【人的資本をいかに活かすか!?】リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考|小林祐児

リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考
  • 「人的資本」をうまく活用して、より良い組織を目指すことができるでしょうか。
  • 実は、リスキリングを正しく理解することがポイントかもしれません。
  • なぜなら、これまで論点となっているのは、学び直しと変わりないモデルだからです。
  • 本書は、リスキリングの本当の意味と役割を理解する1冊です。
  • 本書を通じて、リスキリングを組織に導入するためのヒントを得ることができます。
小林祐児
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なぜリスキリングに注目が集まっているのか!?

リスキリングとは、次のような意味で語られます。

リスキリングとは、新たな分野や職務にて新しいスキルを習得することを指す用語です。 業構造の変化や人材不足、人的資本経営へのシフトや自律的なキャリア形成など、ビジネス環境が変化したことによりリスキリングの注目度が高まってきました。

【事例あり】リスキリングとは?定義から導入時のポイントまで徹底解説(パーソル)

2つの大きな潮流を背景に、リスキリングに注目が集まっています。

1)DXの潮流

デジタルを活用したビジネスモデルへの転換を余儀なくされています。2010年代中盤からデジタル化は叫ばれていましたが、デジタルシフトへの強制力を2020年のコロナ禍がもたらしました。デジタル化への不可逆な流れを支えるために、組織の中でもDX化に耐えうる人材教育が求められるようになりました。DXとは、デジタル化だけではなく、組織能力の抜本的な見直しと、業務改善や改良、改革が含まれるため、当然のようにこれまでと同じスキルと同じ仕事内容では、対応することができないものです。

2)人的資本開示の潮流

「人的資本」とは、個人が持っている知識やスキル、能力や資質などを、経済的な付加価値を生み出すための資本とみなすコンセプトで、もともと経済学における基本的な概念です。

第1章 「リスキリング」の流行とその課題

今、企業の「人的資本」の状況や育成方針を起業家を含めた企業の外部へと開示することが求められています。多くの企業の経営課題として浮上しています。

2018年、国際標準化機構(ISO)が人的資本開示についての国際ガイドライン「ISO30414」を新設しました。企業の人的資本開示の国際基準が作られたことになります。

ほとんどのリスキリングの発想!?

現在、行われたり、語られているリスキリングは、次のようなステップで行われているようです。

1)「未来に必要なスキルを明確化し」
 ↓
2)「そのスキルを新たに身につけて」
 ↓
3)「ジョブ(ポスト)とマッチングする」

という線形なモデルに従って議論されています。

本書が議論しているのは学校教育ではなく、社会人の学習の領域ですが、いま見てきてきたリスキリングの議論はまさにこの「工場」のメタファーで進められています。そこにあるのは、リスキリングの「工場モデル」と呼べる発想です。

第1章 「リスキリング」の流行とその課題

「工場モデル」をベースにした発想自体は、これまでの学び直しとほとんど変わりません。リスキリングが学び直しの新しい呼び名としてしか運用されていないのはこのためです。

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工場型リスキリングの問題点とは!?

「工場モデル」は何が問題点となるのでしょうか?!4つの問題点が指摘されます。

1)「個」への過度なフォーカス

現代は教育も学習も企業人事も、社会の至るところで「個性」や「その人らしさ」が強調される時代です。

第1章 「リスキリング」の流行とその課題

学習プログラムも「一人ひとりに合った学び」がトレンドになっています。モバイルラーニングやアダプティブラーニングなどが注目されますが、しかし、その一方で、心理学や学習理論の研究者たちが半世紀以上前から探求してきたのは、「学びと他者との相互作用」のあり方なのです。

人の学びとは、他者との相互作用の中で、「社会的」かつ「共創的」に営まれているのです。人は人と学ぶのです。リスキリングの工場モデルでは、「個」を単位とした知識やスキル獲得に焦点が集まってしまいます・・。

2)学びの遍在性

また、工場モデルは、「学ぶ人しか学ばない」という学びの遍在性を解決できません。「個」に依存しているため、一部の人は学ぶがほとんどのそのほか大勢は学ばない問題が起きがちです。

3)「スキル明確化」という出発点

「スキルニーズの明確化」(=何が役に立つのか?)をスタート地点に置くことで、リスキリングの議論は現実味のない「教科書的なきれいごと」になってしまいます。しかし、変化速度が圧倒的に早い時代において、市場のスキル需要が変わる速度に適応することが困難になる可能性があります。

役に立つ・意味があるという議論については、こちらの投稿「【実践考②「意味」を問い続ける習慣戦略】ニュータイプの時代|山口周」もぜひご覧ください。

4)スキルの「獲得」と「発揮」の等値

スキルの「獲得」がすぐに「発揮」できるということが直接的に語られてしまうということです。大切なのは、直接的でないということです。組織の中で、学びが発揮される流れは、次のようなものです。

人的資本に対する研修や教育などの投資を行う。
 ↓
「業務行動 Operation」の変化が起こる。
 ↓
企業のプラスの影響を与える。

リスキリングのブームが、「自律的なキャリア形成」の流れともまた結びついてきていることです。今、企業の人材マネジメントは、従業員の個々の「らしさ」を活かそうとするのがトレンドになっています。

ダイバーシティ施策も、副業解禁も、複線型人事制度も、「それぞれの個と、個の多様性を活かす」というお題目のもとに実施されています。

では、次世代の教育のありたい姿について、いかにあるべきでしょうか!?次回の投稿で詳しくレビューさせていただきたいと思います。

まとめ

  • なぜリスキリングに注目が集まっているのか!?――DX化・人的資本開示の流れによるものです。
  • ほとんどのリスキリングの発想!?――「工場型」になってしまっています。
  • 工場型リスキリングの問題点とは!?――4つの問題でスタックしてしまいます。
小林祐児
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