【利益は、うんち!?】「いい会社」ってどんな会社ですか?|塚越寛

「いい会社」ってどんな会社ですか?
  • 利益は目的でしょうか!?
  • 実は、正しくはステークホルダーの幸福が目的かも。
  • なぜなら、人は幸せになるために生きているからです。
  • 本書は、利益が目的化してしまいがちな企業経営に警鐘を鳴らす1冊です。
  • 本書を通じて、健全な組織体から生み出されるうんちみたいなものが、利益だと理解できるでしょう。
塚越寛
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成長スピードは環境が決める!?

実際はもう少し過激で、利益はウンチだと言っています。

利益は残ったウンチにすぎない

健全な企業が、健全な活動をすれば、自然と排出されるものがある・・それが、利益であると塚越寛さんは強調します。何もうんちをため続けて喜ぶ人はいませんね。適切に排出し続けることが健全なのです。排出とは、投資や社会還元のことだと捉えられます。

利益が目的化してしまっては、うんちあつめを目的化してしまっているのと一緒です。

本当に大切なことは、人の幸せを実現し続けていくという姿勢です。企業の存在意義は、ここにあります。人と社会の幸せを考え、実現すること。これが命題です。

ベースラインとして、人が幸せになるという経営の目的があります。

経営理念は変わってもいいのか

経営の目的はハピネスなのです。ここをブレずに検討していきましょう。一人ひとりの幸せを考えた時に、まずは従業員の幸せがあるでしょう。従業員の幸せのためには、しっかりと給料を払っていくことが大切です。端的に言えば、人件費はコストというよりも、目的なのです。

塚越寛さんは、企業活動も自然の営みとリンクしていると言います。自然の恵み(産品や原理原則に基づくアイデアまで)を上手に加工して、循環させていくことが、企業経営であるともとらえらます。そうした、自然の中の組織として企業を捉えたとき、「適者生存」というチャールズ・ダーウィンの言葉が思い浮かびます。潰れる企業とそうでない企業は何が異なるのか・・・

経済合理性だけで決まるものではなく、自然の摂理のようなものが大きく働いている。

利己主義の横行は身を滅ぼす

これを、「利他の精神」が根底にあると説きます。人や社会、地球のためになりえるものは、適切に残される。そんな自浄作用と生物的なメカニズムの中で、企業は活かされているという見立てです。

他人のために生きることができれば、会社同士も、お互いにバランスを上手に取ることができるのです。

利他の精神については、こちらの投稿「思いがけず利他|中島岳志」もぜひご覧ください。

一番と一流!?

利他の精神からした時に、一番と一流について理解を深めることが可能になりそうです。

一番を目指すとどうなるか、それは端的に言えば、他社を蹴落とすことになります。なぜなら、一番とは一社しかその座につけないからです。こうなるといがみ合いやバランスが崩れたり、勝負が目的になり、顧客が忘れ去られたりとよくないことが置きます。結果的に、自社が市場から排除されてしまうこともあるかも知れません。社会全体は複雑に繋がっています。利己的な動きだけでは、自然と生き残ることが難しいものです。

トヨタは、1番を目指すことをやめました。フォルクスワーゲンは、1番になることを突き詰め、その結果不正が置きてしまったのかも知れないと、塚越寛さんは言います。

販売戦略も大切です。でも、大切なのは、どうしたら当社のファンが増えるか?ということに真剣に向き合うことです。ファンなくして、複雑系の社会の中では、よりよい商いをすることは難しいのです。

一番になる必要はなくて、一流になればいいのです。

利己主義の横行は身を滅ぼす

一流には、人がつきます。一流であれば、何社あってもいい。一流をたくさん増やせる社会が健全なのです。

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自然の営みとしての企業経営とは!?

そもそも企業経営は人間の営みです。人間も自然界の中にいる生き物ですから、自然の摂理には逆らえません。

要点5 経営も自然の摂理に従えばうまくいく

自然の摂理に従うということは、変化に対応し続けるということになります。自然や社会は常に変化を続けています。だから、変化を続けなくては、そこに残っていくことは困難なのです。常にエントロピーが増大していく圧力の中で、どうしたら自己をとどめ、成長を志向することができるのでしょうか!?そのためには、やはり同じようにありたいという気持ちを捨てて、前向きに成長していく考えのもと、行動を続けていくよりほかないのかも知れません。大切なのは、その上で他社(他者)との調和を図っていくことです。自分だけではなく、他者とのあり方をより良い形にもっていくように、変化を続けるスタンスが不可欠なのです。

変化を続けていくには、学びが必要です。自己学習はあってしかるべき。また、役員会議だって、変化の場であるべきです。

塚越寛さんは、役員会議の場を次のようにとらえています。

役員会議の意義をあえて言うなら、トレンドを見通すための集まりです。

なぜ役員会議で数字の話をまるでしないのか

人も会社も、ヘッドは、ビジョンを見通し、考えるためにある。そうおっしゃっているように感じます。

塚越寛さんが尊敬すする二宮尊徳は、次のような言葉を遺しています。

人、生まれて学ばざれば、生まれざると同じ。
学んで道を知らざれば、学ばざると同じ。
知って行うことを能はざれば、知らざると同じ。
故に、人たるもの、必ず学ばざるべからず。
学をなすもの、必ず道を知らざるべからず。
道を知るもの、必ず行はざるべからず。

要点3 経営の目的と手段を混同しない

まとめ

  • 成長スピードは環境が決める!?――企業経営は自然の中の営みなのです。
  • 一番と一流!?――一流なら社会に何社あってもいい。目指しましょう。
  • 自然の営みとしての企業経営とは!?――変化を肯定的に受け入れるため学習と行動を続けます。
塚越寛
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