【無意識ネガから抜け出そう!?】ポジティブ・シフト|キャサリン・A・サンダーソン,本多明生

ポジティブ・シフト
  • どうしたらポジティブに自分の人生を切り拓いていけるでしょうか!?
  • 実は、無意識にだけ情報処理を委ねないことが大切かもしれません。
  • なぜなら、脳は思考をショートカットして自分が望まぬ判断を気づかぬうちにするものだからです。
  • 本書は、思考のショートカットに気づくための1冊です。
  • 本書を通じて、私たちのマインドセットのありかについて意識を巡らせることができます。
キャサリン・A・サンダーソン,本多明生
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マインドセットとは何か!?

思考はショートカットするものです。脳は最短距離を走りたいと常に考えています。だから、バイアスを用いて、先入観を駆使しながら、なるべく脳でエネルギーを消費しないように工夫をしています。日常生活において、バイアスや思考のショートカットは、素早い判断と行動を可能にします。ですが、その機能には一長一短があります。私たちは先入観をもって、ものごとを常に同じように判断しがちになります。時にそれは、自分自身についても先入観を持ってしまうことになります。

自分は、だいたいこんな感じの人間だ。と思ってしまうことから、自分で設定した壁やイメージを突破できずに変化することを拒んでしまうこともあるようです。いま、人材育成や人的資源活用の経営の界隈で、アンラーニングの重要性が叫ばれています。これは、まさに自分自身に対する自己イメージを一度棚卸しし、自分が積み上げてきたマインドセットとスキルセットを再構成・再構築するというアプローチです。

本書の著者キャサリン・A・サンダーソンさんは、自ら知らず知らずに身に着けてしまったマインドセットに気づきそれを上手にコントロールすることで、よりよい人生の時間を積み上げるヒントを得ようと語ります。それが、ポジティブ・シフトという発想です。

ポジティブ・シフトを得ることで、大きな幸福とよりよい健康を得ることができます。

私たち自身がコントロールすることができる、ということです。

おわりに

自分の人生に主導権をもって、気づかぬうちに自ら植え付けてしまっていた一方的なイメージを溶かしていきましょう。

ポジティブ・シフトを目指していくためには、そもそも、マインドセットは変えられるのだ!と信じることがキーになります。キャサリン・A・サンダーソンさんは、キャロル・ドゥエック教授(スタンフォード大学・心理学)の2つのマインドセット理論を取り上げます。

このマインドセット理論は、固定型マインドセットと、成長型マインドセットの2つで、人を捉えるもので、固定型は、知能や性格などの基本的な特質は固定的で安定的であるとするもの、そして、成長型は努力次第で時間の経過とともにこれらは変えていけるものだと捉える視点です。

具体的には、こちらの1冊「【あなたは硬直型!?それとも、しなやか型!?】マインドセット:「やればできる!」の研究|キャロル・S・ドゥエック」もぜひご覧ください。

成長型(しなやか型)のマインドセットを信じている方が、よりよいスタートラインにつけそうです。

ベイラー大学のケビン・ダハティー教授(社会学)は、試験を受けることに対する学生のマインドセットの変化に関する研究を行いました。これは、一般的には苦痛で緊張するものだとされる試験について、学生の気持ちをどれだけ変えられるかについて実験したものです。教授は、試験日を「学習祝賀会」と名付けて、試験を受けることについてポジティブな印象をもたせることにしました。試験日には風船やのぼり、おかしなどを持ち込んで、教室を華やかに演出します。試験に対する学生のマインドセットを変えるには十分で、なんと、こうした雰囲気の中で試験を受けた結果、テストの得点向上に繋がりました。

この実験は、いかに自分のマインドセットをポジティブに保つことが、より良い結果を導き出すのか、示唆を与えてくれます。

私たちは全員、自分が経験することに対する気持ちを変える、というシンプルな方法を使うことで良い結果を得ることができます。

第1章 マインドセットとはなにか

ポジティブ・シフトのためには!?

