- BtoBマーケティングの実践において、やりっぱなしになっていることがありませんか!?
- 実は、大切なのは、やはりフレームワークの「運用」です。
- なぜなら、BtoBマーケティングは『正しい型』が存在するからです。
- 本書は、そんなBtoBマーケティングの戦略・運用の全体像を説く1冊となっています。
- 本書を通じて、改めてBtoBマーケティングの運用状況について、確認をすることができるでしょう。
データに溺れないためには、地図が必要!?
データを活用すれば、うまくマーケティング支援につながり、一方で、データがたくさん取得できてしまうことから、データにおぼれて、本質を失ってしまう可能性もある時代だとも捉えられます。
あくまで分析は、目的があって行うということです。目的に必要なデータが集まれば十分な情報量を持ちます。
4-4 ウェブマーケティングの分析・評価
BtoB分野の場合、分析結果からの発見が莫大な売上を生むようなことはめったにありません。分析そのものに時間をかけすぎずに、クリティカルで目的志向を意識した、レビューを心がけましょう。目的意識のためには、次のような4つの視点のどこを実施するのかを事前に把握することが有効です。
- 1)全体報告のための分析――施策全体としてどのような結果を生んだのかを明らかにする。
- 2)施策評価のための分析――個々の実施施策がどのような結果を生んだのかを明らかにする。
- 3)モニタリングのための分析――日々遂行している施策にどのような変化があるのかを捉え、確認する。
- 4)課題発見のための分析――現在行っている施策のボトルネックを発見し、改善の指針を得る。
効率的な分析と、チームの目線を併せたディスカッションには、自社や自分のプロジェクトのBtoBマーケティングを俯瞰する地図が必要です。
この地図、大切なのは、顧客の歩む道で捉えることです。これをファネルで表現するのポイントですね。ファネルとは漏斗のことです。
1)流入対策
↓
2)顧客検討率の向上
↓
3)顧客顕在化率の向上
↓
4)受注率の向上
↓
受注(顧客化)
と、たとえば、このようなルートに対して、どのような施策を展開していて、それぞれの効果はどうなのか、を把握するのが分析です。
また、この漏斗に流し込む新規リード獲得の視点も大切です。
たとえば、自社にとってのtire(戦略ターゲット)定義、トリガー顧客の定義、ニーズ分類(潜在~顕在)、企業属性(規模や業界など)などいくつかの視点がありますが、自社やご自身のプロジェクトにとって意味のある設定を行うことがポイントです。
施策評価のための分析とは!?
施策の評価をする際には、<量>と<質(率)>の視点を大切にしましょう。
集客施策をラインナップし、量的な面を増やすアクションと質的な面を改善するアクションに整理します。
4-4 ウェブマーケティングの分析・評価
たとえば、それぞれのフェーズで次のような視点での改善策があり、これに対する量・質分析もポイントとなります。
1)ファネル第1階層(流入対策)
<量>
・SEOの順位アップ
・リスティングの露出強化
・広告出稿の増加
・メール配信量の増加
<質(率)>
・meta contents の見直し
・コピーの見直し
・広告ランディングページの見直し
・メール文面の見直し
2)ファネル第2階層(顧客検討率の向上)
<量>
・新規ニュースの配信
・新規コンテンツの追加
・製品説明ページの増強
・スペシャルサイトの新設
<質(率)>
・ナビゲーションの見直し
・関連ページへのリンク強化
・離脱率の高いページの見直し
・検索機能の性能強化
3)ファネル第3階層(顧客顕在化率の向上)
<量>
・新しいコンタクトポイントの新設
・簡易なコンタクトポイントの新設
・ダウンロード資料の増強
・メールアドレス獲得手段の拡大
<質(率)>
・問い合わせへのリンクボタンの改善
・問い合わせフォーム内でのプレゼンテーション強化
・無駄な設問の削除
・フォームでのテクニカルな問題点の解消
4)ファネル第4階層(受注率の向上)
<量>
・営業人員の増強
・営業支援部門のマンパワー投入
・テレマーケティングなどの外部組織活用
・イベント実施による一括対応
<質(率)>
・キャンペーン実施
・営業支援部門からの資料送付支援
・アポイント率アップのコンテンツ制作
・提案率アップのための提案書定型化
大切なのは、自社にとって、有効な手立てか?そして、実行可能な手立てかを吟味し、優先順位を検討することを忘れないことです!!
「課題発見」の分析とは!?
次の施策を検討するために改善活動を行うための分析フォーマットです。
4-4 ウェブマーケティングの分析・評価
ボトルネックを発見し、主に<質(率)>に着目し、問題点を抽出してみましょう。
たとえば、次のような視点があります。
- 広告のクリック率
- トップページの直帰率
- フォームへの到達率
- コンバージョン率
- 提案率
- 受注率
このほか、ボトルネックを発見するための対象を、次のようにいくつかの視点で検証するのも有効です。
- 営業プロセス全体にフォーカスを当てた場合
- リードナーチャリングにフォーカスを当てた場合
営業プロセスは、自社の対応に、そしてリードナーチャリングは、顧客の歩みにフォーカスを当てた分析と言えるでしょう。
詳しくは、ぜひ本書をご覧ください!!
また、過去の投稿「【BtoBマーケティングには、『正しい型』がある!?】事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践|栗原康太」についても非常に詳しくBtoBマーケティングの考えかたが説かれていますので、たいへんおすすめです!!
まとめ
- データに溺れないためには、地図が必要!?――データレビューと全体報告のフレームを定めましょう。これは戦略シートと同じものになるはずです。
- 施策評価のための分析とは!?――広告評価、コンテンツ強化、回収率改善などを目指した効果が個別にうまくいっているのかを整理していきましょう。
- 「課題発見」の分析とは!?――次の施策を打ち立てるときにヌケモレを探す分析手法です。