- リーダーには、生まれ持った素質が必要でしょうか!?
- 実は、リーダーシップは、鍛えられます!
- なぜなら、リーダーシップは後天性だからです。
- 本書は、ラグビージャパンで活躍されたメンター荒木香織さんによる1冊です。
- 本書を通じて、限界に挑戦する組織においていかにリーダーシップが育つか知ることで、自らの日々の活動を俯瞰する手助けをくれます。
リーダーシップの見立てを変えよう!?
本書は、スポーツ心理学の博士である荒木香織さんのリーダーシップ論です。彼女は、ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ選手に請われ、2012年から15年までラグビー日本代表の「メンタルコーチ」をつとめました。
2019年日本は、ラグビーで沸きました。それは、日本でワールドカップが開催されただけではなく、強豪を破り、ベスト8まで進む快挙を成し遂げたからです。
そんな、強い日本代表のメンタルの足腰を作ったと言っても過言ではない荒木香織さんですが、リーダーシップの力が重要といいます。
このリーダーシップですが、持って生まれた素質だけではないのです。
リーダーシップとはスキルであり、鍛えることができるという点です。
プロローグ
リーダーシップは、後天性に鍛えることができます。一人ひとりがリーダーシップを発揮する組織体も実現可能です。
マインドセットがポイント!?
リーダーシップを鍛えるためには、マインドセットが重要です。マインドセットは「目標を達成するために課題に取り組む際の思考や姿勢、さらに周りで起きていることをどう捉えるか」と意訳をすることができるでしょう。
「ムリ!」と思い込みから脱却して、自分たちは成長する可能性があるんだ!という意識に変えることです。そのためには、「変化」を受容する勇気と、「できる」と思い込めるだけの自信が必要になります。
荒木香織さんが取り上げるのは、マインドセットの柔軟性です。
変化を信じないマインドセット(Fixed mindset/フィクスド・マインドセット)を、「自分たちには伸びしろがある」「能力には限界はない。進化させることができる」と信じるマインドセット(Growth mindset/グロース・マインドセット)へと変容するように、導くのです。
このマインドセットの違いについては、こちらの1冊「【あなたは硬直型!?それとも、しなやか型!?】マインドセット:「やればできる!」の研究|キャロル・S・ドゥエック」「【どうしたらしなやかマインドセットになれる!?】マインドセット:「やればできる!」の研究|キャロル・S・ドゥエック」も大変おすすめです。キャロル・S・ドゥエックさんの研究もとても興味深いのでこの機会にぜひ、ご覧ください。
自分たちが信じていることや考えていることは、高い確率でその行動や成果に影響を及ぼすということです。
第1章 可能性を信じる
荒木香織さんによると、成長の土台となるマインドセットには次の3つの点が含まれると言います。
1)新しい経験を拒まないこと
2)習得への情熱を持つこと
3)限界を決めないこと
組織を変えるリーダーシップに不可欠なことは!?
組織や社会を変革していくリーダーを目指すためには、次の4つの要素を鍛えていくことが欠かせません。
1)理想的な影響力
2)モチベーションの鼓舞
3)個々への配慮
4)思考力への刺激
1.理想的な影響力とは、お手本となる言動(ロールモデル)を常に心がけることです。フォロワーが真似をしたいと思うことを持ち合わせているのが、リーダーです。実は、リーダーというのは1人ではリーダーではないのです。フォロワーが存在してこそリーダーと言うことが可能なのです。判断基準は、常に個人の信念や倫理、道徳意識に沿ったものになります。リーダーは権力を見せつけるのではなく、常にその行動で周囲を鼓舞していく必要があります。
2.モチベーションの鼓舞とは、フォロワーに対して到達点を示すことです。モチベーションが高いということは、内発的な動機づけに突き動かされている状態をいかに作れるかがポイントになります。
3.個々への配慮とは、まず相手の話を聞くということです。自分の言いたいことを伝えるだけではなく、まず、相手の話をちゃんと聞くことが欠かせません。相手の発言や思考をジャッジしながら聞くのではなく、「今、何が、必要なのか」「どのようにしてもらいたいのか」を具体的に聞きながら、ものごとを進めるようにしましょう。
4.思考力への刺激とは、リーダーがフォロワーの思考力を刺激するためには、常に「チェンジ」「キープ」「ストップ」を確認して、ことあるごとに決定していくことが大切です。
- チェンジ・・完全に変化させたいこと
- キープ・・ある程度、継続していきたいこと
- ストップ・・もうやめたほうがいいこと
誰もが「チェンジ・エージェント」になれる組織こそ最強
第3章 変革型リーダーシップがチームを進化させる
ひとりひとりが、変える力=リーダーシップを発揮することが可能です。仕事の「意義」を周囲に伝えられる人が、リーダーと言っても過言ではないかもしれません。そう考えると、リーダーシップというのは、自分自身に対して発揮することでもあるのかもしれません。
自分という一つの活動体をいかに鼓舞して、歩みを進め、変革させ続けられるかが、結果的に周囲に対するリーダーシップとなって現れるのかもしれませんね。
こちらの1冊「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」も変革的リーダーシップを考えるための非常に多くの示唆を提供してくれます。ぜひご覧ください。
まとめ
- リーダーシップの見立てを変えよう!?――後天性のものです。
- マインドセットがポイント!?――変わることを前提としましょう。
- 組織を変えるリーダーシップに不可欠なことは!?――自らに対するリーダーシップです。