【自由も、安定も、得られる方法論!?】フリーエージェント社会の到来|ダニエル・H・ピンク

フリーエージェント社会の到来
  • ジョブ型社会は、どのようにしたら、いきいきと過ごすことができるでしょうか!?
  • 会社に所属していようがいまいが、フリーエージェント(個人事業主)のように働くのがポイントかも。
  • そのことによって、仕事、スキル、人脈が格段にアップデートされていきます。
  • 本書は、2000年代のアメリカで浸透しはじめたフリーエージェントな働き方に関する1冊です。
  • 本書を通じて、組織か?個人か?の二極論をアウフヘーベンする視点を得られます。
ダニエル・H・ピンク
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二極論から抜け出そう!?

そろそろ、私たちは、組織か、個人か、という不毛な二分法から抜け出さなければならない。

序文 玄田有史

これからの時代、大切なのは、組織も、個人も、両方をむすびつけるような働くコンセプトです。必ずしもすべての仕事がメンバーシップ型で執り行えるかというとそうでも無くなってきました。

人口減少社会や、科学進歩が甚だしい予測不可能な社会において、企業の経営リスクは高まっています。足元の半世紀で企業は大合併をして、より効率的な経営を目指してきましたが、これからの社会において、莫大な固定費を抱えたままでは、経営難易度が高すぎます。

こちらの1冊「【信頼こそキー!?】謙虚なリーダーシップ――1人のリーダーに依存しない組織をつくる|エドガー・H・シャイン,ピーター・A・シャイン」でもレビューされていたように、企業はジョブ型の仕事の導入や、フリーランスの活用を含めて、人件費の変動費化を進めていくでしょう。

2000年代からアメリカではすでに「フリーエージェント」という働き方が定着してきました。

フリーエージェントとは「インターネットを使って、自宅でひとりで働き、組織の庇護を受けることなく自分の知恵だけを頼りに、独立していると同時に社会と繋がっているビジネスを築き上げた」人々のことである。

序文 玄田有史

産業の変化の速度はますます早まっていきます。こうした中、会社だけに所属をして、会社から与えられた仕事だけを、こなしていくことは、かえってリスクを増大させていくことになります。これは、個人にとってもそうですし、おそらく組織にとってもそうでしょう。組織的な学習には、個人レベルの変革と探索が不可欠だからです。

組織から個人への力の移行という大きな潮流の中で、個人の選択の幅が一気に広がり、個人の生活も大きく変わろうとしています。

自由と安定は両立する!?

フリーエージェントの労働倫理の土台のひとつは、自由だ。

自由

職場では、なかなか許されないような自由な働き方やビジョンを、フリーエージェントであれば持ち続けることができます。

一方で、大きな自由は、責任を伴います。大きな責任を持つことを引き受けなければ、自由は手に入りません。ここで言う責任とは、自分の生活の糧と評判をかけて仕事をするということです。これまで会社(ブランド)の庇護の傘のもとから離れて、自分で信用と信頼を構築していく必要があります。

自責であるがゆえに、自由を手にするということは、何もリスクや損失、不安定ばかりではありません。かえって、安定を手に入れることが可能になるのです。

21世紀の経済では、自由と安定は相反するものとは限らないということだ。

リスクのゲーム

たくさんの顧客やプロジェクトを抱えて働けば、ひとりの上司の下で働くより楽しいだけでなく、安全であるかもしれないのです。短期的に見ても、中長期的に見ても、安定・安全が確保されます。

自由は、かつては安定を得るうえでは回り道だったが、いまは安定を得るための近道になったのだ。

リスクのゲーム
ダニエル・H・ピンク
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フリーエージェントとしての働き方とは!?

フリーエージェントとして働くということは、弱い互恵関係の中に身を置くことになります。

緊密な関係より緩やかな関係のほうが理想的な場合も多いし、人脈は質より量のほうが大事なのだ。

弱い絆の力

フリーエージェントとしての労働の大半が、人脈によってもたらされます。緊密な関係を1つよりも、弱い関係を10、20保有している方が、自身の仕事を作ることに繋がっていきます。単に自身が仕事を受けるだけではなく、仕事をお願いしたり、あるいは、互いに仕事を作ったりすることだって可能でしょう。自主性の中で、つながりを上手に構築しながら信頼関係を積み重ねていくことが、フリーエージェントという働き方の根底になります。

互恵主義の考え方は、私たちのDNAに刷り込まれている。

信頼が支えるフリーエージェント経済

互いにGIVEをしあいながら、信頼関係を作り、互いの仕事を知り、支え合う状態を作るのがフリーエージェントです。過去の投稿「【正しく、“ギバー(Giver)”になるには!?】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代|アダム・グラント,楠木建」や「【信用貯蓄を始めよう!?】なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?|山口揚平」の考え方をOSにするイメージです。

私たちのキャリア形成は、予め決められたはしごを一段一段のぼっていくのではなく、まるでレゴブロックを積み重ねるように自由になっていきます。レゴのブロックで遊ぶ子どものように、コネや技能、意欲、機会などのブロックを組み合わせて、自分なりのキャリアの全体像をひとつひとつ作っていくのです。

この働き方は、組織の中でも力強く機能します。与えられた仕事に感謝して、どうしたら現在のリソースで最大の幸福をみなで得ることができるのか?という視点で、働くことが可能になり、既存の組織の中で、よりよい成果を目指していくことが可能になります。

まとめ

  • 二極論から抜け出そう!?――組織か、個人か、ではなく両方のキャリア観を持ちましょう。
  • 自由と安定は両立する!?――変化の社会で、一人で働くことの意義・意味は大きいです。
  • フリーエージェントとしての働き方とは!?――まるでレゴを積み重ねるような自由な営みです。
ダニエル・H・ピンク
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