- 最強のチームを創るのには、どのような視点で協働に臨めばいいでしょうか!?
- 実は、「内向的」「外向的」という2分で人材を捉えることがヒントになるかも知れません。
- なぜなら、先天的・後天的に人は少なからず、内向的か外向的かに個性が分かれ、そしてそれぞれ得意なことが異なる傾向があるからです。
- 本書は、台湾・米国で活躍するハーバードの特別研究員であるジル・チャンさんによる1冊です。
- 本書を通じて、自分自身の特徴を客観視しながら、よりよい協働づくりの視点を得ることができるでしょう。
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内向的、外向的は「脳」の構造に起因する!?
著者ジル・チャンさんは、内向的な方だそうです。台北に帰って朝食を外でするにしても、「おつりください」がはっきりいえないときがあるそうです。そのくらい内向的な著者だから、本書は、「内向的な人」に向けた切り口になっています。だから、きっと「内向的な人」が積極的に手にとるのかなぁと思ってしまいます。
でもじつは、本書を読み進めていくと、必ずしても著者が「内向的な人だけに向けた内容にしたいのではない」ということがよくわかります。本書は内外という2分した人材の考え方を用いて、どうしたらよりよいチームや協働が可能なのか、そして、その結果、ひとりひとりが個性を生かしていかに働けるか!?についてまっすぐ考えた1冊だと思います。
外向的であるとされる人に注目が集まってしまうのは、必然だと思います。なぜなら、外向的なのですから。だからといって、外向的な人が良いかというとそういうことではありません。もっといえば、良いも悪いもないのです。個性なのだから。それでもなお、目立つというマインドシェアのせいで、そうあるべきのように語られることも、往々にしてあるのが世の中だと思います。
「オープンになろう、積極的になろう、コミュ力が大切!」の方向性も必要ですが、それだけではないのだということを一人ひとりが考えて、理解することで、みんなの個性を引き立て合える社会がつくれるのだと思います。
内向性は生まれる気だという人もいれば、内向性は変えられると固く信じている人もいる。科学的見地からすれば、唯一の明確な答えはないものの、内向性には先天的な側面と後天的な側面の両方があるというのが通説となっている。言い換えれば、遺伝および環境だ。
・生まれつき異なる「脳」の構造
(余談)ジル・チャンさん、あるいは編集者の方が「内向的」にフォーカスしたのは、あえてかも?と考えてしまいました。その方が、売れるかもしれないと見越したのかも。というのも、多かれ少なかれ、人には内向性が存在します。これもバイアスで説明できると思います。人は、何もしていなくても、もやもやと考えてしまう生き物で、それを誰もが実感しているからこそ、「あー、自分にも内向性があるなぁ」ってインサイトとして思っている可能性がありそうです。そうすると、「イケイケドンドン外向性の方へ!」と語るよりも、「内向的な方へ・・」と銘打ったほうが、売れる・・。そんな判断が合ったかもしれないと勝手に詮索をしてしまいました。余談です。
内向的な人と外向的な人の特徴とは!?
外向型から見た内向型――とても気が利く思慮深い人
「静かな人」の戦略書: 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法
(中略)
内向型から見た外向型――自由に獲物を取ってくる猟犬
(中略)
マネージャーからみたペア――互いの能力を補い合える
内向的な人は、思慮深く、本質的なことをじっくりと考え、戦略性があり、傾聴を重視するそうです。一方で、外向的な人は、よく喋り、そして喋りながら考え、オープンなので、結果、幅広い人脈を構築するのに長けているそうです。
こうして2つに分けてみると、あの人は、こっちかな、あの人はあっちかな?と見当が付きそうなのが面白いです。ここで、ぜひ冷静に見ていきたいのは、それぞれ良い悪いではないということ。単なる特徴であると認識することの重要性です。このことで、一歩引いた立場を手に入れて、多様な人とともに働く可能性を開くことにつながっていくと思うのです。
過去の投稿「【人生、軽やかにいきましょう!】反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」|草薙龍瞬」においても、判断しないことによって、冷静になり自由な発想を手に入れられると説かれていました。
過去も、判断も、全部”手放す”。そうして、ラクになるのです。
あなたにも「判断」による苦しみがなかった時代が、あったはずです。もう一度、その頃の「自由な心」へと向かっていくのです。
反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」|草薙龍瞬
そして、本書の大切な主張と、内外混在の世界をどう生きるか?の視点とは!?
上記のような、内向性と外向性を認識した上で、どのような考え方やアクションを行っていくのが望ましいでしょうか。まず考え方として、ジル・チャンさんはこのように語ります。
内向型であっても、外向型であっても、自分の個性を大切にして、安全地帯から一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけないこと。この本でいちばん伝えたいのは、そういうことだ。
・日本語版への序文――控えめで強力な「静かな力」
内向性と外向性で2分すると、極端な見解を生みがちです。
私は所詮内向型だから、○○できないとか、私はぜったい外向型だから、**はしかたないとか。
でも、それは単なる決めつけです。「わかる」という言葉にあるように、人は白黒つけたがりの生き物です。これは、私たちが脳のキャパをあけるために装備したバイアスというメモリフリーな省略効果によってもたらされるものであり、本能なので仕方ありません。
でも、ジル・チャンさんは、2つに分けて終わるのではなく、そこから始めようと説くのです。
では、どういうふうにアクションを作っていけばいいか。
内向型と外向型の両方で構成されたチームが非常に効果的であることは、多くの研究によって証明されている。
・「2つのタイプ」を組み合わせる
互いの特徴を理解しながら、メタ的な視野(その上位的な視点)を駆使して、協調しようというのです。決めつけというよりも、補助線のように内向性、外向性を取り扱って、よりよい協働を作っていくことを志向してみる。その先に、新しい世界観が見えてくるのかも知れません。
まとめ
- 内向的、外向的は「脳」の構造に起因する!?――先天的な影響と、後天的な影響、両方によって、内外タイプに人はわかれるそうです。
- 内向的な人と外向的な人の特徴とは!?――それぞれ相反する特徴を持ちます。良し悪しではなくて特徴です。
- そして、本書の大切な主張と、内外混在の世界をどう生きるか?の視点とは!?――ただ内外で2つにタイプを分けるのではなく、その上で、協働のあり方を探ってみましょう。
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