ブランドを信じる!?
例えば、オレオのクッキーを子どものために、あるいは夫や妻のために買いに行ったとして、オレオのクッキーとそれに似たクッキーがあったとしたら、あなたはきっとオレオのクッキーを買うでしょう。
ノートルダム大学での講演 1991年春
オレオに似たクッキーの方がたとえ安かったとしても、オレオを買うでしょう。しかし、牛乳であれば、わざわざ高い価格を払っても別のものを買おうとしない。そういう、人としての心理をよく把握することが、重要だとウォーレン・バフェットさんは語ります。
たとえば、チョコレートでもそうです。
ドラッグストアに入って「ハーシーの板チョコをください」と言った時、店員から「うちはハーシーの板チョコは置いていません。でもこのノーブランドのチョコレートはあります。これならハーシーの板チョコより5セント安いですよ」と言われたら、向かいの店に行ってハーシーの板チョコを買いますよね。
ノートルダム大学での講演 1991年春
それがよいビジネスです。
彼は、自分が肌感を通じて理解できる事業や会社にしか投資をしないといいます。だから、有望といえどもテック系の株には目もくれない・・。その根幹には、どんな時代においても永続性が担保されるビジネスを信じる心があります。そして永続性とは、人の心理にふれるものであることが多分にあるのです。
中長期的な視点を重視する発言は次からもうかがえます。
ウォール街は株が売買されれば儲かります。投資家は売買をしないことで儲かります。
フロリダ大学での講演 1998年10月15日
売買を短期的に頻繁にしていたら、仲介者が儲かります。一方で、いくつか平均的な企業の株を50年間保有していれば、保有者の全員がかなりのお金を手にすることになるのです。
我々は、あらかじめ売却の目安となる価格を念頭に置いて何かを買うことはありません。
フロリダ大学での講演 1998年10月15日
つまり、ある株を30ドルで買う時に、それが40ドルになったら売ろうとか、50ドルか60ドルか100ドルになったら売ろうとか考えることはないのです。
企業を見る時に問題にするのは、それが長期的に利益を上げ続けるかどうかです。
投機ではなく、あくまで投資であることを基本としているのです。
投資と投機については、こちらの1冊「【人生は、投資である!?】僕は君たちに武器を配りたい|瀧本哲史」もぜひあわせてご覧ください!おすすめです。
人柄を信じる!?
ウォーレン・バフェットさんは、興味深い思考実験をします。
クラスメイトの1人の稼ぎの10%を貰えるとしたら、誰を選ぶか・・というものです。一番IQの高い人?成績のひい人?最もエネルギッシュな人?最も独創的な人?
おそらくみなさんは、それらに加えて、性格的な要素を求めるはずです。
フロリダ大学での講演 1998年10月15日
加えて、一番自分が素直に従うことができる人物が適当であると付け加えています。そんな人が、人の利益を本当に叶える力を持っているからだと言います。
寛大で誠実で、自分のアイデアであっても人に花をもたせるような人物です。
フロリダ大学での講演 1998年10月15日
愛を信じる!?
よい人と結婚しなさい。
コロンビア大学でのトークイベント 2009年11月12日
これは冗談ではありません。よい人と結婚すると、人生に大きなプラスになります。自分の夢から何から、すべてのことが変わります。誰と結婚するかということが、非常に重要なのです。
何かを互いに共有することは、とても素晴らしいことです。人は、誰かと共有することで、幸福を感じることに気づくのかも知れません。
私が得た最も大きな教訓は、無条件の愛がいかに大きな力を持つかということです。
『ハフィントンポスト』2010年7月8日
愛の力は、あのガンディーも語っています。こちらの1冊「【行動せよ!】ガンディー 強く生きる言葉|佐藤けんいち」もぜひ拝読下さい!
愛の力というのは、偉大なのですね。世界中の親が自分の子どもに、幼いうちから無条件の愛を与えることができれば、人類がより良くなることに繋がるとまで、ウォーレン・バフェットさんは語っています。
投資はものごとを信じることに繋がります。堅実にリターンを求めることが株式投資には必要かもしれませんが、最終的には、もっと大きな何か普遍的なものごとを信じる力を養うことがよりよい人生に繋がっていくのかも知れないと、思います。
まとめ
- ブランドを信じる!?――定量的なデータだけではなく、定性的な評価を感じましょう。
- 人柄を信じる!?――スキルだけではなく、その人の人柄も大切なのです。
- 愛を信じる!?――無条件の愛の力で人生をより良い方向へ向かわせましょう。