【対話こそが変革を生む!?】企業変革のジレンマ「構造的無能化」はなぜ起きるのか|宇田川元一

企業変革のジレンマ「構造的無能化」はなぜ起きるのか
  • 現状を打破する行動をいかに取ることができるでしょうか?
  • 実は、対話にヒントがあるかも。
  • なぜなら、相手との対話こそ、自分が最も変容する過程だから。
  • 本書は、行き詰まる企業や組織の変革のヒントを描き出した1冊です。
  • 本書を通じて、何が変革をもたらすのか視点を得ることができます。

なぜ、対話か!?

昨日の投稿「【どうしたら、変革を進められるか?】企業変革のジレンマ「構造的無能化」はなぜ起きるのか|宇田川元一」に続き、今回もこちらの1冊『企業変革のジレンマ 「構造的無能化」はなぜ起きるのか』のレビューを続けてみたいと思います。

本書は、一人ひとりの組織の成員は、善良によりよい方向へと向かって動こうとするのに、全体としては負のスパイラルにはまっていってしまう残念な状態をいかに抜け出し、変革を遂げるのかについて説かれた1冊です。

本書において、変革を目指すうえで、とくに「対話」の重要性について説かれている点が、非常に興味深いです。

対話の効用を考えてみましょう。まず、私ともの(それ)が相対していることを考えてみます。そのものとは、私の目的を達成するための道具としての存在を想定します。ここに相手の存在は考慮される必要がありません。

私と同じように生きる世界が存在することも考慮されない。別の言い方をするならば、「それ」のために「我」は変化しない。

「対話」とは何か

一方で、私と相手の関係を見つめてみましょう。先の私ともの(それ)との関係と比べて最も異なるのは、相手が私と同じように言葉を話す人であるということです。この時、大切な視点が相手の言葉を通じて、自分の存在が相手を移し鏡のようにして、たち現れるということです。

この対話的関係においては、相手と関わることこそが目的的であり、関わりを通じて私が新たに生み出されるという関係性が生まれてきます。

私と相手は、分断された存在ではなく、地続きの存在としての関係である。

「対話」とは何か

対話とは何なのか!?

対話が前に進むのは、なぜか、ということにさらにフォーカスしてみましょう。

それは「弱さ」によるものが大きいです。この「弱さ」とは誰しもが持っているものです。それはどういうものかと言うと、「死角」を想像してもらうととても理解がしやすいかも知れません。

私が「それ」と思って見ている対象について、実は知らないという弱さが見出されたとき、私たちは対話の入口に立っている。

「対話」とは何か

その対象について自らの知らないという事実に気づき、新たな側面を知ろうとして動き出す行為こそが、対話による、自己変容を促します。

トランジションを互いに誘発されるような、関係性による変化の連鎖をもたらすのが対話ということになります。ちなみにトランジションとチェンジの違いについては、こちらの1冊「【真の「成長」とは!?】トランジション ――人生の転機を活かすために|ウィリアム・ブリッジズ」をぜひご覧ください。

対話とは、実際に人と人が単に話をするだけではないということに気づきます。むしろ、相手の生きる世界を相手の視点で捉え直し、それに対して自分が応答する過程おいて、自分が変容していく過程なのです。

  • 自分たちにはわからない問題を知らなければならないとうこと
  • 場合によっては、問題をよく理解せずに的外れなことをやってしまったという事実向き合うこと
  • 自分たちはどうすればよいかよくわからないということ

こうした事実に直面したときのものは、小さなものではありません。しかし、これまでの「認識」をいったん脇に置いて、その問題に「対話的」に取り組もうとする時、そこにはこれまで見えていた世界とは違う世界が広がっているはずです。

それは、相手の痛みを知るということかもしれないし、互いにどうすればよいかわからないという状況に向き合うことかも知れない。

企業変革に対話をどう役立てるか

対話を通じて、さまざまなことを知り、試行錯誤を重ねる中で、少しずつだが着実に何かが変わっていく様こそが、企業変革にも必ず役に立つし、もしかしたら、対話こそが変革なのであると言っても良いのかも知れません。

対話を通じて、私は何を目指すか!?

企業の変革を対話の重要性で見つめた時、自分自身の変化ということの重要性を知ります。

変革とはこの地道な取り組みを繰り返していくことである。自分が変わり続けることを通じて、組織が変わっていく。

企業変革に対話をどう役立てるか

私たちの日常は、実はわからないことだらけなのかも知れない、ということに気付くことから始めてみましょう。わからないことをわからなずにいることで、普通に生活ができているに過ぎません。

しかし、わからないことから初めて、目の前のものごとに深くかかわらろうとする時、そこには個別性の世界、多様性のある世界が広がっていることに気づきます。

対話とは、「こういうことであるはずだ」という前提をいったん脇において、その事象や人そのものを見ようとすることである。

Column ナラティヴ・アプローチとは何か

他者の眼差しを介してその違和感の正体を探り、それに応答しようとすること。そうした行為によって、階層を問わず、私たちは自ら「経営する人」へと誘われていくのです。

まとめ

  • なぜ、対話か!?――相手の視点からものごとをみて、自分が変わることを目指せます。
  • 対話とは何なのか!?――自己変容の過程です。
  • 対話を通じて、私は何を目指すか!?――変化を受け入れ、自ら「経営」するということです。
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