- よりよい事業運営のためには何が必要でしょうか!?
- 実は、目的と目標を間違えないことかも。
- なぜなら、向かう先がまったく異なってしまうから。
- 本書は、倉本長治さんの商人哲学のエッセンスです。
- 本書を通じて、商い・お店の本当のあり方にふれることができるでしょう。
昨日の投稿「【挑戦とは何か!?】店は客のためにあり 店員とともに栄え 店主とともに滅びる――倉本長治の商人学|笹井清範,柳井正」に続き、倉本長治さんの1冊をご紹介していきたいと思います。
店が存在する目的とは!?
本来の目的を見失っていないか
本来の目的を見失っていないか
目的と目標という言葉があり、しばしば同じようなニュアンスで使われてしまうことがありますが、これらの本当の意味は何でしょうか!?
「目的」とは、最終的に目指す到達点を指します。的という文字が印象的です。
一方で、「目標」とは標とあるように、目的を達成するための目印のことです。
最終到達点と通過点という違いがあるのです。目的を達成するために目標があり、目標をクリアしていくために必要なのが、手法や方法論です。目標は極めて具体的で数値で表すことができますが、目的は難しいです。目標はいくつも合って構いませんが、目的はただひとつです。
この違いを元に店の役割を考えると何が見えてくるでしょうか。
商売の目的に
本来の目的を見失っていないか
利益は含まれていない
目的を実現するために
利益が必要なだけである
利益?店員のやりがい?顧客価値?
大切なことは、店員も顧客も互いに価値を交換して、互いの行為や想いによって、顧客の生活がより豊かになる場所と考えることです。
心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ
サン・テグジュペリ『星の王子さま』
一度、当たり前の存在である店の役割、店の価値を心の目を通じて見つめてみることが大切なのかも知れません。人の営みとは何かという大きな問いが浮かんでくるようでもあります。
店は、店員と共にあるとは!?
従業員とは
店員とともに喜び、泣く
店を裏側まで知っている
もっとも大切な
お客様のことである
いい従業員というのは、いい店主の元で育まれます。いい店主は、正しい経営哲学・理念のもとで育ちます。
従業員の質が下がってしまったと嘆く店主ほど、自己を振り返るべきだという戒めがそこにはあります。倉本長治さんは、「店員は店主の分身である」と説きました。店という場をいかに定義し、お客様との関係をどう見つめるのか、そうした視点や心構えをまず、店主が持つことがいかに大切かということを知らせてくれています。
また、倉本長治さんは、
商人の成功の道連れは従業員である。途中ではぐれないためにも真実と愛情の絆が必要である
店員とともに喜び、泣く
とも語ります。
人を育てるのに秘訣がないように、従業員を育てるのにも秘訣はありません。従業員(店員)も自分と同じように間違う人間であるということを知ればよいのです。
常に店員とともに店はあるとうこと、さらにその場にお客様も常にあるのだという視点・視野の持ち方が大切です。店員を褒めたり叱ったりするのにたくみになるのではなく、店員とともに喜び、ともに泣けることが繁盛の秘訣です。
従業員は単なる人手なのか!?
従業員とは
従業員は単なる「人手」なのか?
道具ではなく大切な家族
販促費やコストではなく
価値創造の担い手である
従業員は道具ではありませんし、コストではかられるものでも、当然ありません。
家族同然として、店主(経営者)とともに、顧客と価値をともに作り出す仲間なのです。上下の関係ではなく、誰もがフラットな立場にあることを意識して、理解し、時間をともにする心構えが大切なのかも知れませんね。
「年輪経営」で著名な伊那食品工業の塚越寛さんも、給与こそが企業経営の目的であると説いています。この考え方については、こちらの投稿「【幸せのための経営とは!?】リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~|塚越寛」をぜひご覧下さい。おすすめです。
まとめ
- 店が存在する目的とは!?――顧客と店員との関係性を育むためです。
- 店は、店員と共にあるとは!?――店員が経営者・店長の分身だからです。
- 従業員は単なる人手なのか!?――家族同然であり、顧客との価値を見いだす仲間です。