【仕事も守破離、「怠惰な多忙」に身を任せるな!?】キャリア・ウェルネス「成功者を目指す」から「健やかに働き続ける」への転換|村山昇

キャリア・ウェルネス「成功者を目指す」から「健やかに働き続ける」への転換
  • 忙しいですか、でも、その忙しさ本質的に成長をもたらす忙しさですか?
  • 実は、「怠惰な多忙」を続けていくと、成長機会を失うかもしれません。
  • なぜなら、現状打破をして、一定の負荷を与えることでしか、人は成長しないからです。
  • 本書は、キャリアコンサルタントである村山昇さんによる、これからの働き方を深く突き詰める1冊です。
  • 本書を通じて、自分や自社従業員のキャリア戦略のあり方を見直すきっかけを得られるでしょう。

今回も前回の投稿「【キャリア観にアウフヘーベンを!?】キャリア・ウェルネス「成功者を目指す」から「健やかに働き続ける」への転換|村山昇」に引き続き、本書を取り上げ、ご紹介していきます。

健やかなキャリア観には、一定の負荷が必要!?

100年生きる時代において、「数直線的な成功」を目指すキャリア観でもなく、あるいはそこからの「自己防衛の無気力な」キャリア観でもない、第3軸のキャリア観を持つことが、よりよい人生につながっていきます。

第3軸のキャリア観は、「健やかな仕事・健やかなキャリア」です。

3つのポイントで説明します。

  • 1)「健やかな仕事・健やかなキャリア」は、負荷とともにある。
  • 2)「健やかな仕事・健やかなキャリア」は、動きの中にある。
  • 3)「健やかな仕事・健やかなキャリア」は、意味のもとにある。

3つの要件がそろって生み出される仕事は、「豊かな仕事」というべきものです。

自己を全人的に使う「豊かな仕事」 vs 部分的に使う「長けた仕事」

実は、多少の無駄を許容する必要があります。自分ならではの厚み、力強さが醸し出される一方で、ある方向への強調やゆがみも生まれてくるからです。要求水準からはみ出すことだってあるでしょう。あるいは、欠如することも在るかもしれません。だから、経済的、生産性、効率性から、一歩ひいて、自分ならではの価値観で、仕事をはかっていくことも必要なのです。

あなたは、経済性の観点以外で、自分の仕事をはかるすべを持ち合わせていますか?

仕事も守破離?

仕事においても、守破離が必要です。

「守」・・上司や組織から実務を学び、経験値を積んでいくフェーズです。「この仕事はあの人に任せれば大丈夫」と言われるような信頼を得ていきます。

「破」・・組織の既存の考え方・やり方に対し、積極的に改革提案ができ、かつ実行できるようになることです。現状の自分に満足せず、自己の殻を恒常的に破っていくことができる状態です。

「離」・・どんなミッションを受けても、どんな環境を与えられても、組織と協調しながら、悠然と自分の世界観で仕事・事業を起こせる状態です。また、リタイア後の人生も自在に切り拓いていくことができます。

特に「破・離」へ上がっていくためには、価値軸や目的・意味が主導しなければなりません。

気が付かない間に進行する「怠惰な多忙」

「怠惰な多忙」に身を任せるな!?

20代のうちは、守破離のうち「守」を極めていけばいいでしょう。そして30代になれば、「破」に向けた仕込み期間を体験し、何らかの破壊的創造へ、自らを導くことが望ましいです。ここで、「破」のフェーズに移行できるか否かが、その後の人としての成長や人生の意味を決定づけていきます。

しかし、30代には罠がたくさんあります。そのひとつが、「怠惰な多忙」です。

私たちは忙しく動き回って、それで何か仕事をやった気になっています。そうして一年、三年、五年がすぐに経つ。あるときふと振り返ってみると、自分がさしたる成長もしていないことに気づき、がく然とする。

気が付かない間に進行する「怠惰な多忙」

なぜ、このような「怠惰な多忙」にハマるのでしょうか。

ハーバード・A・サイモンという経済学者は「悪貨は良貨を駆逐する」というグレシャムの法則をもじって、「定型の処理的な仕事は、非定型の創造的な仕事を駆逐する」と言いました。

人はともかく新規のことを考え、リスクを負い、議論し、判断し、全体を整理し、批判を受け、創造して進むことが面倒なんです!!定型の仕事は決まり決まった処理をしていればいいので、超イージーモードですね。単に運動量をこなしていれば、給料も出るし、だからみんなそっちに流れちゃうんです。

これは突き詰めていくと「会社」という仕組みの捉え方になります。あなたにとっての「会社」とはなんですか?ぜひ次回は、この「会社」の捉え方をアップデートすることを、意識してみましょう。

まとめ

  • 健やかなキャリア観には、一定の負荷が必要!?――全人的で健やかなキャリア観を持ってみましょう。
  • 仕事も守破離?――守破離の内、とくに30代において、「破」フェーズへの仕込みができるかがポイントです。そのためには、価値軸や目的・意味が主導しなければなりません。
  • 「怠惰な多忙」に身を任せるな!?――成長の機会を自分で捨てることになります。
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