【自分の考えを俯瞰するには!?】藁を手に旅に出よう“伝説の人事部長”による「働き方」の教室|荒木博行

藁を手に旅に出よう“伝説の人事部長”による「働き方」の教室
  • どうしたらよりよく働くことが可能になるでしょうか。
  • 実は、ひとつひとつのものごとに丁寧に向き合うことかも知れません。
  • なぜなら、人生のあらゆる要素から学びは得られるからです。
  • 本書は、人生における学びを通じて、働き方を考える1冊です。
  • 本書を通じて、学び多き人生のためのヒントを得ることができるでしょう。

戦略的であるとは!?

よく、戦略的であるという言葉が使われることがあります。みなさんは、戦略的とはどんな意味合いを感じながら、使っているでしょうか。

戦略的という言葉には、2つの要素があります。1つは、考える時間軸の長さ。もう1つは、論点の多さです。

時間軸が適切に取ることができれば、より状況を有利に捉えることが可能であるのと同じように、いくつかの視点を元にそれらを比較して検討しておくことで、よりよい状況を導くためのアクションを取ることも可能になります。

例えば、夜にお腹が減ってしまって、衝動的にごはんを食べたくなったとしましょう。しかし、時間軸を伸ばして、明日の朝のことや明日のスケジュールを思い返し、明日は朝から大切なミーティングがあるから、今日はなるべく早くに集中して寝ることが必要だったことを意識すれば、夜ごはんを食べずに済むかも知れません。あるいは、ごはんをしっかり食べるのではなく、さすがに眠れないので、別の方法(ドリンクや、スープなどの軽い夕食など)で小腹を満たし、眠りにつく方法だってあります。

これは日常的な行動についてですが、仕事においても、往々にして、時間軸と選択肢の幅について検討しておくことは、重要な視点です。

短絡的とは短い時間でしか考慮せずに一つの論点だけで結論を出してしまうこと。

Session1 亀が戦略的にうさぎに勝つ日

日常的に活動をより良くしていくためには、戦略的であることは欠かせません。そして、戦略的であることは、時間軸の長さを適切に保つこと、加えて、選択肢をいくつか持てるようにものごとを多面的に見つめる視点を得ることです。さらに、そうした思考に掛け算して、実際にフィールドで活動してみるパワーも養っておきましょう。

活動を継続することで、新しい視野を得ながら、その結果から学びを得ることで、新しい視点を得ながら次の活動へと続けていくことが可能になります。

活動の重要性については、こちらの1冊「【幸運は引き寄せられる!?】その幸運は偶然ではないんです!――夢の仕事をつかむ心の練習問題|J・D・クランボルツ,A・S・レヴィン」もぜひご覧ください。

「論理」と「空気」の間で?

私たちの思考について俯瞰的な視点を持つことが大切です。私たちは、2つの視点を常に持っているのです。1つは、論理的な判断基準です。そして、もう1つは空気的な判断基準です。

論理的な判断基準はOKですよね。厄介なのは、空気的な判断基準です。空気的な判断基準とは、その人の人間関係のようなもので徐々に形成されていくものです。

私たちは、この『空気』と『論理』の間で悩みつつも、多くの場合は『空気』に負けてしまうのです。

Session2 裸の大様が生み出す空気に勝てますか?

自分が例えば、仕事においてジャッジ(判断)をするシーンを想定してみてください。実際に仕事だからこそ「論理」で判断しているのかと思いきや、実は、「空気」を読んで判断していることって結構多くありませんか?

大切なことは、「空気」を読むことについて意識的になれるかどうかです。自分が何に流されているのかを意識的になれるだけで、自分の判断が何に基づいているのかを知り、思考のパターンがわかるようになります。

人間関係を重視することは当然のことです。しかし、あまりに「空気」に偏ることで、中長期的にはよろしくない状況を招くのであれば、それは本末転倒です。大切なことは上述の戦略でも触れましたが、適切な時間軸を持つということもあり、バランスです。

「論理」と「空気」のバランスを取るには?

「論理」と「空気」のバランスを取るには、もしかしたら「対話」というアクションを活用していくこともヒントになる可能性があります。

例えば、桃太郎のストーリーを思い浮かべてみましょう。このものがたりには一定の空気が常にとりまいています。それは、「桃太郎=良、鬼=悪である」というものです。でも、本当にそうでしょうか。実際には、鬼だって「平和に暮らしていきたいことを望んでいる」としたらどうでしょうか。鬼ヶ島に住みながら、人間の世界を襲っているとは言え、もしかしたら島でなにかピンチなことが発生しているとしたら・・などと想像を膨らませていくことで、新しい関係性の可能性が見えてきます。

「つまり、どういう世界を実現したいか、ということ。鬼だって姿格好は怖いだけで、平和に暮らしたいと思っているかも知れない。だからこそ、どんな世の中にしたいか、という対話が必要になるんです。そして、そこでもし共通認識が出来上がれば――分断のワナから逃れることができます」

Session4 桃太郎に大義はあるのか?

そもそも、昔話の鬼というのは、兄(あに)からなまったという説もあるようです。つまり、憎むほどの距離感のある肉親や、年長者のことですね。そうした人を敵対して考えて、形相まで変えてしまったのでしょう。人間の想像力というのはすごいところがあります・・でも、そうして伝え続けていれば、ずっと鬼は鬼のままで、常に私たちにとっては怖い存在になり、避けるべき対象となってしまいます。

ポイントは、対話を通じて互いに目指している世界観やビジョンを共にすることができるかを探ることです。もしかしたら、共通の視点を見つけることになり、より強力にそれを目指していけるパートナーになることもあるかも知れません。

そうした意味では、古典(昔話?)から学ぶことはたくさんありそうですね。ぜひ続きは本書『藁を手に旅に出よう “伝説の人事部長”による「働き方」の教室』でお楽しみください!本書は、いくつもの昔話を冷静に見つめながら、生き方・働き方にフィードバックする対話のものがたりです。

まとめ

  • 戦略的であるとは!?――時間軸と選択肢を適切に持つことです。
  • 「論理」と「空気」の間で?――自分の判断に俯瞰的になりましょう。
  • 「論理」と「空気」のバランスを取るには?――対話が有効かもしれません。
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