- 人にとって、幸福とはどんなことでしょうか!?
- 実は、幸福とは思考への見立てがもたらすものかもしれません。
- なぜなら、幸福とは得るものではなく、実感するものだから。
- 本書は、スリランカ出身で、テーラワーダ(上座仏教)仏教長老であるアルボムッレ・スマナサーラさんによる生き方の1冊です。
- 本書を通じて、人生で大切にするべきことを考え方のヒントを得られます。
前々回の投稿「【私たちが、生きるためのヒントとは!?】仕事でいちばん大切なこと|アルボムッレ・スマナサーラ」と前回の投稿「【愛情よりも慈しみ!?】一生役立つブッダの育児マニュアル:親の「どうしたら?」と子供の「どうして?」に答えを出します シリーズ心を育てる本|アルボムッレ・スマナサーラ一」に続き、アルボムッレ・スマナサーラさんの1冊をご紹介していきたいと思います。
「智慧」とは!?
私たちは、世界を知ろうとせずに、貪瞋痴(とん じん ち)で「世界を変えよう」としているのです。好きなものをひたすら追いかけ、嫌いなものを破壊する。これでは、きりがないのです。
貪瞋痴とは、仏教で「心の三毒」と呼ばれるもの。
貪は貪欲(とんよく)ともいう。むさぼることを意味し、好ましいものに対する激しい欲求や強い執着を指す。瞋(しん)は瞋恚(しんに)ともいう。怒りを意味し、好ましくないものに対する反感や嫌悪を表す。癡は愚癡(ぐち 愚痴)ともいう。無知を意味し、仏教の正しい教えを知らないことを言う。
https://imidas.jp/genre/detail/L-102-0080.html
この3つのエネルギーを野放しすにすると、頑固な正確になってしまいます。好き嫌いが激しい人と付き合うのはちょっと面倒ですよね。そういう人は、常に世界と戦っているのです。世界を相手に戦っても残念ながら勝ち目はなさそうです。
むしろ反対の見立てが必要です。世界はつねにそこにあって、つねに移ろいでいる。その事実を、しっかり見つめることが仏教の「智慧」なのです。
バラの花を見て、「きれい」と判断しても、「きれいでない」と判断しても、その判断は、脳が合成しているシミュレーションにすぎないのです。私たちはそのシミュレーションを、考えることだと勘違いしているんです。
「智慧」というのは、このシミュレーションを破ることなのです。
5 Q&A
世の中を正しく観ること、欲や怒りの感情に任せて歪めてみてはいけない、というのがお釈迦さまの教えだそうです。
『ある』ものをあるがままに知っておきなさい。
慈しみであふれる世界を
「智慧」とは、あるのままに観ることです。入った情報は単なる情報として受け止めるようにする、その楽な生き方が智慧の生き方になります。
「忍耐」とは!?
忍耐は、仏教の言葉です。イメージとして耐え忍び、厳しい状態に我慢する内容と思われがちですが、異なります。
忍耐とは心の平安や平和を意味するんですね。
「忍耐」は耐えることではありません
褒められても舞い上がらず、貶(おと)されても機嫌を悪くしない、どんなときでも心が落ち着いている状態のことを、仏教では「忍耐」といいます。
どんな事実があろうが、それをよく観察し、知り、その上で「落ち着いて、平安で平和な心を保つ」これもまた、よりよく生きるための秘訣です。
「精進」とは!?
心を清らかにして、平安を得るために、絶対に欠かすことができない考え方に「精進」があります。
身体と心に現れてくる一つひとつの現象を、逃さず明確に確認すること、これが仏教でいう「精進」なのです。
「今」の瞬間がすべて
仏教は、いま・ここを大切にします。未来や過去をいくら想像しても、それは妄想の域を超えませんし、脳が勝手に作り出している幻想です。大切なのは、いま・ここについてのみが事実なのであるということを認めることです。
そして、この1秒、1秒を大切にすること。一生懸命生ききるように過ごすことが大切だと説きます。あなたがいま、この瞬間にやるべきことは何でしょうか。
生きる知恵としての禅の考え方にも触れてみるのが良いかもしれません。過去の投稿「【禅は、生きる知恵!?】人生を整える 禅的考え方|枡野俊明」もぜひご覧ください。
まとめ
- 「智慧」とは!?――世界をあるがままに観るということです。
- 「忍耐」とは!?――何があろうと心の平安・平和を保つことです。
- 「精進」とは!?――いまを一生懸命生き、やるべきことをひたすらにやることです。