- よりよい人生へ向かうには、どんな考え方が必要でしょうか。
- 実は、思い切って半分にいろいろを減らしてみることかも。
- なぜなら、現代人は、あまりに多いものやものごとを持ち続けているから。
- 本書は、禅や仏教の教えをバックボーンにしながら、持ちすぎない生き方の効用を説いてくれます。
- 本書を通じて、思い切って断捨離してみる暮らし方を見出すことができるでしょう。
現代人はやりすぎている!?
現代人は、あまりにも活動をしすぎていると、川野泰周さんは指摘します。
現代人は、仕事でも食事でも買い物でも、何かにつけて「やりすぎる」傾向があります。
その2つのメリット
この結果、
- 働きすぎで、体調を崩したり、うつになったりしてしまう。
- SNSに依存して、心が神乱され、自分を見失ってしまう。
- つい暴飲暴食をしてしまい、生活習慣病のリスクが増大してしまっている。
- ものを捨てられずに過剰にためこんで、生活環境が乱れてしまっている。
- 必要もないのに、たくさんかいものをして浪費を助長してしまっている。
などの、問題を抱えてしまっています。
ものも、食事も、仕事も、何かを「断捨離」したいと思った時、たとえば、「半分減らしてみる」ことを目標にしてみてはいかがでしょうか。
なぜ、半分?
1)指標としてわかりやすいから、
2)結果として、行動変容につながる。
半分は、ちょっと減らし過ぎでは?!って思いますか?でも実はそうでもないかも。
私たちは、本当に過剰がおおいのです。
仏教の「中道の精神」とは!?
半分、減らす、には、仏教や禅の世界の「中道の精神」というバックボーンがあります。
何事も極端に走らず、偏りなく、ちょうど真ん中くらいのところを意識することを意味します。
「中道の精神」でゆく
なぜ、仏教や禅の世界では「中道の精神」を重んじるのでしょうか。それは、「物事を二元的に考えることから離れてみる」ことを、思想の根幹のひとつに据えているからです。白黒をつけるから、苦しくなる。だから、グレーゾーンをたくさん自分の中に内包することによって、人はラクに生きられると説きます。
生きるも死ぬも、同時に背中合わせである。だから、今を一生懸命生きる。いまに集中すれば、自分が勝手に生み出す妄想に縛られずに生きられる。それが仏教や禅のマインドセットです。
半分の目指し方とは!?
たとえば、食事を半分にすることを考えてみましょう。
大切なのは、はじめの3口。
はじめの3口を、実にゆっくりと慎重に食べてみましょう。香り、味わい、食感、喉越し、などなどすべてこまかな行動をそれぞれ五感をフルに活用しながらじっくりと味わっていきます。そうすると、想像以上に満足度が高くなって、たくさん食べたい!って思わなくてすみます。
四口目からはふだんどおりでかまわないのですから、簡単に実践できると思います。
まずは三口――「ゆっくり、ていねい」な食べ方
料理に意識を集中させて、ていねいに味わうと、満腹感を得やすいことよりももっと大きな発見があるかもしれません。それは、「いつも以上に食事がおいしく感じられる」ということです。
これって、いろんなことに応用できるとおもいます。お酒や嗜好品だけではなく、仕事や家事にもいえるかも。丁寧にひとつひとつの動作に集中して行ってみる。丁寧に人との付き合いを考えてみる。丁寧に情報を取得してみる、その積み重ねが、過剰な摂取をふせぎ、中身の濃い活動へと自らを導いてくれるのです。
仕事を丁寧に取り組むメリットは、
1)集中力が上がる、
2)ミスが減る、
3)心の平穏を保つことができる
などさまざまです。
ひとはそんなに器用ではありません。マルチタスクができているようで、解像度を上げればシングルタスクです。ひとつのことに集中してみることに意識を向けましょう。
手放すことについて、こちらの投稿「【人生快適化計画!?】仕事も人間関係もうまくいく放っておく力: もっと「ドライ」でいい、99の理由|枡野俊明」も禅のアプローチを教えてくれます。おすすめです。
まとめ
- 現代人はやりすぎている!?――やりすぎのあまり抱えきれずに苦しみを自ら生んでいます。
- 仏教の「中道の精神」とは!?――極端を嫌います。
- 半分の目指し方とは!?――はじめの行動を丁寧にしてみることです。