【働き方の進化論!?】働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる|橘玲

働き方2.0vs4.0
  • 幸せに働き続けるには、どんな見立てが必要でしょうか!?
  • 実は、働き方の進化論かも。
  • なぜなら、社会が大きく変わる中で、人の働き方も大きく変化をしているからです。
  • 本書は、橘玲さんによるこれからの働き方を説く1冊です。
  • 本書を通じて、これからの時代の時代における、自分の労働観をアップデートすることができます。

働き方4.0へ!?

社会が大きく変わっています。当然、働き方も大きく変わっています。

働き方1.0・・年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0・・成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0・・プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0・・フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0・・機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア

問題は、働き方2.0を実現したとしても、それではぜんぜん世界の潮流に追いつけないことです。最先端の働き方は、3.0から4.0に向けて大きく変わりつつあるからです。

はじめに 「未来世界」と「前近代的世界」に引き裂かれて

日本ではまだまだ、働き方1.0にとどまる組織や、個人が圧倒的多数を占めています。会社と雇用関係を結び、会社の意向とビジョンを信じて働くことを、自らに強いています。確かに、年功序列や終身雇用は、所属する人に安心感と帰属意識を芽生えさせ、長くはたらいていただくシステムであったことは確かです。しかし、激しく変化をする時代において、企業が多くの固定費を抱え続けることは、判断として難しくなっていきます。

マルクスは、生産性の向上を求める企業が集まり、巨大化を果たしていくことを説きました。マルクスは、資本主義の経済システムが、競争によってより効率的で大規模な企業が小規模な競争者を排除し、市場支配を強化することを示唆しています。これは「資本の集中」とも関連しており、企業がより大きな企業に合併または吸収される現象と見なすことができます。

しかし、現実には、大規模になりすぎた企業は、複雑性を孕み、どうしても変化する時代に身軽な対応をすることが困難になっています。意思決定に関わるプロセスが増大し、積極的に機会点をとらえ、有効な活動を創造できないのです。だから、外部で生まれた新たな変革の種(スタートアップなど)との協業や連携が、自社の競争優位性を維持するための方策としている大企業も増えているのです。

そんな中で、一人ひとりの従業員が組織と安定的な雇用関係の中で、生涯働き続けるというコンセプトが成り立たなくなってきています。巨大化して身動きが取れなくなった古くからの産業のキープレイヤーが、外資系ファンド等に買収され、抜本的な組織改革(リストラ、早期退職を含む)を敢行するニュースを見ていても、納得できるところです。

世界は急速に「未来」に向かっているにも関わらず、日本人(サラリーマン)の働き方はあいかわらず前近代的な「身分制」にとらわれたままです。

4「未来世界」で生き延びる方法

これからの時代を少なくとも数十年生きていくためには、新しい労働観=働くOSが必要なのです。

資本を検討せよ!?

「人生100年時代」にもっとも重要なのは、好きなこと、得意なことを仕事にすることです。

4「未来世界」で生き延びる方法

嫌いな勉強や、嫌いな取り組みを人生100年も続けることはできません。どうしても、日本人は、なぜか「労働」を苦役だととらえがちです。そうではなく、自分の固定観念を俯瞰して捉えて、労働の意義・意味を捉え直せば、必ずしも、苦しいだけの労働に疑問を持つことだって可能になるはずです。

例えば、レンガ職人の話を聞いて、仕事を意味を考えてみたり、社会の本当の仕組みを理解して、自分の置かれている立場をメタ認知してみたり、工夫の仕方はいくらでもあります。

仕事の意味を考えるには、こちらの投稿「【誰も語らない仕事の原則とは!?】仕事は輝く|犬飼ターボ」。社会の本当の仕組みにふれるには、こちらの投稿「【自分の「価値」を俯瞰し、鍛錬し続けよ!?】超入門 資本論|木暮太一」がおすすめです。ぜひご覧ください。

日本人(サラリーマン)のキャリア形成は、中動態であると説いたのは、小林裕児さんです。詳しくは、「【HOW TO リスキル!?】リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考|小林祐児」をご覧ください。能動でも、受け身でもない、その間にある状態を中動態と言いますが、サラリーマンはまさにこの状態で自分のキャリアを結果的に作っていきます。

