- どうしたら、理想の人生を切り拓く力を得ることができるでしょうか。
- 実は、「スケジュール管理」と「お金の管理」の見える化が大切かも。
- なぜなら、これらはそもそも目に見えないものだから。
- 本書は、人生をつくっていくために必要な資産であるトキとカネに関する1冊です。
- 本書を通じて、見えない資産の見える化が、どのように人生を好転させる力になるか触れられます。
事務とはなにか!?
坂口恭平さんが言う、事務とは、スケジュール管理と、お金の管理のことです。これらを徹底して目に見えるようにすることで、理想の人生を切り拓く力を得ることができます。
この<事務>とは、<想像行為> つまり<仕事>と個別の作業ではありません。
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家庭や学校あるは、仕事で、スケジュール管理やお金の管理を徹底的に教わることは早々ないのではないでしょうか。ここでいうスケジュール管理とお金の管理とは、未来に向けたバックキャスティング視点での内容です。
目の前にあるプロジェクトについてスケジュール管理とお金の管理をするのであれば、家計やプロジェクト単位でのジョブがあると思いますが、坂口恭平さんが言うのは、より良い未来を想像してその時に実践している1日の使い方と、それに向かっていくときのお金の作り方についての話です。
現在と未来からのバックキャスティングという視点で、大きく異なる概念です。
事務のやり方とは!?
スケジュール管理は、未来のとある1日の現実を具体的に描いていくことから始まります。
<将来の夢>だとふわふわするけど、
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<将来の現実>はこのようになりますってことだから、ノートに描いて簡単に示せるね。
未来にもかならず24時間があります。その24時間をどのように使っていたいかを今のうちから考えておくことで、それを実現するように自らをディレクションすることが可能になります。
そして、これがとても大切な事実なのですが、「**になる」ということを宣言するのではなく、「**をする」もっと言うと「し続ける」と宣言する方がきっとうまくいきます。「**になる」という状態は「**をする」という結果から生み出されるものであって、また、ときに「**になる」という事実については他者の評価などが複雑に絡んでいることもあるからです。
その代わり「**をする」ことについて、意識を向けていれば、自然とその方向へと目を向け、向かっていくことができます。またなにより「**をする」こと自体を人間は楽しめるものです。だから、自分のやりたいこと、目指したいことを意識したDO設定をすれば、楽しい1日の積み重ねが訪れるということになります。
<好き>は<自信>を凌駕する。<自信>はなくなると作業が止まりますが、<好き>は止まりません。
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坂口恭平さんは、作家になりたいと学生時代に志しました。しかし、「作家になる」ということではなく、行ったのは、「毎朝5時に起きて、9時まで原稿をひたすら書く」ということです。それが結果的に「作家になる」という夢の実現に寄与しました。
<現実>と<夢>、この2つが揃ってこそ、我々の生きている人生です。そのためにもまずは、<現実>を味方につけましょう。
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BEは、DOの結果として積み重なり、実現していくということになります。DOを積み重ねながら、自分なりの完成品をいくつかつくっていくようにしてみましょう。続けられること、それがすなわち「才能がある」ということを理解しましょう。あくまで、その才能を見つけるのです。評価は結局は他者のもの、それにとらわれる必要はありません。なぜなら、コントロールできないので、いくら気にしたところで意味がないのです。
事務の効能とは!?
ついで、お金についてです。
お金についても、スケジュールと同じように将来の年収を意識します。そして、その総量をどのような構成比で達成していくのかを検討するようにします。この時、スケジュール管理で得た、やりたいことの結果に紐づいている必要があります。
<事務>とは抽象的なイメージを数字や文字に置き換えて、<具体的な値や計画>として見える形にする技術です。
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大切なことは、自らの目標を将来の現実として落とし込んでいくことです。これがあれば、いくら他者に後ろ指を刺されても、否定されても、評価されても、自分が揺らぐことはありません。
例えば「夜9時に寝るなんてもったいない!」と他人から言われたとしても、ほうっておくことができます。
自分に才能があるかないかわからないから、自分がつくったものやアウトプットを指摘されると、考えてしまい、悩んでしまいます。結局のところ、誰もが自分には、「才能があるかないか」なんてわからないからです。わからないことに人はそもそも恐怖を感じる生き物なので、それを指摘されると気になって仕方がなくなるのです。
でも、自分が選択した「方法」であれば、それをいくらどうこう言われたところで、気になることは一切ありません。この「方法」を具体的にするために<事務>は存在しています。
<事務>は分からないものを明らかにするのではなく、わからいまま仕事を延々と継続するためにあるのです。
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将来の現実から、バックキャスティングして、今日1日1日を積み重ねていきましょう。きっとよりよい未来が待っていると信じて行っていく活動は、ワクワクするものになります。
私は実験によって、少なくとも次のことを学んだ。
『森の生活ウォールデン』 H.D.ルソー著
もしひとが、みずからの夢の方向に自信をもって進み、頭に思い描いたとおりの人生を生きようとつとめるならば、ふだんは予想もしなかったほどの成功を収めることができる、ということだ。
坂口恭平さんの著書は、いつも勇気をくれます。こちらの1冊「【継続は、すなわち幸福!?】継続するコツ|坂口恭平」もぜひ!
まとめ
- 事務とはなにか!?――事務とは、将来に向けたスケジュールとお金の管理のための見える化です。
- 事務のやり方とは!?――将来の1日のスケジュールと年収を想定し、そこに向けて活動します。
- 事務の効能とは!?――正しく才能を理解し、淡々と行動を積み重ねていくことが可能になります。