- どうしたら、過剰に思い悩むことなく、心安らかな快適な人生を送ることができるでしょうか。
- 実は、「放っておく」ことがポイントかもしれません。
- なぜなら、禅的考え方から現代人の生活を見ていくと、明らかにムリがあるからです。
- 本書は、適度に「放っておく」ことを起点にいくつかの生活の心得を教えてくれる1冊です。
- 本書を通じて、改めて自分の生活や考え方を見直すきっかけを得ることができるでしょう。
「放っておく」ことがうまくなると・・!?
今回も前回の投稿「【当たり前のことを、当たり前にするのが、最強の幸せ?】小さな悟り―――人生には「小さな答え」があればいい|枡野俊明」に続き、枡野俊明さんの1冊をご紹介していきたいと思います。
今回のテーマは、「放っておく」ことです。
「放っておく」と聞くとみなさんはどんなイメージがあるでしょうか。物事を途中で投げ出したり、やらなくてはいけないことをやらずに放置するとか、あるいは、不正を野放しにするなどの意味合いとして捉えられてしまいがちかもしれません。たしかに、これらの意味の「放っておく」はあまりよろしくはないです。
でも、枡野俊明さんの言う「放っておく」は少し意味が違います。「放っておく」べきことは案外、世の中にはあるものです。例えば、SNSなどを通じた過剰なつながり、メディアなどを通じて伝えられる常識、コントロール不能な他人を変えることなどなど。
情報化社会、都市生活を経て、現代人は、過剰に繋がり、そのことで思い悩むことが増えてしまいました。だから、不必要なことを適切に手放し、捨てて、放っておくことが、人生を安らかに過ごす秘訣だと言えるのです。
一切の執着を捨て去ることを意味する「放下着」という禅語があるように、「放っておく力」を発揮する生き方は、禅的な生き方でもります。
むやみに「関わらない」
禅的上手な仕事の向き合い方とは!?
適切に「放っておく」ことがポイントですが、これは、仕事に際しても同じことが言えます。
いいか・悪いか、好きか嫌いか、面白いか・つまらないか、簡単か・難しいか、評価されるか・されないか……何事も「やる・やらない」を判断するとき、人間はどうしても「二元論」で考えがちです。
むやみに「関わらない」
とくに仕事のときには、こうした損得の打算が働いてしまいがちです。でも、損得勘定は自分の思惑の通り行かないのが世の常です。これについては、楠木建さんも『絶対悲観主義』として、お話をしてくださっています。おすすめです。「【いいことたくさん!】絶対悲観主義|楠木建」も、ぜひご覧ください。
人生、ましてや仕事は、多くの人が関わるものです。それぞれに利害があるのですから、当然、自分ひとりの思惑の通りにいくはずがありません。なので、事前に変に打算的になるだけ、心のエネルギーのムダということになりかねません。
では、どんな心構えが重要でしょうか!?
それは、「いただいた仕事は、どんなことでも、一生懸命に取り組む」ということです。何がよくて、何が悪いということもないのです。ただそこにあるのは、やること、取り組むことがあるという事実。そして、それはご縁によってもたらされました。そのご縁に感謝して、一生懸命に取り組むことが大切です。
加えて大事なのが、「いただいた仕事がなんであれ、『ひと工夫加えて”自分色”に染めて仕上げる」ことです。
仕事というのは同じように見えるものでも、微妙に違います。「森羅万象、この世で起こることは一切が、片時もとどまっていない」と仏教が教えるとおり、仕事だってどれ一つとして同じものはないのです。
無駄に「疲れない」
だから、一律のやり方でこなす、のではなく、状況に合わせて、あなたが積極的にひと工夫をすることが、大切なのですね。
二元論をうまく捨てる!?
上述の通り、良い・悪いなどの二元論は捨て去るに限ります。もしかしたら、その二元論の中に「得意・不得意」もあるかもしれません。でも、これについては、捉え方を変えてみましょう。捨て方が異なると言っても良いかもしれません。
「得意・不得意」については、あなたの生まれ持ったものですので、それは特長であるはずです。だから、これを捨てて、つまり無視して何かに取り組むことは、あなた自身を否定することに繋がりかねないので、避けるべきこととなります。
では、どうしたら「得意・不得意」の二元論から離れることができるか……。それは、人を頼ることです。
あなたが得意なことを、他の人は苦手と思っているかもしれません。その反対に、あなたが苦手なことを、他の人が得意にしていることがあるかもしれません。
だから、人ともに仕事をすることで、この二元論を捨て去り、逆により良い方向へ向かう力へと変えてみましょう。やはり、何をするかよりも、誰とするかも大切なのかもしれませんね。そしてそれは、ご縁にもつながってくる話なのだと思います。
どんな人にも得手・不得手があります。その中で大半の人は、どういうわけか、苦手を克服しようとがんばります。まじめな人ほど、その意識が強いようです。
無駄に「疲れない」
過去の投稿「【学校で教えてくれないWHOの話とは!?】WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」|ダン・サリヴァン,ベンジャミン・ハーディ,森由美子」も合わせて、おすすめです!!
まとめ
- 「放っておく」ことがうまくなると・・!?――現代人はあまりに執着しすぎです。執着しても、あなたの思い通りに人生はいきません。だから、あるがままを受け入れることが大切です。
- 禅的上手な仕事の向き合い方とは!?――目の前のしごとにご縁を感じて、一生懸命取り組むことです。あなた色をひと工夫で少し加えてあげることもポイントです。
- 二元論をうまく捨てる!?――良い・悪いなどの二元論から離れましょう。個性や特長を活かすことを考えてみましょう。