  • たまたま辞令を受けた異動で新しい出会いがあった。
  • やりたいことは会社に入ってから考えればいい。
  • MUST(やるべきこと)の中からWILL(やりたいこと)が見えてくる。

こうした会社から与えられた機会の中に、自らの意志を見出していく、そんなスタイルが現実ではないかと説くのです。だから、内発的なやる気や意志だけを頼るのではなく、外から提供された機会や活動に触発されて、自分のキャリアビジョンを作ることって案外多い、それを否定するのではなく、上手に活用していくマインドセットが必要なんだと思います。

私たちが市場で富を獲得する方法は、原理的に以下の2つしかありません。

1)金融資本を金融市場(不動産市場を含む)に投資すること
2)人的資本を労働市場に投資すること

人的資本は自分の労働力・能力(マルクス経済学における「価値」と「使用価値」を含む概念と捉えればよいでしょう)のことです。これは年齢とともに減っていき、健康上の理由などで働けなくなった時にゼロになります。あとは、金融資本を運用して生活することになります。

反対に言えば、健康上や老化を理由にしなければ、「人はいつまでも働き続けられる」という真理があります。欧米や日本のような労働者の平均賃金が高い先進国においては、いかに人的資本を上手に運用するかが、豊かな人生を送れるかどうかのキーポイントになります。

人的資本を使って富を増やすためには、次の3つの取組みに分けて検討しましょう。

1)人的資本を大きくする・・資格をとったり能力を高めたりして「もっと稼げる自分になること」です。
2)人的資本を長く運用する・・健康に留意し、働き続ける心身であることです。
3)世帯内の人的資本を増やす・・ダブルインカムなどの作戦を採用することです。

1の取り組みは、自らの自己啓発戦略によるものですが、これについては本人の努力、能力、運も絡んでくるために多少リスクを伴います。でも2と3については、確実性があります。まずは2と3で、人生の基盤をかため、自由に1についてトライを続けていく状況をいかにつくるかがポイントです。

シニアになっても楽しく働く、家庭にあっても共に働き、豊かな人生の足がかりを作っていきましょう。

主従を変えていこう!?

大切なことは、会社に入ってから、何もしないのではなく、常に考え続けて主体的に動くということです。なぜか、日本のキャリアは、就職のときに最大限のジャンブをして、会社に飛びつく努力をするのに、その後は、会社組織の言うなりで、自ら頑張ることをしなくなってしまいがちです。

もともと自分の頭で考えて、努力し、勉強し続けることを若い頃から行ってきたはずなのに、本当にもったいないことです。大学の学部だって、興味関心で選んだ人も多いのでは!?大切なのは、初心を胸に、勉強を続けて、自分の「価値」と「使用価値」を高め続けていくことです。

大切なのは、人生の主導権が自分にあることを意識する、ということです。

スペシャリストは会社の看板を借りた自営業者

4「未来世界」で生き延びる方法

会社は、私たちにたまたま屋号や仕組みを貸与してくれている存在です。確かに、給料水準は事前に決められているため、いくら努力をしようが報酬に変わりはありませんが、余剰分は自らのキャリア「価値」に蓄積されることを信じて、勉強と活動を続けていきましょう。

自分を職種で自己紹介できるようになるかがポイントです。**商事の山田です。ではなく、食品輸出入アドバイザーの山田です。みたいに、自分の生業で自分を認識してみましょう。その先に、本当の自由と可能性を手にしながら、自分の人生をいきいきと生きる自分の姿を描くことが可能になります。

自分主体の働き方については、こちらの1冊「【自由も、安定も、得られる方法論!?】フリーエージェント社会の到来|ダニエル・H・ピンク」も大変刺激的です。ぜひご覧ください。

橘玲さんの公式ブログは、こちらからどうぞ。

まとめ

  • 働き方4.0へ!?――時代に合わせて、働き方をアップデートしましょう。
  • 資本を検討せよ!?――豊かな人生には富は不可欠です。増やし方を考えましょう。
  • 主従を変えていこう!?――会社員の私ではなく、**社でキャリアを積んでいる「私」で行きましょう。
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