- どうしたら、ものが売れるようになるでしょうか!?
- 実は、大切なのはその「コンテンツ」を考えることです。
- なぜなら、人は、そのものではなく、そのものから得られる便益を購入しているからです。
- 本書は、木暮太一さんによるマーケティングの基礎に関する1冊です。
- 本書を通じて、ものの価値を考えるシンプルな視点を得られます。
「コンテンツ」を考えよ!?
マーケティングとは、要するに「商品を広めること」です。
マーケティングを考える前に、商品が持つコンテンツを考える
マーケティングとは、商品を広めることだとしたときに、最初から施策を検討してしまうと筋違いなことになりかねません。まず大切なのは、そのものの内実をよく理解して、それに魅力があるかどうか、十分に吟味することです。
「コンテンツ」とは、あくまで「中身」のことです。
すべての商品は「コンテンツ」として買われている
このとき、木暮太一さんは商品の内実、つまり「コンテンツ」をしっかりと把握しようと提言します。
このときの「コンテンツ」とは、物質そのものではなく、その物質が提供する顧客の価値を言語化したものとして定義されます。たとえば、スマートフォン1つとっても、いくつものコンテンツで構成されていることに気づきます。
- 写真を楽しみたい
- 手帳として使いたい
- 友だちとSNSを楽しみたい
- などなど
物質としてのスマートフォン1つから多くのコンテンツを見いだすことができます。これらのコンテンツの組み合わせと内容が、顧客にとって十分魅力的なものかを事前に検討しておく必要があるのです。
どんな商品でも「中身」を持っていて、消費者がその商品を買うのは、その「中身」つまり「コンテンツ」がほしいからなのです。レビット先生の「ドリル&穴理論」を思い出します。
プロが陥る罠とは!?
商品の販売者と顧客の間には、常に情報格差があります。一生懸命開発している側と受け取る側だから、当然です。こうした情報の格差によって、押し出すコンテンツを見誤るケースも多々あります。
例えば、
1)スペック・要素をおしてしまう。
顧客は、6枚刃のひげそりがほしいのではないのです。よくそれる髭剃りがほしいのです。
2)こんなことにも使えますを訴求してしまう。
いろいろな機能があったりすることは便利かもしれませんが、まずは基本的なニーズに応えてくれなくては、顧客の合意を得ることはこんなんです。
3)ニーズ・ウォンツを考えてしまう
確かに空いてのニーズ(必要性)やウォンツ(欲求)を叶えようとする視点は大切です。大切なのは、そのニーズやウォンツが未解決の場合に限ることを前提とするべきです。他のものごとで解決されている内容をいくら訴求しても、顧客に対して魅力となることは難しいかもしれません。
あらゆる企業が、”消費者のニーズ”に応えようとして、どんどん新商品を出しています。新商品の企画会議は日常的に行われています。みんな一生懸命考え、「こんどこそは!」と意気込んで新商品を市場に投入します。でも、多くの商品が売れずに終わります。
マーケティングを考える前に、商品が持つコンテンツを考える
ポイントは4つ!抜けもれなくおさえよ!?
4つのポイントで「コンテンツ」が十分魅力的なものになっているかを事前に検討しましょう。
①ベネフィット
②資格
③目新しさ
④納得感
①ベネフィット・・あなたが望む状態に変えるものとは何かを、把握すること。
コンサルティングの第一歩もそうですが、大切なのは、理想状態と現実とのギャップを解消してくれるかどうかという点です。あらゆるものごとには、このギャップを埋めるという基本機能が求められます。
「変化こそがベネフィット」という理解をしているだけで、コンテンツの打ち出し方が大きく変わります。
POINT1 ベネフィット
変化を捉えましょう。単純なようですが、絶大な効果があります。あなたの生活や、あなた自身が、理想の状態に変わることを正確に、魅力的に捉えるのです。
②資格・・何を言うかよりも、誰が(言う資格のある人が)いうかを検討すること。
実は、コンテンツを誰が言うかによっても見え方が大きく異なっていきます。太っている人がインストラクターのジムに通うのは気が引けますよね、それと同じようなことを行っては、訴求のスピードと力が弱まってしまいます。
③目新しさ・・差別化が必要です。でも差別化だけでは売れないことも肝に銘じてみましょう。
あくまでスペックの競争ではなく、顧客が求める「コンテンツ」の視点を大切にしましょう。”他と違う”からといって、必ず顧客が欲しい物になるかと言うと、そんなことはないですよね。顧客にとってまだ満たされていないことを探して、顧客視点の目新しさを追求しましょう。
④納得感・・言われてみたらたしかにそうかも知れないと思えるでしょうか。
その情報が真実だとしても、納得感がなければ、買ってもらえません。販売者は、プロとして本当の情報を知っているでしょう。でも、それをそのまま伝えればいいということではなく、必ず、顧客が受け取れるようにして上げる必要があります。もしかしたら、内容かもしれませんし、その伝え方かもしれません。
一貫して、顧客の立場でものごとを考えることの大切さを木暮太一さんは語ってくれてます。
「自分が消費者として、これまでお金を使ってきたことをしよう」
終わりに――好きなこと=お姉を使っていることが一番ビジネスになりやすい
自分がすきなテーマであれば、そのものごとの魅力がよりよく理解できるものですし、そのビジネスについて深く考えられます。自分の仕事をそのような分野にしてみることで、もしかしたら、よりよい「コンテンツ」発見のヒントを自ら得ることになるかもしれません。
マーケティングのいろはについては、こちらの1冊「【マーケティングの真実とは!?】ブランディングの科学 誰も知らないマーケティングの法則11|バイロン・シャープ」も大変おすすめです。ぜひご覧ください。
まとめ
- 「コンテンツ」を考えよ!?――物質ではなく、そのものの便益を考えましょう。
- プロが陥る罠とは!?――顧客の視点を忘れてしまう罠です。
- ポイントは4つ!抜けもれなくおさえよ!?――ベネフィット、資格、目新しさ、納得感で確認しましょう。