- どうしたら幸せな組織をデザインすることができるでしょうか!?
- 実は、参加者のエンゲージメントを高めることにあるかもしれません。
- なぜなら、エンゲージメントが高ければ、「時間」を投資することが自然と可能だからです。
- 本書は、組織をエンゲージメントから再構築するための1冊です。
- 本書を通じて、幸せな組織のあり方についてヒントを得ることができます。
9つのドライバーとは!?
限られたリソース、それは、時間です。もちろん、ヒト・モノ・カネ、いずれもとても大切なリソースですが、その中でも、ヒト、さらにそのヒトが持つ時間というリソースをいかに投じるかで、組織の成果は大きく決まってきます。時間をただ投じればいいということではありません。だらだらとして働くのではなく、一人ひとりが有意義な時間を、上手に提供しあって、共有している状態を目指すことが理想です。
従業員の幸せのための組織づくりが、語られ始めて久しい世の中です。でも、じゃあ実際にどうやったらいいの!?という経営者の方も少なくないはず。そんなときに本書が考え方のヒントをくれます。
まず、会社全体の役割の定義を見直す必要があります。会社とは誰の何のために存在するのでしょうか!?利益を出すため?それとも、事業を永続させるため?いずれも、手段に過ぎません。
本当に大切な視点とは、従業員と幸せを分かち合うためにあるのです。
過去の投稿「【幸せのための経営とは!?】リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~|塚越寛」においても、塚越寛さんの言葉を紹介させていただきました。
人件費はコストではなく、会社の目的そのものである
【幸せのための経営とは!?】リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~|塚越寛
と、塚越寛さんは言います。
そもそも起業の目的とは、仲間たちと共に暮らしを立てるためにあるはずなのです。その点を見誤ってはいけないということでしょう。こうした塚越寛さんのお考えと、本書が提唱するまずは「エンゲージメント」で測るという観点が繋がって見られます。
エンゲージメントとは、従業員が自分の職務や職場に対してどの程度献身的で情熱を持っているかを指します。
このエンゲージメントに与えるキードライバーは9つあります。
1.職務・・仕事に対して満足度を感じているか。
2.自己成長・・仕事を通じて自分が成長できていると感じているか
3.健康・・従業員が仕事の中で、過度なストレスや疲労を感じていないか
4.支援・・上司や仕事仲間から、職務上または自己成長の支援を得ているか
5.人間関係・・上司や仕事仲間と良好な人間関係を築けているか
6.承認・・周りの従業員から認められていると思えるか
7.理念戦略・・企業の理念・戦略・事業内容に対して納得・共感をしているか
8.組織風土・・企業の組織風土が従業員にとって良い状態なのか
9.環境・・給与、福利厚生、職場環境といった従業員を取り巻く社会環境に満足しているか
経営者やマネジメント、リーダーの役割はこれらの要素の向上にあります。
働く人たちのエンゲージメントを高い状態に保つことを自分の仕事と認識し、組織運営に取り組まなければなりません。
はじめに
理想の組織構造とは!?
理想の組織は自律です。自分で自分のやるべきこと・やりたいことを見出し、内発的な創意工夫とコラボレーションにあふれる組織が、成果をもたらし、その過程で、やりがいや幸せを実感することができます。
そのためには、管理・監視をするのではなく、マネジメントは、<ビジョンとKPI>を積極的にメンバーと共有し、自発性を互いに高め続ける工夫が必要です。
たがいに一挙手一投足を見るのではなく、見るべきは目指す先です。そこのゴールが設定されていれば、あとの手段は、現場個々人が工夫をすればいいのです。
この状態を作っていることで、柔軟で、変化に強いチームを構築することができます。マイクロマネジメントで、マネジャーの監視があまりに強いと、残念ながら、そのマネジャーの力以上を発揮することができません。これではチーム全体が不幸です。
そうではなく、<ビジョンとKPI>を基軸に、上手に権限委譲を行いながら、現場を信じる力にかけるのです。
「全員がリーダー」をめざすエンゲージメント経営
「チャージ休暇」「イエーイ」意志・意図のある制度づくり(Sansan株式会社)
リーダーシップは、リーダーだけが発揮するものではありません。メンバー一人ひとりが自分自身に対するリーダーシップを発揮することが理想です。
自分という株式会社を上手に経営して、幸せという実りを得続けていきましょう。
自分株式会社については、ぜひこちらの1冊「【挑戦的行動がポイント!?】面白いことは上司に黙ってやれ~日本発の新ビジネスを生み出すには?~|春日知昭」もご覧ください。刺激的です。
新しい組織のマネジメントとは!?
一人ひとりのメンバーを信じましょう。信頼関係を作れば、互いに向上しあえるのです。上下ではなく、フラットな関係性の中で、本当のチームの成長を支援し続けましょう。
性善説にもとづき経営し、一人ひとりが主体的になって働くためには、次のような人事施策もヒントです。
1)出世・肩書を撤廃すること(撤廃しないまでも上下を作らないこと)
2)360度評価を活用すること
3)全従業員に情報開示すること
4)全社員が株主(ステークホルダー)として互いを認め合うこと
5)多様なライフスタイルを認め合い、ワークスタイルも柔軟さを認めること
いちばん大切なのはメンバーの個々人を知ること
売上高も個人の生産性も順調に伸びてきた
「エンゲージメント」を高めるために唯一絶対の方法はないと、著者らは語ります。でももし、何か取り掛かりのヒントがあるとすれば、それは、一人ひとりが互いのことをよりよく知ることだといいます。仕事の仕方もそうかもしれませんし、生い立ちや価値観などについても互いに触れて見たいところです。
人は無意識の領域がすごく奥深いと言います。言葉にできないまでも互いがどんな深層心理の中で、働いているのか、言動として現れているのかを、「感じる」ことができるかが、チーム運営のためにポイントかも知れません。
特に重要なのは、上下ではなく、互いにということです。蜘蛛の巣のように、互いに強固なネットワークを作れるような柔軟な組織運営と形態がポイントです。
まとめ
- 9つのドライバーとは!?――9つのドライバーを意識してエンゲージメントを高めましょう。
- 理想の組織構造とは!?――フラット and 一人ひとりがリーダーです。
- 新しい組織のマネジメントとは!?――<ビジョンとKPI>で自律しましょう。