【現実的アジャイルでいけ!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ

両利きの組織をつくる
  • どうしたら両利きの経営が実装されるでしょうか!?
  • 大切なのは、経営者の意志と、組織づくりです。
  • なぜなら、深掘と探索の相反する力を組織に内在させる必要があるからです。
  • 本書は、両利きの経営の組織論です。
  • 本書を通じて、事業の永続性を担保する組織設計について考えを巡らせます。
加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ
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どのような組織設計が重要か!?

前回の投稿「【組織カルチャーが、両利きをもたらす!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ」に続き、今回もこちらの1冊『両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」』を取り上げてみたいと思います。

両利きの経営は、既存事業の深掘りと、新規事業の探索の両方を1つの組織に内在させる取り組みです。

「両利きの経営」を実践するためには、まず、「異なるアラインメントを必要とする事業は分離する」という組織デザインが必要条件となる。

AGCにおける「両利きの経営」

本書の中では、AGCをモデルケースとして両利きの経営の組織設計について、具体論が説かれています。AGCの場合、コア事業の各カンパニー(ビル・産業ガラス、オートモーティブ、化学品、電子の各カンパニー、セラミックスの子会社)と探索事業の技術本部(先端技術研究所、商品開発研究所、生産技術部、知財部)と事業開拓部(BDD:Business Development Division)に分かれています。

特に重要で注目するべきは、BDDの役割です。ここでは、R&Dで研究・開発された事業のネタを事業化し、各カンパニーに持ち込めるように育成することにあります。

組織設計上、ポイントは、このBDDは経営直下の配置をされて、レポートラインもボードに直接繋がっています。理由は、探索事業というのは、放っておくと既存事業に駆逐されてしまうからです。

既存事業で稼いだ資金を未来のために使うという行為は、理屈ではわかっても、なかなか当事者にとっては感情的に受け入れられない面がある。

AGCにおける「両利きの経営」

探索事業と既存事業では、成長のステージが異なるため、異なるロジックでの、評価が不可欠です。これを混同してしまうと、探索事業のアプローチは失われ、そして結果的に組織全体としての活動も中長期的に、必ずシュリンクしていきます。

経営チームの直接の保護により、探索を生きながらえるようにするのが、まず最初に必要です。

分離しながらも統合する!?

経営直轄チームとして、事業の探索を行わせながらも、最終的には、収益化事業として現実的にローンチ、育てていく必要があります。そのため、分離をしながらも、事業として統合していくステップを踏むようにします。

統合のプロセスは、「着想」「育成」「量産化」の三段階に整理される。

AGCにおける「両利きの経営」

1.着想(アイディエーション)・・デザイン・シンキングはハッカソン、オープンイノベーションなどの手法によって、事業のアイデアを育てます。
2.育成(インキュベーション)・・アイデアをもとに具体的な製品やサービス、ビジネスモデルを設計し、事業としての実効性を検証し練り上げていく段階です。この段階では、リーンスタートアップやビジネスモデル・キャンバスなどの手法を参考にすることも有効でしょう。
3.量産化(スケーリング)・・事業を本格的に展開し、相応のリソースを投入して拡大していくフェーズです。

とくに量産化においては、次の3つのポイントを網羅する必要があります。

①顧客(Customer):顧客へのアクセス
②既存の経営資源(Capacity):生産技術、生産設備、物流、サービス
③新しい組織能力(Capability):人材、スキル、ノウハウ、カルチャー

注目するべきは、「既存の経営資源」の活用です。既存の資産や組織能力をレバレッジして上手に活用できるかが、量産化(スケーリング)の成否を左右するのです。

AGCでは、BDDが主導となって、アイディエーション&インキュベーションを行い、その上で、スケーリングにおいては、既存事業チームの中の「事業開拓的チーム」とのコラボレーションにより、実体化を実現しています。

  • BDD・・球の出し手
  • 既存事業チームの「事業開拓的チーム」・・球の受け手

このキャッチボール(呼応)関係が重要なのです。

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3ステップは同時多発的!?

上述の3つのステップは、必ずしもきれいなバトンリレーになっているわけではありません。しかし、現実的には、同時開発の様相となります。

たとえば、初期の研究段階において、既に生産技術の専門家が、量産化を意識した検討をするのです。さらに、カンパニー側も単に探索事業の球を待っているだけではなく、時に開発段階にも入り込んで、顧客の用途と自社技術をつなぐ機能開発を重視しています。

これがとても重要なことで、「分離」したものを「統合」するには、単に意識付けだけではなく、仕組みが必要なのです。そして、それは、往々にして組織づくりにもつながるものである必要があります。既存と新規の組織が互いにメリットとなるような結節点のすり合わせを積極的にするとともに、経営者は、その支援を力強く行っていく必要があります。

とりわけ経営者には、異なる特性の事業を束ねる「器と決断力」が求められる。

AGCにおける既存事業と新規事業のつなぎ方

まとめ

  • どのような組織設計が重要か!?――深掘と探索の事業を分け、探索は経営直轄とします。
  • 分離しながらも統合する!?――スケーリングを想定した、取り組みを行う必要があります。
  • 3ステップは同時多発的!?――試しながら、既存・新規事業横断で、実装を目指しましょう。
加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ
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