【問いを共有するとは何か!?】3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術|伊藤守

3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術
  • 「問い」をいかにたてるか、どう「見立てるか」が重要だといいます。でも、それって具体的にどんなことでしょう。
  • 実は、「コーチング」の最大の目的を知ると、この「問い」や「見立て」に向き合うヒントが得られます。
  • なぜなら、「コーチング」の目指すところは、「問い」を原動力に、変化に自発的に対応していくことだからです。
  • 本書は、日本にコーチングをもたらした伊藤守さんによる、上司・部下のクイックなコーチング(コミュニケーション)について説いた1冊です。
  • 本書を通じて、コーチングという手法の奥底にある目指していること(本質)について触れられるでしょう。

詳しくは表紙をクリック!!

コーチングが目指していることの本質とは!?

前回の投稿「【この辺で、おさえておきたい「コーチング」!?】コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる|伊藤守」に続き、今回も伊藤守さんのコーチングについて書かれた1冊です。伊藤守さんは、まだ日本にコーチングの概念がなかった時代に、書籍や活動を持って、コーチングの真価を紹介した先駆者的な方です。

みなさんは、コーチング(あるいはトレーニング)とティーチングの違いについて、具体的なイメージをお持ちでしょうか。圧倒的に異なるのは、受け身か自発的かということでしょう。

コーチングは、問いによって、相手に変革の行動力を与えます。

変化への対応力は、コーチングのいちばんのテーマ

起こす変化とやってくる変化

コーチングに対する正しい認識を持つことは、人のマネジメントにも役立ちます。

部下ができたり、チームを率いたりする際に、トップダウンのヒエラルキー組織的運用をすることも可能です。しかし、予測不能な社会において、こうした軍隊型の運用では、臨機応変さにかけてしまいます。大切なのは、ひとりひとりが柔軟な行動をするために、自分の頭で考えられるようにすること。そのために、組織やチームがどこに向かっているのか、という目線合わせも同時に大切になります。

この目線合わせが、コーチングで重要な「問いを共有する」ということです。

コーチングのイメージは、会話する二人が向き合ってしまうのではなく、一枚のキャンバスに向かって、二人で座る。そして部下が絵を描くのを見ながら、会話する。あるいは、二人で並んで座って、望遠鏡や双眼鏡で、同じ遠くのものを見る。そして、それについて語る。そんなイメージです。

少し先の未来を見せる

過去の投稿「【VUCAの正しい備え方とは!?】最強の教養 不確実性超入門|田淵直也」では、不確実性に対応する方法として、正しいと思われるのは、予測をもって備えるのではなく、「正しい(と思われる)ことを継続することだ」とありました。正しいこと=キャンバスを、描くこと、そして、社会・顧客・自分たちの価値の交点を見据えることなのかなと思います。

「問いを共有する」ということは!?

コーチングのベースには、<問いの共有>があります。そして、それは無理に作り出すものではなくて、すでにそこにあるものです。あとはそれに気がつくだけです。それに気がつけば、いつでもそれについて声をかけ、その「共有されている問い」について話し始めることができます。自由に話させることができます。

<問いの共有>が行動を起こす

問いが、共有されていればこそ、上司が常に指示を与えなくても、その場その場で、自分の頭で考えて、チームと協同しながら、あるいは外部と強調しながら、目的へ向けた臨機応変な対応が可能になります。

「いかに、私たちは、***を目指すのか」ということ、これを見出しましょう。

これを考えるためには、WHYについて向き合う必要があります。私たちの存在意義を問うといってもいい。私たちは、なぜ生きているのか、を真剣に考えるということが、問いをさらに鋭くしていきます。

過去の投稿「【キャリア・アンカーを活用した内省の仕方とは!?】自分らしい働き方はWHYがすべて教えてくれる|粟野智子」も合わせて、読んでいただくと、ヒントになります。

見せかけの非生産的な問いかけに注意しましょう。

・「ほんとうかな?」
・「このままでいいんだろうか?」
・「だいじょうぶだろうか?」

こうした、ワナにかからないようにしましょう。疑心暗鬼ではなく、あなたに「行動」をもたらす問いこそが、よい問いなのです。

<問いを共有>することの大切な働きがあります。
それは、わたしたちの頭の中に常駐する、非生産的な「問い」を追い出す働きです。

<問いの共有>が行動を起こす

未来への意識が重要!?

大切なのは、過去ではなく未来を考えるということです。問いも、未来を意識しましょう。というのも、過去に対する問いは、必然的にその人を責めたり、あるいは非難することにつながる傾向が強いのです。建設的な「行動」につなげる習慣を作るには、「未来に向けた問いかけ」が大切なのです。

コーチングも同じです。少し先の未来をコーチします。やり方は簡単です。「視線」を未来に向けるだけです。

少し先の未来を見せる

伊藤守さんの素敵なエピソードも引用します。

ボストンシンフォニーの著名な指揮者、ベンジャミン・サンダー氏を日本に招へいしたとき、尋ねてみました。
「指揮者は何をしているんですか?リズムをとっている?または、演奏者にキューを出しているんですか?」

少し先の未来を見せる

これに対して、氏と次のようなやり取りをされたそうです。

「リズムなんてとらない、ダンスしているわけじゃないんだから。それに、みんな一流の演奏家で、彼らにキューなんて出さない」

「それじゃあ、何をしているんでしょうか?」

「少し先の未来を指揮している」

指揮者も、演奏家も、音楽という未来へ向けた流れの中で、先を見ているのでしょう。そして、その行く先を提示し、演奏というレスポンスという対話を私たちは、聞いているのだと思いました。

未来への問い、まさに過去の投稿「【たったひとつの問いかけで、すべてを前に進めるには!?】「質問」だけですべてをプラスに変えていくフィードフォワード全技術|久野和禎」のフィードフォワードにふれるところです。

まとめ

  • コーチングが目指していることの本質とは!?――「問いを共有」し、変化に対応する力をもたらすことです。
  • 「問いを共有する」ということは!?――「行動」をもたらします。
  • 未来への意識が重要!?――過去ではなく、未来に向けた問いを共有しましょう。

詳しくは表紙をクリック!!

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