- どうしたら、この世界で楽しく生き抜くことができるでしょうか!?
- 実は、世界の仕組みを知っておくことが大切かもしれません。
- なぜなら、資本主義という仕組みで、現状この世界は回っているのです。
- 本書は、知っているようで知らないこの世界の仕組みについて解明する1冊です。
- 本書を通じて、環境に流されず自ら生き抜く知識をアップデートできるでしょう。
資本主義を理解するポイントとは!?
本書は、カール・マルクスの『資本論』を底本に、それを非情に噛み砕いて私たちにレビューしてくれています。
『資本論』には、ぼくらが今生きている資本主義が、どんなルールで成り立っているかが書かれています。
はじめに
重要なポイントをおさえていくためには、「価値」と「使用価値」の意味を理解し、その区分をすることが必要です。この理解については、過去の投稿「【経済は、必ず一巡する!?】マルクスる?世界一簡単なマルクス経済学の本|木暮太一」もぜひご覧ください。

商品は、「価値」と「使用価値」があります。「使用価値」は、「使って感じる価値」という意味で、それを使うことのメリットを表します。私たちにとても馴染み深い概念です。「価値」というのが厄介です。これは、「労力の大きさ」をさします。その商品を作るのに多くの労力がかかっている場合=価値が大きい。ということになります。それをつくるのにどれだけ手間がかかったのかを表します。
使用価値だけに頼るな!?
私たちが日常生活の中で、「価値」というと、どちらかと言うと無意識に「使用価値」を指すことが多いのではないでしょうか。たしかに「使用価値」も大切です。「お客様のメリット」や「顧客視点」がなくては、ビジネスはうまく進みません。ただ、そこに『資本論』が説く「価値」の視点も導入することが大切です。
なぜなら、「使用価値」だけではモノは、商品にならないからです。手が加えられてはじめて、商品となり得ます。例えば、山の湧水がわかり易い例です。山の湧水は流通をさせるために、手間をかけて、ペットボトルに詰め込まれます。こうした「価値」化がなされなくては、商品として値段がつけられないのは、イメージしやすいのではないでしょうか。
需要と供給のバランスが取れている場合には、商品の値段は、「価値」通りに決定されるという特徴も知っておきましょう。
この商品には、労働も含まれるのです。私たち一人ひとりが、提供する「労働力」も商品として資本家に提供され、値段がつけられて給料として払われます。
給料は、あなたを働かせ続けるために「必要なコスト」で決まる
給料は、あなたを働かせ続けるために「必要なコスト」で決まる
この事実を念頭に置く必要があります。成果報酬の契約でない限り、私たちに提供されるのは必要経費分以上にはなり得ません。たしかに、一時的に成果が発現した場合には、ボーナスというカタチで配布されますが、あくまでそれはボーナスでしかないのです。固定給部分の上昇は、一般的には、その人とその人が養う家族のコストです。
このコストは私たちが、明日も同じように企業のために働くことを期待したものになります。寝食をしなければなりませんし、疲れだって癒す必要があるでしょう。給料に対する考え方を変える必要があります。
頑張れば、その分だけ、給料が増えるという考え方を捨てるのです。
労働者として優秀になり、企業に利益をもたらすことで得られるのは「雇い続けてもらえること」なのです。
「頑張っても評価されない……」と嘆くのは筋違い
原理原則を厚生労働省のデータが証明します。厚生労働省が発表している統計(平成 25年版賃金事情等総合調査)にそれが表れています。これは、基本給の金額を決めている要素です。基本給全体を 100としたとき、それぞれの要素がどのくらい考慮されるかを表しています。 それが下記です。
①年齢・勤続給…… 14・ 4%
②職務・能力給…… 31・ 3%
③業績・成果給…… 4・ 9%
④総合判断…… 49・ 4%
「職務・職能給」とは、労働者があげた成果ではなく、社会人としての基礎的な経験と、社会人としての基本業務をこなす能力を指しています。
たとえば、仕事をする上で必要な、
- 礼儀、言葉遣い
- スケジュール調整能力
- 段取り力
- 説得・プレゼン力
- その他、社会人として必要な知識や基本となる経験など
のことです。
企業に雇われる労働者は、構造上、豊かになれません。労働者が受け取る給料は、言ってみればその労働者が生きていくために必要な経費だけだからです。
しんどい生き方からの脱出
労働者として、働き続ける上で、考えるべきは、
- 昇給に依存しない生き方(高い給料を唯一の目標にしない)
- 昇給の代わりに、自分の必要経費(時間、心身の苦痛等)を下げること
- 社会平均より低いコストの仕事を選択すること(社会一般的に、自分的に)
ということになります。
「年収」-「必要経費(肉体的・時間的労力や精神的苦痛)」=自己内利益
「自己内利益」を増やすという考え方
これからの世界を生き抜くために・・!
3つのポイントでこれからの世界を生き抜くための秘訣を木暮太一さんは語ってくれます。
1)変化耐性をつけること
2)能力を汎用化させること
3)USPをつくること
自分の仕事を目の前の作業内容から切り離して、どう役立っているのかを考え、他の業界でも応用できるスキルに変える。
自分の仕事を2種類に分けて考える
視野、視座を上げましょう。
人間が労働するということは、いずれにしても、その人が労力を費やしているということです。
自分の仕事を2種類に分けて考える
『資本論』の立場では、「労力(人の手)がかかっている=”価値”がある」です。
どんな仕事も、具体的に考えると違う作業をしています。ですが、抽象的に考えれば「商品に価値を与えている」という意味で共通しています。
自分の仕事を一度、具体的なところから切り離して考えてみることです。視野を広げてみれば、抽象的に捉えることになります。そのことで、自分が仕事を通じて身につけた能力・知識・スキルはどのように他の業界と同じ7日、どうすれば応用できるのかを考えやすくなります。
その上で、自らの労働力のUSPを磨くようにしましょう。
- 顧客に提供するメリットがある→人の役に立つことをしている
- ライバルがいない(かなり少ない)→他に提供している人がいない、かなり少ない
- 真似しづらい→その労働をするのに必要な知識や経験が膨大である
上記の視点で、自分の「価値」を少しづつたかめていくのがこれからをやりがいをもって、生き抜くために必要になるでしょう。
スキルUPについては、こちらの1冊「【読書が、読書をつれてくる!?】1%読書術 1日15分の知識貯金|マグ」も勇気をくれます。ぜひご覧ください。

まとめ
- 資本主義を理解するポイントとは!?――「価値」と「使用価値」の基礎知識を基軸に考えましょう。
- 使用価値だけに頼るな!?――労働力の「価値」を磨くことも検討しましょう。
- これからの世界を生き抜くために・・!――自分の価値を俯瞰してUSPを磨きましょう。