- なぜ、ニーチェの思想哲学は、現代人の心に深く刺さるのでしょうか!?
- 実は、ニーチェの思想の根底に触れることで、ぐっと身近になります。
- なぜなら、その根底にあるのは、常に変わり続けることへの挑戦だからです。
- 本書は、そんなニーチェの精神を紐解き、思想の世界への扉を開く1冊です。
- 本書を通じて、新しい自分を志向することを体感できるでしょう。
ニーチェの思想の骨子とは!?
人が生きる際に有用となる智慧
はじめに
ニーチェの思想を知ると、この変化の時代において、どのような生き方を志向していけば良いのか、ヒントを得ることができます。
そのニーチェの思想の骨子とは次のようなものです。
1)人間は、昨日よりも今日、今日よりも明日へと自分を超越していくから、人間と言えます。
2)そういうふうに常に自分を超越していくことは、大地に似ています。大地は、常に変化しながら生命を育み、常に死を受け入れています。死の中から新たな生を生み出し続ける大地のような存在・・。
3)人間と動物を隔てるものは、それは常に自己を超越しようとしていく活動があるかないかです。食べて寝るだけでは動物と一緒です。でも、自分を超越する試みは安易ではないのですが、人間はそれに向かって挑戦を続けるのです。
やってみようを肯定するニーチェ!?
自分を超え続けていくことを志向するニーチェ。
実は、その言葉から、まずは「やってみよう!そして、体験を積み上げよう!」という精神を持っていたと言えそうです。
勉強して本をよむだけで賢くなれはしない。
【08】知性は知識よりも役に立つ
さまざまな体験をすることによって人は賢くなる。
そして、体験しているときは
その事柄に没頭することが肝心だ。
同時に、「知性」と「知識」の違いについても言及します。
「知性」とは、執拗な観察や試行錯誤によって、ある事象からなにごとかを引き出して生活に役立てることです。
「知識」とは、その結果の残骸や影に過ぎません。煎茶の出がらしのようなものです。
つまり、知識があって、知性が生まれるのではなく、知性の結果、知識が生み出されるのです。だから、ノウハウや間違いのない方法論を積極的に選択するのではなく、大切なのは、まず自分自身で挑戦をしてその過程で常に生産を続け、試行錯誤をトライすることです。
2通りの人を想像してみましょう。
ひとりは、
・他人が知性を使って得た経験の結果をできるかぎり多く知っている人。
もうひとりは、
・みずからの経験を通じ、その結果としてなんらかの知識と技能を身に着けてきた人。
前者は、定理や公式、歴史事項をたくさん暗記しています。暗記的試験では高得点を獲得することが出来るかもしれない、そして、仕組み化された企業の中で、そのシステムを担うパーツとして稼働するのには適しているかもしれません。よって、よりよいとされる職業に就くことが可能かもしれません。
でも、本当にそれだけが、これからの時代の「生きる」につながっていくのでしょうか!?
ひとりひとりがよく見極める必要があります。そのためには、自分自身が自分の目で見て、疑い、挑戦を通じて、なにか大切なものを会得していくことくらいしか、方法はないのです。非常に非効率的なことに見えるかもしれませんが、そもそも生きるとは、非効率なことであり、ベストウェイなどは幻想なので、諦めて、いさぎよくまず一歩を踏み出してみましょう。
過程において、常に生産があるということを忘れずに・・!
人間は道具でもないのに道具として使われているならば、とてもみじめなことだ。道具は目的を達成するために使われるものであり、目的が達成されたならば、もはや道具は必要がなくなるからだ。つまり、使い捨てだ。
【10】自分の内側からのモチベーションを持て
報酬が期待されるから、働くということだけでは、自分を道具化しているに過ぎません。本当にそれでいいのか!?と自問自答しましょう。お金や便宜を得るためだけに働くこと自体が、自分自身を人ではないと自己否定に繋がります。
何を志にするか、よく感じることが大切です。自分自身の中のモチベーションを表現しましょう。外にあるかもしれない報酬よりも、内発的なモチベーションのほうが、遥かに大きな力を生み出してくれます。そして、そのモチベーションは、相手に、組織に、社会に、確実に働きかけることができます。
時間はかかっても、信念があれば、周囲の力も借りて、よりよい方向を目指し続けることが可能であるはずです。
ささいなことでいい。
【10】自分の内側からのモチベーションを持て
なにか一つのきっかけでも掴んで自分自身を幸せにせよ。
できる限り、機嫌よくあれ。
そうして、自分が本当にしたいことをなすがいい。
ニーチェ的よい先生とは!?
現代人は、自分の能力と感性とセンスをいかんなく発揮できる場所を常に探している生き物だ、と解釈することができます。
自分の能力と感性を存分に使う状態そのものが幸福なのだ。こう解釈すれば、幸福の意味が最も大きくなる。
【13】幸福とは能力を発揮することだ
これについては、山口周さん×北野唯我さんの対談が収録されている書籍の投稿「【”問い”で未来の社会をつくるには!?】思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント|山口周」もぜひごらんください。
この対談の中で、次のように語られています。
それって結局「自分の感性をどうやって資本市場の中で武器に変えるか」ということですよね。
第1章 夢中になれる仕事を見つけられない日本のシステムとは?
ほとんどの人は社会組織とか資本市場の中で、どうやって自分の感じたことをお金にするか、武器にするかにこそ悩んでいます。ここが、ビジネスマンのインサイトなのです。でも、これに折り合いをつけると言う人も少なくないはず。なぜなら、日本は労働人口の流動性が極めて低いから、自分の感性が発揮されない!ってわかっていても、なんとなくの同調圧力を通じて、どの場にいようとする、そのための、なんらかの理由が必要だから、割り切って考えたり、あるいは、その反動として強く違う活動を志向するようになります。
私たちの本当の嗜好性や志向性を、常識や既成の枠組みから解放してくれる人が、ニーチェが示す「よき先生」です。
ニーチェは、「真の教師はあなたの解放者であるはずだ」と小論『ショーペンハウアー』で述べている。
【29】わたしたちを解放してくれる人が真の教師だ
よき先生であれば、私たちをいきいきと自由にさせてくれます。活発に能力を発揮できるようにさせてくれるのです。
そして、わたしたち自身がまだ知らないでいる隠れた能力や感受性を引き出してくれます。それが解放です。だから、よき先生は、なにも学校だけにいるわけではないのです。しかし、どこかに必ずいます。その人自身が自由に能力を発揮して働いているはずです。口先だけではないから、その仕事は輝いているし、その人自身もとても魅力的なはずです。
あなたの先生に出会いましょう。そのためにも、常に自分を超越し、常に行動を起こし続けてみましょう。変化を受け入れることから始めてみましょう。
まとめ
- ニーチェの思想の骨子とは!?――常に自分を超越する志向性を持ち、行動することを肯定します。
- やってみようを肯定するニーチェ!?――自己を超越するためには変化を受け入れることです。
- ニーチェ的よい先生とは!?――あなたを解放してくれる人です。