- 効率的な仕事の方法論をどうしたら身に付けられるでしょうか?
- 実は、コンサルティング会社従業員のマインドセットと、スキルセットが大切かも。
- なぜなら、超ハードモードで、バリューを提供し続ける集団だからです。
- 本書は、メン獄さんというコンサル会社に新卒入社して、退職を機に、残される後輩にサバイバル術としてまとめたnote記事をまとめた1冊です。
- 本書を通じて、あらゆる職業・業種にも役立つバリュー発揮・提供のために大切なことを知ることができます。
段取りいのち!?
本書は、メン獄さんによる、コンサルティングでの仕事で生き抜くうえでのスキルセットを考える1冊です。ちなみに本書の基礎となっているコンサルティング会社のサバイバル術を発信しているメン獄さんのnoteは、こちらからどうぞ。しかし、メン獄ってなんだ・・?
彼がまず強調するのが、仕事の段取りです。呆然と眼の前の仕事に取り組み始めるのではなく、まず何が求められていて、それにどうやって応えることが理想なのかを事前に検討することがポイントであると説きます。それはまるで山登りのようでもあります。最初に登るべき山の頂上を設定して、どのように向かえばいいのか、最短のルートはどうか、あるいは、無理なく登攀できるルートは他にあるのか、いま手持ちのリソースはどうか・・などを検討していくイメージです。
この最初のアクションがあるかないかで、仕事のデキは大きく異なってきます。なぜなら、仕事というのは、一定の成果をアウトプットして、アウトカム(効果)を生み出すことの連続だからです。結局は、アウトプットとアウトカムがないと、いけない。
段取りについては、下記の4つのステップを参考にしてみましょう。
1)仕事の目的はなにか?
2)仕事のインプットとアウトプットは明確か?
3)作業手順は明確か?
4)提出前に誰の確認が必要な仕事なのか?
とくに、4も忘れられないところですね。仕事というのは、誰かと一緒に行うことが前提です。そのためには、共同体の一部であるという認識のもと、チームを巻き込んだコンセンサスと、あるいは、手順が必要になります。
たった一人でやっていることではないので、締切もありますし、そのためには、相手のことを第一に考えるマインドセットが欠かせなくなります。
また、社内やチームでのコンセンサスが取れたとしても、それがさらに得意先やそのエンドである顧客に対してつながっていくイメージを持つことも大切です。自分ではなく、相手を軸に行うことが仕事なのですね。
仕事の速度の本質は、物理的な作業スピードもさることながら、次に何が起こるのかを予測して仕事を行う“先読み”にこそあるといえる。
ボールが来る場所に走る
仕事の経験を積んでいくことのメリットがここにあります。ある程度の予想ができるようになる。そのためには、確実に場数が必要です。場数があれば、おおかたの予想がつくようになって、先回りしてものごとを考えておくことが可能になります。
相手をまず考える!?
また、仕事のアウトプットは、ストーリーをまとっている必要もあります。そしてストーリーをまとった、よりよい提案書を作成するためには、段取りと同じように相手の存在を意識し続けることがキーになります。
1)読みては誰か?
2)一度深呼吸をして、読み手の人格を自分自身に宿してみると?
3)読み手が資料の内容をどこまで知っているのかを想像してみると?
4)読み手にその資料を見てどういうリアクションをしてほしいのかを確かめてみると?
5)期待するリアクションを導くのに対して必要な情報は十分に記載されている?
これらの質問をケアしてみましょう。
とくに大切なのが、5以外はすべて、相手が主語であることです。5になってはじめて、自分たちのチームが登場することがポイントです。
相手のために仕事をするスタンスをいち早く身につけることができれば、提案の精度が向上します。そのことによって、仕事の経験の幅、打席の数も向上するでしょう。ものごとをさまざまな人格を憑依させ見続けることが、仕事には不可欠なのです。
高給文房具とコンサルタントの違いは、クライアントの変化にコミットできているかどうかにある。
高給ホチキスにならないために
コンサルティング会社の仕事は一部で、高給ホチキスと揶揄されるそうです。とても高い資料を提出するが、それ以上ではないということです。
仕事は、相手のためにあることを、段取り、ストーリーでレビューしてきましたが、さらにその目的を俯瞰してみましょう。
仕事の目的は相手方の変化を促すことです。
それも相手がよりよい方向へ変化していくことを進められるかです。深夜まで残業しようが、土日返上で資料を作成しようが、それが得意先や顧客の変化をもたらさなければ、まったく意味がありません。
変化こそが、バリュー!?
さらに、初動を良くするポイントを抑えてみましょう。
仮説のない状態でクライアントと会話しない。
仮説のない状態でクライアントと会話しない
これです。何に困っているのか、本当の真因に気づいているのか、本当に大切な施策の展開はなにか、これまで何を展開してきて、どのような問題をはらんでいるか・・などをとにかく想像します。必要な情報を的確に集めながら、何がポイントになるのかを、ぜったいに考えておくことが良いです。
そうでないとどうなるか・・得意先の視野を超えられなくなるからです。人間の先入観は恐ろしく強いので、得意先が自ら規定する問題点と課題点から抜けられなくなる可能性があり、それでは、最終的に得意先に対して変化というバリューをもたらすことができない可能性もあります。
だから、まず自分の頭で自分の視野を大切に考えてみることです。それを素直に持ちながら、得意先の視野と同じところ、違うところを確認しながら、プロジェクトを設計していきましょう。
得意先の変化にばかりフォーカスしてきましたが、実は変化するのは相手方だけではありません。実は自分という存在も常に変化をしていきます。
サステナブルな働き方のコツは、自分の性長を自分で認め、それを周りにも示していくことに尽きる。
自分の進化を認めて客観的に示そう
“呼吸をするように”仕事ができるようになる瞬間が必ずあります。そうした瞬間を得られるように、ハードなインプットとアウトプットを繰り返しながら、バリュー提供することを楽しんでみましょう。
メン獄さんは、「変化」について特に説きます。コンサルタントの力とは、その変化にあると語ります。事業全体に対する「変化」であり、得意先のチームの「変化」であり、それによる、業績の「変化」。これらをもたらすには、絶えず自らが「変化」してアップデート&進化している必要があります。
人が最もチャレンジングととらえる「変化」にコミットし、自らの「変化」も絶えず行っていくからこそ、コンサルタントの報酬は自ずと高額になるのです。結果論ということです。
変化について検討するには、こちらの1冊「【真の「成長」とは!?】トランジション ――人生の転機を活かすために|ウィリアム・ブリッジズ」もぜひご覧ください。
まとめ
- 段取りいのち!?――仕事は着手前から決まっています。
- 相手をまず考える!?――仕事とは相手のために常にあるものです。
- 変化こそが、バリュー!?――相手の変化のために、絶え間ない進化を遂げましょう。