- どうしたら多くの人とよりよい協働関係を気づいていけるでしょうか!?
- 実は、リーダーシップについて改めることが大切かもしれません。
- なぜなら、時代が変わればリーダーのあり方も変化するからです。
- 本書は、エドガー・シャイン先生によるこれからの時代のリーダーシップに関する1冊です。
- 本書を通じて、リーダーシップの新しい捉え方が可能になります。
リーダーシップとは!?
今回は、エドガーシャインさんのこちらの1冊「謙虚なリーダーシップ――1人のリーダーに依存しない組織をつくる」をレビューさせていただきます。
時代が移ろいでいく中で、組織の構造も大きく変化をしてきました。家内制手工業的な小さな組織から、産業革命以後の大資本による大規模投資による大型組織の時代、さらにそれが極まり大合併の末だらに巨大な組織になってきました。しかし、あまりに莫大な固定費がかかるため、組織のリスクは増大している一方です。
しかし、そんな組織が取引する社会は、予測不能になっているようにも見受けられます。コロナだけではなく、技術の目覚ましい進展も、こうした変化を加速させる要因です。組織が持続可能性を追求するには、これまでのトップダウンによる画一的なマネジメントだけでは難しいことを多くの人が気づいています。
組織が膨れ上がった固定費を低下させる動きの中で、フリーランスが結果的に増加しています。この流れは後戻りしません。また、固定費の変動費化を目論見、メンバーシップ型だけではなく、ジョブ型のプロジェクトの作り方を進める組織もどんどん増えていくでしょう。
いま、改めてリーダーシップを考えることは、これからの組織の作り方をもう一度冷静に検討することに繋がります。
リーダーシップとは、そもそもどんなことを言うのでしょうか!?
「リーダーシップ」とは、新たな、よりよいことをしたいと思い、それを他の人たちにしてもらうことである。
リーダーシップとは何か
新たな戦略、新たな目的、新たな価値観を構築する経営幹部にも当てはまりますし、会議の漸新な運営方法を提案したり、プロセスを改善してよりよい成果を出そうとする下位のチームにも当てはまります。
突き詰めて言えば、リーダーシップによる「関係性」の構築が、組織を永続的なものにしていきます。
組織がいつまで存続できるかは、社会生活を営み、感情を持ち、協力し合う個々の人間が、互いにさまざまな関係を持ち、相互作用するなかで決まる、と。
本書のテーマ
リーダーシップのレベルとは!?
関係性を育むことがリーダーシップであるとした場合、その関係性の質にはどのようなレベルがあるでしょうか!?
次の4段階を見てみましょう。
レベルマイナス1・・・まったく人間味のない、支配と強制の関係
レベル1・・・単なる業務上の役割や規則に基づいて、監督・管理したり、サービスを提供したりする関係。大半の「程々の距離感を持った」支援関係はこれです。
レベル2・・・友人同士や有能なチームに見られるような、個人的で、互いに助け合い、信頼し合う関係。
レベル3・・・感情的に親密で、互いに相手に尽くす関係
重要なのは、レベル2以上を目指すことです。この関係以上に慣れれば、率直に話し、信頼し合うことが土台になり、その状態を促進することができます。
レベル2以上を目指すときに大切なことは、次のような状態をいかに作れるかです。
- 有用な情報や専門知識を持っている人が、自由に発言できるか。
- そうした人が、グループの目標を推進することができるか。
- 学習するマインドセットと、進んで協力する姿勢を持つことができるか。
これらの3つは、「リーダーである」と組織から指名された人だけが取りうることではありません。よく考えてみれば、それぞれの個々人は、自分という人生のリーダーであるべきなのです。そうしてみた場合、全員が本来的にはリーダーであるはずで、当然、そうしたリーダーシップの集合がグループ現象として現れるのが理想なのです。
「個人的」な繋がりが根底にあります。一人ひとりが考え、意志を持って、互いに繋がることが新しい組織を柔軟でよりよいものにしてくれます。
グループ内およびグループ間のより個人的な関係の上に築かれる、もっと個人的で、信頼し合い、率直に話をする文化と深く関連するモデルを、私たちは「謙虚なリーダーシップ」として提案している。
本書のテーマ
そもそも、関係性とは!?
個人的なつながりを大切にする組織は、つまり、「関係性」を重視していると言えるでしょう。関係があるということは、つまり、互いに次のような状態にあるということです。
関係とは、過去のやりとりに基づき、未来の互いの行動を、互いに予想できることである。
「関係」とは何か
よりよい関係が築かれている時、相手について一定のレベルの安心感(=相手の言動が想像できる)を覚えることができます。それだけではなく、共有できる目標に向かって共に取り組んでいるという確信も共有することができます。
「信頼」と言ってもいいこうした状態をつくることが、著者らが語る「謙虚なリーダーシップ」の根底となります。
こうした「信頼」のためには、やり取りされる内容や専門知識ではなく、どちらかといえば、文脈(コンテキスト)やプロセスのほうが、はるかに重視されるようになります。そのためには、互いに質の高いコミュニケーションを繰り返し行い、互いの置かれている環境や知識、これまでの経緯を深く知っておく必要があるでしょう。
関係を深く持つためには、上述の通り、学習マインドセットによって、自分自身を常に高め、そして内省し続ける姿勢が不可欠です。次にあげる学習プロセスを参考に、自身の取り組みを振り返ってみましょう。
1)少し集中して行う読書とリフレクション
2)職場での関係をデザインする、自宅でのデスクワーク
3)自分ひとりでの、あるいはほかの人たちとの、実地での活動や体験学習による行動スキルの向上
一人ひとりがいかにビジョンを持ち、互いに友好な関係を築き、共に目標に向かって取り組んでいけるかが、リーダーシップを考えるということになっていくのですね。
リフレクションや読書については、こちらの投稿「【人間OSの高め方とは!?】リフレクション(REFLECTION)自分とチームの成長を加速させる内省の技術|熊平美香」や「【読書が、読書をつれてくる!?】1%読書術 1日15分の知識貯金|マグ」もぜひご覧ください。
まとめ
- リーダーシップとは!?――新たなより良いことをしたいと思い、人にしてもらうことです。
- リーダーシップのレベルとは!?――信頼のレベルにまで互いの状態を高めましょう。
- そもそも、関係性とは!?――互いの行動を予測することで、信頼できるということです。