【愛情よりも慈しみ!?】一生役立つブッダの育児マニュアル:親の「どうしたら?」と子供の「どうして?」に答えを出します シリーズ心を育てる本|アルボムッレ・スマナサーラ一

一生役立つブッダの育児マニュアル:親の「どうしたら?」と子供の「どうして?」に答えを出します シリーズ心を育てる本
  • 子育てに正解はありませんが、ベターな世界観はあるはずです。
  • なにかヒントを・・と思った時、これまた仏教が考え方を提供してくれます。
  • なぜなら、仏教は人が社会でより良く生きていくための考えるヒントを常に提供してくれるからです。
  • 本書は、スリランカ出身で、テーラワーダ(上座仏教)仏教長老であるアルボムッレ・スマナサーラさんによる子育てにまつわる1冊です。
  • 本書を通じて、子どもとの付き合い方に新しい視点を得られます。

前回の投稿「【私たちが、生きるためのヒントとは!?】仕事でいちばん大切なこと|アルボムッレ・スマナサーラ」に引き続き、アルボムッレ・スマナサーラさんの1冊を取り上げさせていただきたいと思います。

果たして子どもは、何ものでしょうか!?

自分の子どもは、何ものでしょうか!?と、突拍子もない問いかけです。子育てをしていると、どうも所有感覚を持ってしまう人が多いようです。当然、子どもは、まだできることがそんなに多くないので、手助けが必要です。手をかけていくと、執着してしまうのが、人の性です。しかし、この考え方が深くなりすぎると、互いの関係を破綻させます。

親と子の間で起こるトラブルは、親が子を自分の財産だと思うこと、自分のもの、自分の所有物、私物だと考えること、「自分のものだから自分の好きなようにしていい」と勘違いすることが原因の場合が多いのです。

親の仕事は子供を社会人にすること

でも実際には、人間というのは自由に生まれた存在なのです。親とて、子の自由を奪うことは許されません。むしろ、自由を得るために育てていくことが大切です。

ところで、自由とはなんでしょうか。自由という言葉の響きから、ついつい、束縛のないさまをイメージしてしまいますが、実は、その認識は半分あっていますが、半分違います。

自由という言葉をよく見ると、自ら由(したがう)と読めます。これは自らの意志に従うということで、何も、束縛がなくフリーダムな様子ということでもないんです。

自由とは、自らの意志を見つけ、それに対して、まっすぐに、一生懸命生きることができる。そんな言葉なんです。

仏教でも、こうした思想を支えてくれます。

親は子供の最初の教師である。
親の仕事は子供を社会人に育てること。
この2つのポイントをしっかり覚えておいてください。

親の仕事は子供を社会人にすること

この、社会人とは、社会に出て、自由に生きることのできる人のことです。アルボムッレ・スマナサーラ一さんのもうひとつのお言葉を借りれば、「地球人」です。

「あなたは地球に生まれてきた。地球の一員である。地球のおかげで生きているのだから、地球上の人に対して、地球上の生き物に対して、果たさなくてはいけない仕事がいっぱいあるんだよ」ということを教えてあげられれば、その親の教えは一生役に立つのです。

親の仕事は子供を社会人にすること

地球に生まれたことは、これは避けざる事実です。これについて、哲学家の鈴木大拙さんもこのような言葉を残しており、仏教の教えと重なるように思えます。

自分は生まれようといって、生まれたのではない。親が生んだのである。その親も自分で生まれようとして生まれたのではない。いくら系統をさぐっても、自由意志などいうので生まれ出たものは一人もいないのである。みな与えられたものを受け入れるだけである。

はじめての大拙 鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉|鈴木大拙,大熊玄

こちらの引用は、過去の投稿「【禅とは生活そのものである!?】はじめての大拙 鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉|鈴木大拙,大熊玄」からもご覧いただけます。

仏教も、与えられれた環境を、そのまま受け入れる思想を持ちます。あるがままの今を受け入れていく、そうした目線が、子育てにとっても、親にとっても、子どもにとっても、大切なことなのかもしれません。

愛情よりも大切な視点とは!?

子どもを所有物として見てしまうと、どうしても、愛情が深まってしまいます。一定程度は、仕方のないことだと思いますが、実は、愛情が過度に深まってしまうと、独占欲にすり替わってしまいます。また、自分の意志の投影をしてしまって、子どもに生きづらさを与えてしまうこともあります。

愛情だけが頭いっぱいに広がると、子どもしか見ることがみることができなくなってしまいます。その子の生きる世界が見えていない状況は、その子にとって非常に苦痛なものになりかねません。

子どもだって、彼・彼女の世界との関わりを探しているのですから。

そこでお釈迦さまは、「愛情ではなく慈しみで育てない」と教えられました。

愛情を捨てて「慈しみ」で育てる

慈しみとは、先の論点と同じで、「この子は私のものではない。地球上に生まれてきた大事な人間です。この子が間違いを起こさず幸福でいてほしい。責任感のある立派な人間に育ってほしい」という気持ちのことです。

子育ても人生の大切なやるべきことのひとつ!?

毎日していることをたのしくする努力も必要です。やらなければならないことは、あなたの目の前にあるのです。それに気づいていくこと、そして、与えられた役割を一生懸命に全うしていくことを仏教は教えてくれます。

やるべき事は決まっているのです。逃れられません。「やりたくないんだ」とわがままを言ってさぼったら、人生はどん底に苦しくなって、不幸になるのです。

Q3 今はどんな生活をすればいいですか?

楽しさは、「そこまで」というものではありません。もっともっと工夫をすれば、楽しく生活する方法は見つけられるはずです。これも、一生懸命に生きるということ。きっとまだできることはあります。それは、自分の周りも楽しくしてあげることにつながっていきます。

死ぬまで、自分も楽しく、周りの人々も楽しくなるような生き方をすることです。人間だけではなく、自分と関係がある動物(生きとし生けるもの)たちにも楽しくなるような生き方をしてみましょう!!

まとめ

  • 果たして子どもは、何ものでしょうか!?――何ものでもなく、自由に生きる一人の地球人です。親は、その子が自由に生きられるための最初の先生なのです。
  • 愛情よりも大切な視点とは!?――慈しみを持って子どもに接してみましょう。慈しみとは、「この子は私のものではない。地球上に生まれてきた大事な人間です。この子が間違いを起こさず幸福でいてほしい。責任感のある立派な人間に育ってほしい」という気持ちのことです。
  • 子育ても人生の大切なやるべきことのひとつ!?――いまやるべきことを楽しくしながら、周りも楽しくしていくことです。
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