【リーダーは後天性!?】「リーダーの条件」が変わった|大前研一

「リーダーの条件」が変わった
  • これからの時代、どのようなリーダーシップが求められるでしょうか!?
  • 実は、上意下達よりもビジョニングとフラットコミュニケーションが大切かも。
  • なぜなら、人一人でできることは限られているからです。
  • 本書は、チームの力を引き出すためのリーダーシップに関する1冊です。
  • 本書を通じて、これからのリーダー像について解像度を上げることができます。

リーダーシップは、後天的!?

リーダーシップとは、上に立つものが自分の考えや主張を部下に押し付けることではありません。

リーダーは、絶対的に万能ではありません。だから、一人で考えたことを皆に伝えたところで、間違いだってあるかもしれないし、そのリーダーの能力を超えて仕事が拡大することもありません。せいぜい、足し算程度で、掛け算のように、チームの底力を引き出すことは、上意下達では難しいものです。

リーダーは、自分以上の知識や能力を備えた人材を選び抜いて部下として、メンバーが上司(=自分)の判断に対しても異を唱えられるような、環境と関係性を気づきながら、全体をビジョンのもとにまとめ、方向づける知恵と実践の継続が必要になります。

優秀なメンバーたちをマージし、彼らの能力を掛け算していく(足し算ではなく)チーミングも求められます。

――これが、本来のリーダーの在り方です。

リーダーは自然に生まれてこない

[ビジョナリー・リーダー]世界で勝つ企業は人材育成に毎年1000億円かけている

しかし、リーダーというのは、天性の才能ではなく、実は訓練によって引き出される後天的なスキルセットなのです。この点を本書では強調してくれています。

たとえば、GE(ゼネラル・エレクトリック社)は、10万人規模の従業員の中から1000人程度をグローバル・ローテーションの対象に選び、一箇所に集めてリーダーシップの教育を徹底的に行います。約10年かけて将来のトップ候補を絞り込み、約200人を最終的に選抜します。この取り組みには年間1000億円の費用がかけられているといいます。売上高10兆円企業において1%程度をリーダーシップ教育の経費としているのです。もちろん経皮的側面は1000億円かもしれませんが、それだけではなく、人の時間や労力も膨大なものがあるでしょう。

リーダーシップは、本来教育して積極的に磨くものなのです。しかし、日本の企業にあるのは、いまだ「職能教育」の側面が強い研修制度だけではないか、と大前研一さんは指摘します。

リーダーは、システムを構築せよ!?

統率する組織の規模に応じて、理想的なリーダーの在り方は異なります。指折り数えられるメンバーの数である場合は、「率先垂範」的でなければなりません。まずリーダー自身が行動して成果をあげることで部下を鼓舞し、ひとりひとりのメンバーの能力をフルに引き出していくのです。メンバーとの喜怒哀楽をともにしながら、体育会系のプレイングマネージャー的存在で、全体を底上げしていきます。

しかし、数十人、数百人の複数部署を束ねるような組織を動かすリーダーになったら、そのやり方は通用しません。なぜなら、いちいち自分が顧客のもとに足を運んだり、メンバーをひとりひとり個別に指導したりすることが困難になるためです。

大組織を動かす時は、システムを通じてやるしかない。

[中間管理職“再生術”]組織を動かすには「“揺らぎ”のシステム」を使いこなせ

このシステムは、人事評価と密接に関わっている必要があります。会社の利益と個別のメンバーの利益がシンクロするような視点で目標を設定させることがキーになります。

たとえば、定量的な目標を考えてみましょう。売上と利益どちらがポイントになるかというと、確実に「利益」です。売上であれば、値引きをして、企業にとって望ましくない業務をメンバーがつくることを助長捺せかねないからです。

また、一度作ったシステムは、時間が立つにつれて、人はそれに安住するようになり、働かなることも見越して、都度、システムの改編をしていくことも視点に考えるべきでしょう。固定給とインセンティブなどで見てみると、顕著です。固定給があまりに多い場合だと、メンバーシップが養われて共同体のようなカルチャーを創るのに役立ちますが、一方で、挑戦する機会を低減させてしまうかもしれません。組織の状況を見て、固定給とインセンティブ比率を見直すことで、組織の成長力を維持する差配をすることが望ましいです。

理想的な状態は、常に組織をモニタリングしながら、システム全体を見直し続けるアクションです。現場を統計データで掌握し、放っておいてもメンバーが乱れずに働くシステムを構築することがポイントになります。この「力量」次第で組織は一変するでしょう。

統計データを活用して、真のマネジメントを目指す視点については、こちらの1冊「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」もぜひご覧ください。とても興味深い視点をいただくことができます。

システムに安住が見られるようになったら、インセンティブの調整などを行いながら、組織全体にいい意味での“ゆらぎ”を生み出すことも、リーダーの役割でしょう。これまでのやり方だけではなくて、新しい視点や探索も含めてメンバーに活動機会を提供することで、組織や事業が変化を柔軟に乗りこなしながら、成長する力を養うことになります。

こうした“両利きの経営”的組織論については、こちらの1冊「【現実的アジャイルでいけ!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ」もぜひご覧ください。

いかに、リーダーシップを養うか!?

リーダーシップとは、具体的に「方向づけ」「コミュニケーション」によってもたらされます。

チームや組織として向かうべき先を提示し、それをしっかりとメンバーと共有し、あるいは時には互いに対話をしながら、その方向性を柔軟に見直しながら、ひとりひとりとチーム・組織の志をマージしていく能力が不可欠です。

リーダーシップは“天与”のものではない

[新・人材教育カリキュラム]リーダーシップは“天与”のものではない

だからこそ、上述のような教育によって、リーダーシップを養うことが組織にとって不可欠なアクションになります。そもそも日本型教育は「答えがある」ことについて、いかに正確に、短い時間で、正しい答えを見つけることができるか!?について、問うものになっています。

これは、よりよき「労働者」を生み出すことには長けているかもしれませんが、次代を担うためのリーダーシップ、特に「方向づけ」と「コミュニケーション能力」を高めることは難しいです。

同様の視点で、(大前研一さんはスポーツを持ち出すことを良しとしていませんが)こちらの1冊「【リーダーシップは、後天性!?】リーダーシップを鍛える ラグビー日本代表「躍進」の原動力|荒木香織」もリーダーシップを考える上で、刺激を提供してくれます。

まとめ

  • リーダーシップは、後天的!?――リーダーシップは、教育と実践によって養われるものです。
  • リーダーは、システムを構築せよ!?――システム構築と“ゆらぎ”でマネジメントしましょう。
  • いかに、リーダーシップを養うか!?――「方向づけ」と「コミュニケーション」を強化しましょう。
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