- これまでのように一元主義的な生き方が志向しづらい時代において、何を頼りにすればいいでしょうか。
- 実は、禅の「養生」にヒントがあるかもしれません。
- なぜなら、心身を上手に養うことの積み重ねが、よりよい毎日につながっているからです。
- 本書は、そんな禅の教えを98の切り口で教えてくれる1冊です。
- 本書を通じて、よりよい人生をすごすための素敵なヒントをいくつも得られるでしょう。
この瞬間に集中!?
過去、現在、未来と、ときは流れていきます。過去を思い出して苦しい思いをしたり、未来を憂いてつらい思いをしている人も少なくないのでは。でも、ここで冷静さが必要です。過去も、未来も、現実でしょうか。
実は、禅の教えからすれば、過去も未来も、妄想です。あなたのあたまが勝手に作り出していることにほかありません。では、なにが現実かというと、「現在」だけなのです。いまここだけが現実だととらえて、集中しましょう。
目の前のやるべきことに集中して取り組むと、心から雑念が減っていきます。悩みや心配事があっても、逆に有頂天になるようなことがあっても、すっと消えていくのです。
16 黙々と歩いてみる
現在だけに集中するために、ただ、ひたすらに歩いてみるという訓練も有効です。右足、左足、右足、左足、と自分の動作に注目して、ただ、歩くことをしてみる。それだけで、心の中の雑念がうちけされていくものです。おすすめです。
ただ歩く、ただ走る、ただ紙を切る、集中してしまった経験はありませんか!?意識的に時間をつくってみることがポイントです。
集中によって雑念を振り払って心がすっきりする不思議な体験を、1日のなかにあえて作ってみましょう。
枡野俊明さんのこちらの1冊「【仕事は、全てが生産活動ではない!?】「動じない」心のコツ|枡野俊明」もいまここを考えるにあたって、おすすめです。
朝に集中!?
朝は、頭がスッキリして、とてもよい時間です。また、いい朝を迎えることで、その日1日、順調にものごとがすすみます。朝時間を無駄にしないで過ごしてみましょう。
たとえば、「今日はいい1日になる!」と掛け声を、自分自身にかけてみることも良いかもしれません。元気な一歩を踏み出してみることが大切です。イヤなことが予見されていても、そんな掛け声で、前向きに取り組んでみる習慣を作ってみましょう!
「うまくいかないかもしれないなぁ」と思っていたら、余計にうまくいかなくなるかもしれません。強気にいきましょう。
仕事の能率は、朝最高潮に高まります。反対に、夕方以降は、疲れてきますので、重要な決断や判断は、夜にしないことがポイントです。
前の晩の過ごし方さえ間違えなければ、睡眠で前日の疲れが解消され、午前中は心身とも元気いっぱいでしょう。
40 大事な仕事は「朝」やる
一方、夜には夜の過ごし方があります。それは「今日も1日、無事に過ごせました。ありがとうございます」という気持ちを大切に、心穏やかに過ごすということです。
日記をつけてみてもいいかもしれません。感謝日記です。1日を振り返り、無事に感謝し、心身ともにリラックスして急速を十分取りましょう。
心に集中!?
禅は「怒りを頭に上げずに、お腹に溜めておきなさい」と教えています。
56 怒らないこと
怒りや不安にかられてしまったときに、意識したいのが心の問題です。
怒りの感情がわいてきたら、すぐにぶちまけずに、「間」をおいてみましょう。深呼吸して、心のなかで「ありがとさん、ありがとさん、ありがとさん」でもいいですし、「静まれ、静まれ、静まれ」「落ち着け、落ち着け、落ち着け」と唱えてみるとよいです。
あるいは、悩みや不安が襲ってきたら、何も手がつかなくなってしまったりしますよね。そういうときは、心を「無」にすることです。
禅では「非思量」になる、といいます。難しいようですが、要は、目の前の問題をあるがままに受け容れ、やり過ごせばいいのです。
57 「非思量」になる
心に悩みが生じ、乱れたときこそ、ことさらにジタバタしない!トラブルが去るのを静かに待つのが、健全な心を取り戻す一番の早道なのです。
一休さんで有名な一休禅師は87歳で亡くなる直前、弟子たちに「どうしても困ったことがあったら、この手紙を開けなさい」と伝え、一通の手紙をわたしたそうです。
数年後、本当に困った弟子たちが、それを開くと「心配するな、大丈夫、なんとかなる」と一言書かれたいたそうです。弟子は思わず笑ってしまったと、逸話が残っています。
「大丈夫」「なんとかなるさ」の精神、大切ですね。なんくるないさ~、ケセラセラ、マイペンライなどなど、そういえば世界中には、なんとかなるさの精神が息づいています。人の知恵なのかもしれません。
枡野俊明さんの本を読むと心穏やかになります。
まとめ
- この瞬間に集中!?――いまここに集中しましょう。
- 朝に集中!?――朝の時間を大切にすると1日がよくなり、その積み重ねが人生をよりよくします。
- 心に集中!?――怒りや不安のときにこそ、自分の心を見つめてみましょう。