- どうしたら、この長い人生、心穏やかに暮らせるでしょうか。
- 幸せの持続力は、感じ方によるものかもしれません。
- なぜなら、幸せとは、いつか達成されるものではなく、いまここにあることを感じるものだからです。
- 本書は、禅寺住職兼庭園アーティストとして活躍される枡野俊明さんによる、禅の言葉へのいざないです。
- 本書を通じて、幸せを感じる心をいかにはぐくむのか、視点を得られます。
本書は、禅の言葉を31個取り上げて、1日1語、1ヶ月を通じてじっくり読み進められる構成になっています。ぜひお手にとっていただき、毎日少しずつ禅の考え方を噛み締めてみるのはいかがでしょう。習慣があなたを幸せ体質に向かわせてくれるでしょう。今回の投稿では、その中から3つの言葉に注目してみたいと思います。
無心であることを知る!?
百花春至為誰開
第1章 今日の禅語
――春、満開の花は誰のために咲いているのだろう。それは誰のためでもない。
ただ己の本分を全うする自然の姿にすぎないのだ。花には計らいごとがないから美しい。今、なすべきことを必死にすれば結果は後からついてくる。それが人生、そして余生を輝かせてくれる。
春の花は、誰のためにでもなく、ただ、咲きます。自然に和して、ありのままに咲いている。花は無心です。無心とは、心がないことではなく、ありのまま、自然のまま、計らいがないことです。
花が教えてくれるように、なすべきことをただ無心で全うすれば、誰かの称賛を期待するような計らいはうまれません。他者からの評価や他人の目を気にするような雑念は、そこには生まれません。
――見返りなどを求めず、ただ咲く。
いまここにあることを知る!?
小欲知足
第1章 今日の禅語
――お釈迦さまが亡くなる前に説かれた「仏遺教経」にある言葉。
人間とは欲がなければ生きられない。
しかし多欲な人間は「もっともっと」と、とどまるところを知らず、心豊かに暮らすことはできない。欲を小さくとどめておけば、今の暮らしが感謝につながる。
人間は欲がなければ、生きていくことができませんが、でおその欲が大きすぎるのも問題です。大きな欲を満たすために、さらに欲を満たすために、いろいろなものが必要になってしまって、そのギャップに苦しむことになります。
欲を小さくしてみましょう。その代わり、いまここにあることに幸福を感じてみましょう。その訓練が、あなたを幸せ体質に導くことになります。
できること、できたこと、いまあること、に着目し、感謝してみましょう。自分自身を失わずに「本来の自分」はどう感じているかに、思いを馳せてみてください。そして、ほどほどを知って、少しの欲と調和すれば、「今あるもので十分だ」と思い至るはずです。
ただやることを知る!?
結果自然成
第1章 今日の禅語
――やるべきことをやっていれば結果は自然についてくる。
やるだけのことをやったら思い悩むことはない。
自分の損得だけでものごとを考えてはいけません。また、損得ということにとらわれてもいけません。損するか、得するかでしかものごとを見られなくなります。結果に執着しなければ、不安から解消されます。大切なのは、「いま、このとき」を真剣に生きることです。
なすべきことをしていれば、結果は自然についてきます。結果に執着することをやめてみましょう。ただ、やる。それこそが、不安を和らげていきます。
「結果なんてどうでもいい!」と思うことも違います。これもまた、結果に囚われていることになります。
大切なのは、いまなすべきことを一生懸命すること。もちろん、結果に期待することも大切かもしれませんが、それを目的にしていては、やはり心ここにあらずになってしまう。目の前のご縁に従って一生懸命に取り組みましょう。
目の前の階段を一歩登ってみる。そして次の一段も歩みを進めてみる。1段、1段では風景は代わり映えしないかもしれません。でも、ふと踊り場で振り返ると、登る前には見えていなかった風景がきっと見ることができます。遠いようにみられた景色が目の前に広がっている。自分にしかできない積み重ねがあなたを導いてくれるのです。
枡野俊明さんの著書は、こちら「【禅は、生きる知恵!?】人生を整える 禅的考え方|枡野俊明」もたいへんおすすめ!ぜひご覧ください。
まとめ
- 無心であることを知る!?――ただ一生懸命やることが大切。計らいごとから少し離れてみましょう。
- いまここにあることを知る!?――幸せはいまここを感じる力・体質です。
- ただやることを知る!?――結果に執着せずに、無心にとりくんでみましょう。