは、ストーリーという物語の展開はパターンがあり、創作を始めることです。この点において、独自性を求めては大怪我をしてしまいます。

では、本当に大切なのはなにか、どの点において技術を磨けばいいのか?!ということですが、それは、物語の構造についてです。物語の構造は「ストーリー」と「ドラマ」の掛け算です。

「ストーリー」は上述の21パターンの器を選び、「ドラマ」というメインをいかに料理するかがポイントです。「ドラマ」とは何か、それは、「人間を描くこと」にほかなりません。

作者であるみなさんが捉えた「人間」の姿、すなわち登場人物のアクション・リアクションをシーンで描くことで、ドラマが生まれるのです。

2 ドラマとストーリーを分けて考える

大切なのは、登場人物が困っているということ。何か障がいにぶつかって、それでも頑張って葛藤して、対立して、相克の状態にすることで、人は感情移入していきます。

この点についても、企業ブランディングに多くを学ぶことができます。たとえば、パーパスを考えるときにも、かならず社会の課題を捉えるべきであると考えます。その課題を解決するために企業や組織は頑張るわけですが、その課題が大きければ大きいほど、多くの人を巻き込むことになり、ムーブメントになっていきます。

極論人は、課題に燃える生き物なのかもしれません。物語もそうであるように、企業ブランドを語る際にも、同じストーリーメイキングの手法が生きてくると考えます。

物語を作ることについて話を戻すと、ストーリーを面白くするには、シーンを面白くすれば良いということに気づきます。シーンを面白くするということは、登場人物のアクションとリアクションを魅力的にすることです。ここがもっとも重要なポイントです。

アクション・リアクションは、物語の最小単位です。物語の根っこにあたる登場人物のアクションとリアクションが面白ければ、結果的に物語全体が面白くなります。

たとえば、恋人に振られた主人公。1人で傷ついているシーンを描くとする時、よくあるのが、やけ酒ですね。これも1つの方法ですが、アクションとしてはありきたりです。

そこでたとえば、
・やけスターバックス:なんだかやたらとトッピングして、よくわからない味になったムダに高いコーヒーを飲む。
・やけたいやき:たいやきを頭から何個も食べる。
・やけワタリガニ:蟹の甲羅をガンガン叩いて、泣きながらむしゃぶりつく。
などのシーンを描くことでストーリーに独自性と深みが出てきます。

登場人物の人格を想定せよ!?

アクション・リアクションを面白くすることが物語を作ることのポイントでした。では、アクション・リアクションはどうしたら面白く規定されるかですが、ここには登場人物のキャラクターが大きく影響してきます。

面白いシーンは、登場人物のキャラクター×アクション・リアクションによってもたらされます。

キャラクターを考える軸は、3つあります。

  • 性格・・登場人物の性格を誇張させます。「○○すぎる性格」で規定してみましょう。
  • 憧れ性・・観客や読者が登場人物に対して憧れてしまう側面です。
  • 共通性・・自分と同じだなと思える側面です。感情移入をすることができます。

これらの3つを人格として明確に規定することで、豊かなシーンを作ることができるのです。

性格については、誇張が大切でした。「○○すぎる性格」を想定してみましょう。たとえば、以下のようなイメージです。おじいさん「桃太郎、お願いだ。村のために、鬼退治に行ってくれ」 の反応に対して・・

  • 「気が強すぎる性格の桃太郎」なら? →「は?  そんなの余裕だけど」「えぇ ~ちゃんと褒美とか、用意しといてよ」
  • 「真面目すぎる性格の桃太郎」なら? →「村のため、最善を尽くします」「わかりました。つきましては、保険など加入できますか?」
  • 「臆病すぎる性格の桃太郎」なら? →「え、え?  ぼくですか?」「(布団をかぶりながら)いやですよ ~無理ですよ ~」

などなど、「○○すぎる性格」に即して、リアクションが想定され、明言されないにしても、受け手は、ああこの桃太郎は、こういう性格なんだなと理解することができます。感情は変わりますが、性格は変わりません。

憧れ性と共通性は、トレードオフの関係です。

  • 『ローマの休日』アン王女なら、「好奇心が旺盛すぎる性格だから、憧れ性は、新しいことに挑戦できること。なら共通性は、後先を考えずに行動しがち」なキャラクター。
  • 『となりのトトロ』草壁サツキなら、「真面目すぎる性格だから、共通性は、何でも抱え込みがち。なら憧れ性は、相手のことを尊重できる」キャラクター。
  • 『ゴッドファーザー』マイケル・コルレオーネなら、「冷静すぎる性格だから、憧れ性は、感情に流されず行動できる。なら共通性は、人を傷つけがち」なキャラクター。

こうして、3つの視点から登場人物を規定して、一貫したイメージでシーンを構成し、物語のパターンを展開させていくのです。

ブランディングの観点でこれを考えると、非常に学びが多いことに気づきます。これだけ、モノやコトが溢れた社会では、他のものと異なる点を見いだすことが難しいのが実際です。差別化が難しい中で、ブランドの志から違いを理解してた抱くことの重要性が増しています。

また、違いだけにフォーカスするのではなくて、一歩踏み込んで、顧客やステークホルダーと共感できる「同じ部分」を探すことも、末永く愛されるブランドづくりには欠かせません。

だからこそ、人格が必要なのだと思うのです。

3つの着眼点で、ブランドを人格に例えることができれば、応援したり、共感したりしながら、共に人生を歩むことだって可能なのではないでしょうか。

「才能」とは、他の人には書けない物語を書くことができる能力

1 才能があるのか、ないのか

一人ひとりの感受性は異なり、それは、ひとつひとつのブランドにも同じことが言えます。成り立ちが全く異なるブランドだから、その個性にフォーカスして、形にしてみることで、新しい局面を迎えることだってできるかもしれません。

ブランディングは、パーパスを起点にすることもよいかも。こちらの1冊「【パーパス記述の手法とは!?】パーパス・ブランディング|齊藤三希子」もぜひご覧ください。

まとめ

  • ストーリーの原点とは!?――人には書けない物語を登場人物の人間性で形にすることです。
  • 技術とは!?――ストーリーとドラマを理解して、構築できることです。
  • 登場人物の人格を想定せよ!?――物語の最小単位シーンを面白くするのは、登場人物の人格です。
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