- いかに自分の周囲との関係性をより良いものにしていけるでしょうか!?
- 実は、「問い」が役に立つかも知れません。
- なぜなら、「問い」とは自ら積極的に関わる姿勢だから。
- 本書は、そんな大切な「問う」について説く1冊です。
- 本書を通じて、「問い」の大切さと社会的な認識について俯瞰した視点を得られます。
前回の投稿「【問うは、意識しないとなくなる!?】問うとはどういうことか~人間的に生きるための思考のレッスン|梶谷真司」に続き、「問い」について、引き続き問いを立ててみたいと思います。
「問い」と目的の関係とは!?
問うことは目的と結びついている時、より意義あるものとなり、その力を発揮する。
目的を持って問う
大まかに問う目的とは次の4つに分類されます。
1.知ること
2.理解すること
3.考えること
4.自由になること
問いは、好奇心や違和感を覚えた先にあるもので、自分の外側との世界と積極的なやりとりの起点となるものです。なぜこうなっているのか、何を不思議に感じるのか、これらを明らかにすることによって、新しい社会とのつながりを見出すことが可能になります。
自分の中に閉じずに、新しい関係性を紡いでいくためにも、恐れずに「問い」の力を借りていくことが大切です。例えば内面に問いが向かうこともあると思います。
- 私はどこから来たのか。
- 私は何が特徴なのか。
- 私はどこに行きたいのか。
これらはそのまま自己理解に繋がり、自分を大切にすることにもなります。自分のマインドセットを深く知ることによって、よりよい変化を見つけられる体質になることができます。
ちなみに自分を深く見つめていくには、こちらの投稿「【人間OSの高め方とは!?】リフレクション(REFLECTION)自分とチームの成長を加速させる内省の技術|熊平美香」もぜひご覧ください。おすすめです!!
「問い」の基本的な価値とは!?
上述の4つの目的のうち、1~3を見つめてみましょう。
1.知ること
しばしば、新しいことを知るというのは、少しの不安を覚えます。自分のこれまでの当たり前が崩されてしまうようなそんな感覚です。あるいは、無知ということが恐れられがちということもあるかも知れません。知らないことを隠したり、新しいことに触れなかったりと、多くの人が知ることを無意識に遠ざけてしまうこともあります。
でも新しいことを知っていれば、できることが増えて、そうすれば、世界が広がり、楽しみも増えていきます。
あるいは、「正しいこと」を知ることも可能になります。「問い」があれば、現実の世界を自分の視点で深く潜り込んでいくことが可能です。自分の疑問や違和感を通じて、世界の本質に迫る感覚を持つことができるでしょう。
2.理解すること
本を読んだり、人の話を聞いた時に、それはなぜだろうか?とか、理解ができない・・という感覚を覚えたことは誰にでもあるでしょう。本の内容や人の発言には、常に意味があります。その意味は、発信者の意図がそのまま受け手に伝わるわけではありません。だから、受け手は意味を問うことで、理解を深めることができます。
もっと言うと、発信者だって、その意味を理解しているわけではないかも知れないのです。受け手による質問を通じて、互いにまだ知らない概念やものごとの理解を深めていく効果だってあるのです。
○自分が知る | ×自分は知らない | |
○相手が知る | 共通認識 | 自分の盲点 |
×相手が知らない | 相手の盲点 | 共通の盲点! |
実は共通の盲点を互いに共有しながら、見つけていく過程こそに価値があるのかも知れないと、最近思います。これらの探索の過程自体に意味を見出すことによって、新しいマーケティングを語ることができるのではないかと思うのです。
これまでは、情報格差があって、誰かの知らないことを教える、あるいは、情報提供することの価値を見出していた時代でした。でも、情報格差もネットの登場で限りなくなくなり、さらに対話型AIの登場によって、その差はさらになくなっていきます。
こうした情報化の極みの状況の中で、互いがまだ知らないことを認識し、それを互いに埋めていく過程こそに価値が認識されているのではないかと思うのです。例えば、ビジョンや志、経営に関する意志などがそれかも知れません。あるいは、改めて企業の存在意義であるパーパスを互いに見つめていくようなプロジェクトも上記のような認識の過程を重視するべきでしょう。
3.考えること
考えるための問いは、知っていることや理解していることが増えても、減ることはない。
3 考えるために問う
考えることは、たとえ、知識がなくても理解が浅くても、続けることができます。だから考えることは自由ですが、自由だからこそ、ともすれば、思い込みになる懸念だってありうるのです。
思い込みや独りよがりになるという不安もありながらも、考えるための問いを活用して、想像性を見方に付けていくことも魅力的です。
想像するとは、「今ここにいる自分」以外の何かについて考えることです。「過去を考える」「未来を考える」「他人のことを考える」「存在しないことを考える」などがこれにあたります。
想像するために問うことができれば、私たちは自らを縛るものごとから解放され、自由になれるのです。
「問い」は自由のための一歩!?
私たちはいろんなものに縛られ、囚われている。
4 自由になるために問う
問うことの最大の意義は、この縛られ、囚われているものごとから、自分を解放することにあります。
なんとなく感じる息苦しさや、違和感、逃げ出したくなるような衝動に面した時、なぜ、そうあるのかを自分自身に問うことで、私たちは、自由に向かうヒントを得ます。
次回の投稿では、「何から自由になるのか!?」について詳しく見ていきたいと思います。
「問い」の価値はさまざまですが、この「問い」という視点を活用することで、自分を常に変化しつづける力を得ることが可能になるのです。
まとめ
- 「問い」と目的の関係とは!?――4つの目的から「問い」を捉えられます。
- 「問い」の基本的な価値とは!?――知り、理解し、考えることに繋がります。
- 「問い」は自由のための一歩!?――自分を縛るものを見つめ、それから自由になれます。