- どうしたら、心穏やかな安心した仕事の時間を過ごすことができるでしょうか。
- 実は、禅に心の整え方を習うのが良いかも。
- なぜなら、禅は、ものごとをとてもシンプルに捉える視点をくれるから。
- 本書は、枡野俊明さんによる「心の大そうじ」を切り口に編集された1冊です。
- 本書を通じて、禅の言葉から毎日の暮らし方のヒントを得られるでしょう。
「啐啄同時」とは!?
たまごの中の雛鳥は、外に出ようとして、内側からコツコツとからをたたきます。これを「啐」といいます。
一方で、母鳥も孵化の瞬間を悟って、からを外側から突きます。これを「啄」といいます。
「啐啄」がそろって、はじめて雛鳥は外の世界を知ります。
このように、絶妙のタイミングを得て、すばらしい仕事がなされることをいっているのが、禅語の「啐啄同時」です。
3章 すべての出会いは「かけがえのないもの」
仕事は一人で行うものではなく、常に他者との協働です。だから、タイミングがとても重要です。相手に心を合わせて、何を言ってほしいのか、何をしてほしいのかの行間を読み、絶妙のタイミングをはかりましょう。
仕事は協働であることについては、こちらの投稿「【学校で教えてくれないWHOの話とは!?】WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」|ダン・サリヴァン,ベンジャミン・ハーディ,森由美子」をぜひごらんください。
また、AI時代について具体的に知ることで、人が積極的に行う仕事像も明らかになるかも。ぜひこちらの投稿「【私たちの生きていく世界を知るには!?】田坂広志「21世紀の知」を語る|田坂広志」もご覧ください。
「和敬清寂」とは!?
千利休の茶の精神をあらわしたのが「和敬清寂」です。茶の湯の真髄と、禅の真髄はふれあいます。
和――人にも自然にも和み、逆らわないこと
敬――すべてに敬いの心をもつこと
清――一点の塵も汚れもない清い佇まいと心でいること
寂――煩悩にとらわれず、静かで動かない心でいること
これらひとつひとつを元に、自分の日常の言動や思考を振り返ってみるのが良いかもしれません。
これらは全部で一体です。和もうとする思いがあって、相手を認めお互いを敬い合うという気持ちが生まれる。敬愛の念を持って尊重しているから、自然に相手に対していつわりのない清らかな心になれる。そして、清らかな心は迷いもなく、静かでいて何ごとにも動じることがないのです。
3章 すべての出会いは「かけがえのないもの」
誰であっても、フラットに大切に接することです。
それが最もシンプルで、最上です。また、何をやるにしても、「楽しいことをやる」ことではなく、「やることを楽しむ」何ごとにおいても・・というマインドセットがポイントかも知れません。大変なことや難しいこともあるかと思いますが、成長を信じて挑戦を続けてみましょう。
こちらの1冊も大変な勇気をくれます。ぜひこちらの投稿「【答えのない問いを目指そう!?】知性を磨く~「スーパージェネラリスト」の時代~|田坂広志」からご覧ください。
相手をほっとさせる「愛語」とは!?
自分の安寧だけではなく、相手との安寧の関係も考えてみましょう。
禅には「愛語」という言葉があります。これは、一言でいったら、「真心の言葉」を使うことだといいます。
自分の欲得の心を離れ、ただ相手を思う。母が子どもにむけるような言葉を、誰に対しても勝たれ、というのです。
3章 すべての出会いは「かけがえのないもの」
出発点は、常に相手を認めることです。相手も自分と同じように移ろいでゆくさなかにあることを認識しましょう。つまり、自分と相手の関係も常に移ろいで行くということです。だから、たまたまいまの関係があることに固執しないこと。あるいは、今の関係をありがたいものだと感じること。そんな心の置き具合がポイントです。
相手を認め、自分が言いたいことではなく、相手が受け入れてくれる言葉を探すことです。すると、相手を本当に思う言葉が見つかるものです。少しの工夫を行って、関係を紡ぎましょう。
まとめ
- 「啐啄同時」とは!?――相手とのタイミングが重要です。
- 「和敬清寂」とは!?――和む心でまず接してみましょう。
- 相手をほっとさせる「愛語」とは!?――真心の言葉を使いましょう。