- 21世紀の働き方は、どう変わっていくでしょうか!?
- 実は、AIを上手に活用すると努力のベクトルが変わるかも。
- なぜなら、80点がゴールラインではなく、スタートラインになるからです。
- 本書は、AI時代においてどのように成果を出すことが理想なのかを考える1冊です。
- 本書を通じて、どのように自分を磨くことが理想か、ひとつのヒントを得ることができます。

ベースラインが変わった!?
先日のアップル社の開発者向けイベントで、Chat GPTとの協業が発表されました。順次、アップルの製品では、Chat GPTを活用して、よりよいコミュニケーションをすることが可能になります。
仕事シーンでも当たり前にChat GPTが登場して、BGSや壁打ちなどさまざまな活用がされていることもちらほらお見受けするようになっています。
Chat GPTを活用すれば、「頭の良さ」や「センスの良さ」さえもコピーすることが可能になります。知識はもちろん、考え方をまとめて、あるいは、自分に内在しているまだ言葉になっていない意識も対話によって引き出してくれる可能性があります。
80点は、合格ラインではなく、単なるスタート地点ということになります。
序章 Chat GPTがもたらした3つのゲームチェンジ
Chat GPTを上手に活用すれば、自分を絶えずアップデートしていくことだって可能です。内容がわからないことがあれば、対話型AIなので、より簡単に説明してほしいと依頼して、内容について詳しく学習することだって可能です。
AIが何を変えたのか・・という視点で見渡していくと、おそらくプロジェクトを進めるステップに影響があるのではないかと思われます。
正解主義から修正主義へ
序章 Chat GPTがもたらした3つのゲームチェンジ
これまでの世界観では、正解にいかに近づくことができるか、事前の準備が特に重要でした。ただし、Chat GPTをはじめとする対話型AIの時代においては、一定程度の正解(80点)にすぐに近づけるので、そこからさらに研鑽ができるかがキーになります。つまり100点を目指すための努力ということになります。ただし、80点までは学習効果や効率も非常に高い(1つのアクションで効果も高い)のですが、それ以降はじわりじわりとしたカイゼンが必要になります。
よって、とにかくやってみて、それから見直して進めていくことが大切になるのです。現場で、まずなにかアクションを取ってみなければ、気づきを得る機会や新しい着眼点を見つける機会を失ってしまいます。大切なのは、事前に準備をかけすぎずに、まずやってみて、そこから見直しを図っていくことです。
これまで日本で常識とされてきた逆の世界観の中で私たちは、いかにまったく新しい発想でプロジェクトを構築していくことができるかを検討したいものです。
実際にChat GPTは、正解を探すことだけなら検索エンジンのほうが良いです。正解を探すのではなく、Chat GPTの本来の力を引き出していくためには、「対話」がポイントです。利用者とChat GPTが互いに問いと答えを繰り返していきながら、一つのものを「共創」していくのが大切なのです。
AIとの対話を大切に!?
Chat GPTとの向き合い方も、まずはやってみるスタンスが大切です。前提や制約条件を最初にガチガチ固めていくのではなく、最初のプロンプトを頑張って書いてみよう!ときばるのではなく、とにかくまず聞いてみることが大切です。そこで得られたリアクションをヒントに、問いと答えを繰り返しながら、精度を結果的に高めていくアプローチを取ってみましょう。
そもそも、「頭の良さ」とは、「引き出しの量=知識量」と「つなげる力=推論力」の掛け算です。
ニュートンは、リンゴの実が木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したといわれています。ありふれた光景と、それまで研究してきた物理学の知識をつなげたことが、世紀の発見を生みました。
第2章 「頭の良さ」はコピーできる
たくさんの引き出しは、すでにChat GPTの中に蓄積されていると思います。大切なのは、Chat GPTとの対話によりつなげる力を互いに活かし、一つのものを共創できるかが大切です。
実際にマイクロソフトのCEOのサティア・ナデラは、「生成AIの本質は、自然言語と推論エンジンの組み合わせ」だとおっしゃっているそうです。推論エンジンとは、いまある知識から答えを導き出す仕組みのことです。たとえば「A=B」「B=C」という点をつないでいき、「A=C」と推論する力のことです。こうした連想を私たちが日常的に使っている言葉を使って質問しながら、無数の引き出しから知識を探してきて推論してくれるのです。
抽象と具体の行き来が仕事であるとは、よく言われたことです。こちらの投稿「【「わかりやすい!!」は、本当に価値なのか!?】具体と抽象|細谷功」などでも非常に明快に、抽象と具体の行き来の重要性が説かれています。

Chat GPTとの対話を活用すれば、「ファクト→抽象化」し、そのエッセンスを「転用する」アイデア出しまで可能になります。

意志こそ力!?
ざっくりした進め方で、絶えず考え続けて、常にインプットとアウトプットを繰り返しながら、活動を続けていくことが大切です。準備に大量に時間をかけていくのではなく、とにかくスタートしてそこから見える世界で、いろいろな副産物を得たり、本質を見つけていったりする進め方が大切です。
もはや「アリバイのための仕事」が生産性を引き下げている事実を、いかにディスラプトしていけるかが、よりよい社会を目指していくうえで欠かせないものです。例えば、こちらの投稿「【気づこう!?】ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか|酒井隆史」にあるブルシットなジョブをトルツメしながら、どんどん活動を積み重ねてみましょう。

Chat GPTとともに、まずやってみて、本当に大切なことに集中する取り組みを続けてみましょう。
AIは、これまで人が頑張って取り組んできたことの多くを代替することができます。
AIがここまでしてくれたら、自分が物事を考える力を失われてしまうのではないかと危惧する人がいるかもしれません。
第6章 それでもコピーできないものがある
たしかに、「思考力」が低下すると心配になる人は一定数いるそうです。ただ、大切なのは、考える中身が変わるという事実とどう向き合えるかです。基礎や正解はAIにまかせて、「意志」にフォーカスすることがより大切になります。
「AIはこう言っていますが、このお客さんは、こんな未来をつくりたいと思って一生懸命やっています。社長も信じられる人です。だから応援したいんです」とか、「このお客さんは絶対に成長すると思います。AIはここまでしか割引してはいけないと判断していますが、長期利用してもらうことを条件に、ここまで割引したいです」とか。
これって、AIが基礎を作ってくれて、それでも自分がこうしたい!という「意志」をより顕在化している思考だと思います。
「とにかく自分はこれをやりたいんだ!」という思いに従う。
第6章 それでもコピーできないものがある
これが、人間に残された仕事です。「やりたいこと」をまず探しまくること、「やるべきこと」はChat GPTに任せましょう。自分がやりたいことがしやすい時代になっているのかも知れません。こういう方向に進みたい!という気持ちを大切にしながら、楽しく前に進められるように少しずつトライを重ねてみましょう。
明日も引き続き、本書から、どんなポイントが新たな事業を作る視点になるのかをレビューしていきたいと思います。
まとめ
- ベースラインが変わった!?――正解主義ではなく、修正主義で80点から積み重ねましょう。
- AIとの対話を大切に!?――対話の末に、「共創」をめざしましょう。
- 意志こそ力!?――人に残されているのは、意志を見出し、それを大切に活動を作ることです。