ポジティブ・シフトを目指していくためには、日常生活の中に新しいルーティンを組み込んでみることにトライしてみましょう。

たとえば、自分が「読むべき本」ではなく「読みたい本」を選んで、自分が個人的に楽しめる時間を寝る前や休憩時間に作ることもポイントです。そしてそれを毎日続けていきます。非常にシンプルな方法ですが、自分自身のポジティブな気持ちを整えるためには絶好の時間となります。

さらに、身体を動かすことも心身をポジティブな状態に維持するためには、大切です。運動は、自分が直面している問題から気持ちを切り離すことができ、気分転換になります。そして、イライラしたり、動揺したりする心のゆらぎにも対応できるようになります。

また、瞑想などいま・ここに集中する取り組みも効果があります。瞑想の実践者は、病気の症状が軽くなり、痛みのレベルも低くなることが言われています。過去を悔やんだり、未来を心配するのではなく、いま・ここにあること、いることだけに集中することで、人が本来的に持つ集中力を全て使って今を感じることが可能になります。そのことによって、しあわせを感じやすいマインドセットを整えることができます。

自然と触れ合うことも大切でしょう。脳も身体もリラックスすることが出います。高覚醒状態から、休息とリラクゼーションの状態に切り替えてくれます。そのために、自然の中で過ごすことは、ストレスを減らし、常に興奮状態にある身体への悪影響を少なくすることができます。

遺伝子や生活環境には関係なく、人生の質を高めて、長生きを実現するために、誰にでもできることが存在します。

おわりに
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時間とお金どっちが大切!?

もちろん、どちらも人が生きていくためには大切なのですが、ポイントは、時間はお金がいくらあっても買うことができないということです。お金があれば、もっと幸せになると考えてしまうことは、罠です。お金はあなたが暮らしていくための手段として役に立ちますが、いくらお金が増えようともしあわせを感じることはできません。お金としあわせはつながっているようで、距離感があります。

お金がいくらあっても残念がら、私たちは、その富に慣れてしまいます。最初のうちは、お金が増えたことに悦びを感じますが、時間が立つにつれて、高収入である状態や遺産を相続した状態が当たり前だと思ってしまうのです。そのため、富を得ることにおいて、しあわせの持続性は得られません。

また、お金で得られるモノについても同じことが言えます。もし仮に、現在使っている携帯電話が15年前や20年前に初めて手にしてワクワクしたあの携帯電話と入れ替わったことを考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。残念ながらあのときのようにワクワクはきっとできないでしょう。

お金は人を幸せにしたことがないし、これからもそうすることはないだろう。お金にはしあわせを生み出す性質はないのだ。お金はあればあるほど、人はそれを欲するのである。

ベンジャミン・フランクリン――米国の文筆家、出版業者、発明家、科学者、外交官、政治家

大切なのは、お金よりも時間を大切にするということです。そしてその時間とは、いま・ここであるほかにありません。いま・ここに集中し、今あることにありがたみを感じ、幸せであることに感謝しましょう。

そうした気持ちで、他者と積極的に関わることです。自分が満たされている状態で、他者を助けましょう。

一時間の幸せが欲しいのならば、昼寝をしなさい。
一日の幸せが欲しいのならば、釣りに行きなさい。
一年間の幸せが欲しいのならば、遺産を継ぎなさい。
一生の幸せが欲しいのならば、誰かを手助けしなさい。

中国のことわざ

他人に与えることは、幸せを見つけるためのベストな手段になります。利他については、こちらの1冊「思いがけず利他|中島岳志」とこちらの1冊「【正しく、“ギバー(Giver)”になるには!?】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代|アダム・グラント,楠木建」もぜひご覧ください。

まとめ

  • マインドセットとは何か!?――自分自身について捉える手段です。
  • ポジティブ・シフトのためには!?――いま・ここに集中し、幸せを感じましょう。
  • 時間とお金どっちが大切!?――時間を使い自らを満たし、他者に貢献しましょう。
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