- どうしたら、択一思考に陥ることなく、両立思考を継続することができるでしょうか。
- 実は、パーパスという高次の視点が欠かせないかも。
- なぜなら、パーパスとは人やものごとの存在意義を問うから。
- 本書は、これからの時代にかかせない、両立思考に関する1冊です。
- 本書を通じて、複雑なものごとの中で、新しい方向性を提示する力を養えます。
パラドックスとパーパス!?
無意識にどちらがいいか?の二項対立を処理していると、さらに問題を深めてしまう可能性があります。これを排除するために、二項対立ではなく、両者組み合わせたクリエイティブな解決策を目指したり、あるいは、バランスを取り続けていく方向性の検討も重要になります。
前回の投稿「【パラドックス・マインドセットとは!?】両立思考|ウェンディ・スミス,マリアンヌ・ルイス」に続き、今回も両立思考に関する1冊をレビューを進めていきたいと思います。
パラドックスの周りに足場を築く作業は、高次のパーパスの特定から始まる。
高次のパーパスへのリンク
パラドックスを超越していくには、視野視座の高さが必要になります。そのために必要なのは、私たちがなぜ存在しているかというパーパスレベルの視点です。
パーパスについては、こちらの投稿「【あなたのパーパスは、なんですか?】パーパス・ドリブンな組織のつくり方|永井恒男,後藤照典」もぜひご覧ください。
また、超越した視点については、メタ思考もキーになります。こちらの投稿「【頭がいいは、視点で決まる!?】メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける|澤円」もあわせてご覧ください。
パーパスと両立思考の関係とは!?
パーパスはどのように両立思考を支援してくれるのでしょうか。
1.競合する要求に直面しながら歩み続ける力となります。
2.対立する力の統合を支援します。
3.短期的な意思決定の方向性を合わせるために長期的な視点を提供してくれます。
いずれのポイントも重要ですが、3つめの時間軸という視点を持つことも、とても重要です。前回の投稿「【パラドックス・マインドセットとは!?】両立思考|ウェンディ・スミス,マリアンヌ・ルイス」でも記載の通り、二項対立の原因には、リソースが限られていることもあげられます。特に時間というリソースが限られることで、二者択一に迫られるケースも多々あるでしょう。
しかし、パーパスという存在意義があることで、短期的な利益と、長期的な利益のバランスを取りながら、リスクを上手に取る判断をすることができるようになります。結果、企業も個人も両利きの経営によって、変化の時代においても持続可能性を担保させられるのです。
高次のパーパスは、人生におけるそのような意味を定義するように、私たちを導いてくれる。
高次のパーパスへのリンク
ぜひ、これを機に両利きの経営を改めて拝読したいと思います。こちらの投稿「両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く |チャールズ・A・オライリー,マイケル・L・タッシュマン」もぜひご覧ください。
未来に向けたビジョンを知る!?
多くの人に愛される本『星の王子さま』の著者である、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは、『城砦』でビジョンに関する考え方を捉えています。
船を創造するとは、帆布を織り、鋲を鍛え、星々の位置を読み取るという個々の行為ではなく、海原を目指す、唯一にして不可分な好みを与えることにほかならない。このような好みの光のもとでは、もはや矛盾するものはなにもなく、あるのは愛のうちにある共同体のみである
『城砦』――アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
自分(たち)が今後、何を目指していきたいのか、その世界観を見つめながら、ものごとのジャッジをしていくことがポイントなのではないかと考えます。一刀両断ではなく、矛盾を内包し続ける勇気もとても大切です。矛盾は矛盾として含有しているからこそ、力を成す場合だってあるのです。
包括的なビジョンに注目をすれば、競合するパラドックスな要求に立ち向かうときに感じる不安と不確かな気持ちを最小限に抑えることができます。
高次のパーパスを見据えると、パラドックスの混沌を軽減することができる。
高次のパーパスへのリンク
まとめ
- パラドックスとパーパス!?――パーパスが、両立思考を進める力になります。
- パーパスと両立思考の関係とは!?――限られたリソースによる矛盾を包含できます。
- 未来に向けたビジョンを知る!?――パーパスにもとづくビジョンを持つことが有効です。