- 「ニュータイプ」な視点でキャリア戦略や組織設計をするときにどんなことが大切になるでしょうか!?
- 実は、組織内外の使い分けが大切かもしれません。
- なぜなら、労働市場は大企業への寡占化と、中小規模組織の乱立が並行するからです。
- 本書では、山口周さんが提唱した「ニュータイプ」への働き方シフトが語られています。
- 本書を通じて、自分のキャリア戦略や自分が所属する組織のあり方を再構築するきっかけを得られるでしょう。
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働き方を規定する大切なトレンドとは!?
経済学者のロナルド・コースは、なぜ経済活動のほとんどが市場による取引ではなく、官僚的な大企業による管理と統制のもとになされているのかを研究し、市場よりも、企業内の方が情報流通のコストが低く、より効率的に経済活動の調整ができるからだ、と結論づけた。
第5章 ニュータイプのワークスタイル
「取引コスト」という経済用語があります。これは、財の交換をする際、どれだけの手間(時間的なコストや、金銭的なコスト)がかかるのか?という概念です。新しいところからものごとを購入するよりも、よく知れた取引先から購入するほうが、手間が少ないですよね。それは、互いに情報格差が一定低くなっていることによります。それが最大化するのは、社内取引に付きます。なぜなら、情報格差も極めて低くなる上、利害関係も一致することも想像できるでしょう。
そして、この状況が現代だいぶ崩れてきていると、山口周さんは指摘します。
今日、コースが指摘した情報流通のコストは急速に低価格化が進んでおり、労働市場で企業に所属せずに働くことのデメリットは相対的に小さくなっている。
第5章 ニュータイプのワークスタイル
さらに、今後、分散型社会が実体化する中で、自分のジョブが履歴として残しやすくなる中で、こうした環境はさらに加速するものと見られます。分散型社会でどんな可能性が生まれるかは、こちらの投稿「【乗り遅れるな!?真にパーソナルな時代へ】メタバースとWeb3|國光宏尚」の書籍もご確認ください。
そして、社会は・・!?
今後の世界は、大企業による市場の寡占化と、個人に代表される小規模組織の多様化・乱立という二極化が進むと考えられる。このとき、どちらの立場で仕事をするかが大きなオプションとなるが、最もリスクが低いのは「両方の立場にポジションを持って働く」というバーベル戦略になる。
第5章 ニュータイプのワークスタイル
これまでのように、ひとつの組織に全てを捧げる働き方ではなく、複業や副業あるいは、その他の社会貢献活動等を通じて、自分ののりしろを多面的に持っておくことが重要になると考えられます。
この山口周さんのご指摘で思い出すのは、こちらの書籍です。投稿「【アウフヘーベンしようぜ?】直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~|阪原淳」をご覧ください。
本書の中で、自分の目標を達成するには、実は「半歩ずらした活動」にも積極化できるかどうかも大切だということを、阪原淳さんは説いていました。その時の引き合いに出されていた、映画監督のお話が忘れられません。『ジュラシックパーク』の原作を書いた作家マイケル・クライトンは、医学を勉強したといいます、また、『アバター』のジェームズ・キャメロン監督は海洋生物学と物理学を勉強していたそうです。
もちろん、目的達成に直結するアクションのHOW TOを学ぶことも重要だと思いますが、スキルの冗長性を増し、リスクに備える、あるいは、相乗効果を期待することも大切だと思います。そして、その掛け算効果がオンリーワンの価値になっていくのではないでしょうか。
実践に向けて大切なことを教えてくれる書籍は?
「ニュータイプ」な働き方に実践的になれる図書をおすすめするとしたら、こちらをあげます。「【人生のコンパス持ってますか!?】Dark Horse|T・ローズ他」の投稿をご覧ください。この書籍の中で規定されているダークホースとはこんな生き方をする人たちです。
会社の枠組みに従うだけでなく、自分の生き方を問う、すなわち自分自身の「小さなモチベーション」に向き合うことで「個別化の時代」に踏み出すチャンスなのだと私は思う。
Chapter1 自分を縛る「見えないツール」に気づくこと――なぜ、「人生が順調」でも満たされないのか?
まさに、山口周さんが指摘するバーベル戦略を実践する人のことです。『ダークホース』の著者であるT・ローズさんは、これからは「個別化の時代」だと分析します。ひとりひとりが、自分の信念や志向に従って、自分の仕事を自ら作る時に、既存の組織だけに依拠しないのは自然な行動になります。
また、こうした働き方が実際に徐々に増えてきているのも肌で感じる人も少なくないのではないでしょうか。パラレルワークをしたり、企業でも副業解禁をするところも増えてきました。
企業の人事の機能も大きく異なってくるように思います。これまでのように、人材の適材適所を志向するだけではなく、企業のビジョンと個人のビジョンのすり合わせや、個人の特性にあわせた能力開発のカスタマイズ、あるいは機会提供などを通じて、人的資源を経営力向上のためのドライバーとして機能させていく指向性が求められます。
新たな時代を見越した、人材育成の考え方に刺激をもらえる書籍は、こちらです。「【越境人材は、2度死ぬから、生きる!?】越境学習入門|石山恒貴,伊達洋駆」を詳しくはご覧ください。ひとつの組織だけで生きるのではなくて、外に飛び出すと、その本人は、大変なカルチャーショックを受けます。たとえば、コミュニケーションの方法や、価値観の違いによる齟齬によってもたらされます。そして、実は、戻ってくるときにも、実は同じかあるいはそれよりも大きなカルチャーショックを受け、人材として幅も奥行きも大きな人に成長するといいます。組織は、「越境」を積極化させることで、所属する人員を変更することなく、さらなる多様性を内包することができうるはずです。
まとめ
- 働き方を規定する大切なトレンドとは!?――情報の取引コスト低下により、一つの組織内に閉じる必要性が人材としても低下しています。
- そして、社会は・・!?――大きな組織と小さな組織、どちらでも活動することがリスク低下に繋がります。
- 実践に向けて大切なことを教えてくれる書籍は?――自分の信念を見つけ従うこと、そして越境も積極的に行うことがヒントかも知れません。
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