【私たちの生きていく世界を知るには!?】田坂広志「21世紀の知」を語る|田坂広志

田坂広志「21世紀の知」を語る
  • これから私たちの知の在り方は、どんな世界観があるでしょうか!?
  • 実は、田坂広志さんによると7つのテーマに区切れると言います。
  • 7つのテーマにより知の成熟の方向性を見極めてみましょう。
  • 本書は、知の賢人、田坂広志さんによる21世紀の見立てです。
  • 本書を通じて、この100年の「大局観」を得られるでしょう。
田坂広志
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我々の「知の在り方」は、どう変わっていくのか。
どう変わっていかなければならないのか。
どのように成熟を遂げていかなければならないのか。

序話 21世紀、人類の知は「7つの成熟」を遂げていく

この7つこそ、次に掲げられている成熟です。それぞれのベクトルを知ることで、自分の取り組みや自社の方向性を検討する素地を得ることができます。

  • 第1の成熟 「言語の知」から「暗黙の知」
  • 第2の成熟 「分析の知」から「統合の知」
  • 第3の成熟 「個人の知」から「集合の知」
  • 第4の成熟 「管理の知」から「創発の知」
  • 第5の成熟 「理論の知」から「行動の知」
  • 第6の成熟 「理性の知」から「感性の知」
  • 第7の成熟 「知能の知」から「知性の知」

第1の成熟 「言語の知」から「暗黙の知」へ

これからの高度情報革命時代には、「言葉で表せる知識」は、ネットや情報技術を通じて、誰でも容易に手に入れることができようになります。とくに最近のChatGPTをはじめとする対話型AIの進化には目覚ましいものがあります。自分が投げかけをすれば、その適切な回答として応えてくれます。

こうした情報革命の結果、「言葉で表せる知識」(言語の知)は、その価値を失っていき、相対的に、体験や人間を通じてしかつかめない「言葉で表せない智慧」(暗黙の知)が、価値を持つようになります。

たとえば、ChatGPTにしても、言葉という媒体を通じてしか対話をすることができません。しかし、言葉とは非常に曖昧なツールでもあります。言葉には限界があるのです。

言葉というツールの問題点を説いた1冊はこちらの投稿「【無意識フィルタを意識せよ!?】生きるための哲学|白取春彦」をぜひご覧ください。

言葉には限界があります。

こうした「言語の知」から「暗黙の知」への成熟が起こる時代、我々は、いかにして、その「暗黙の知」を身につければよいのか。

第1話 人類の知 第1の成熟 「言語の知」から「暗黙の知」へ

欠かせないのは、「体験」です。体験を積み重ね、「人間」から学ぶということです。そのためにも、私たちがアンテナを立てないと行けないのは、私たちの語っていることが、書物による知なのか、あるいは体験による智慧なのかどうかということです。

このことを意識しながら、行動を重ねましょう。

実は、行動を重ねていくことには、偶然性を引き寄せる効果もあります。私たちは、行動や活動というリアル体験をすることが望ましいのかもしれません。

「計画的偶発性」で幸運を運任せにしない方法については、こちらの投稿「【幸運は引き寄せられる!?】その幸運は偶然ではないんです!――夢の仕事をつかむ心の練習問題|J・D・クランボルツ,A・S・レヴィン」をぜひご覧ください。

第2の成熟 「分析の知」から「統合の知」へ

「統合の知」とは、「世界は、分割することによって重要な性質が失われてしまうため、分割し、分析したものを単に統合するだけでは、世界の本質を知ることはできない」という思想であり、「全包括主義」(holism)と呼ばれる知の在り方です。

例えば、人間社会というものを理解するために、「歴史学」「政治学」「経済学」「社会学」「社会心理学」といった様々な専門分野を設け、歴史、政治、経済、社会、心理といったそれぞれの視点から人間社会というものを分析し、研究するという考え方である。

第2話 人類の知 第2の成熟「分析の知」から「統合の知」へ

人類社会全体が狭い専門領域に閉じこもった「専門家」だけでは解決できない問題に数多くの直面するようになり、異なった専門領域を横断的に結びつける研究が求められるようになりました。

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第3の成熟 「個人の知」から「集合の知」へ

「群衆の叡智」とは、「一人の専門家が意見を出すよりも、草の根の多くの人々が意見を出し合った方が、ときに優れた叡智を生み出す」ということを意味する言葉である。

第3話 人類の知 第3の成熟 「個人の知」から「集合の知」

ここで重要になるのが、「ボランタリー経済」という概念です。

「群衆の叡智」を生み出していくには、「マネタリー経済」の文化とは異なり、助け合いの精神が問われるためです。互いに知識や知恵を出し合うことによって、人々が支え合い、助け合う文化が広がってこそ、集合の知は実現します。

これについて言及されている1冊の投稿はこちら「【信用貯蓄を始めよう!?】なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?|山口揚平」をぜひご覧ください。

お金、価値、信用、信頼、愛という切り口から、人と人の新しい繋がり方について、触れることができます。

そのことを理解するとき、この「集合の知」とは、実は、人類全体が「利他の精神」へと成熟していく姿でもあることに気がつくだろう。

第3話 人類の知 第3の成熟 「個人の知」から「集合の知」

利他については、こちらの投稿「思いがけず利他|中島岳志」もおすすめです。

まとめ

  • 第1の成熟 「言語の知」から「暗黙の知」へ――体験を通じて人間を知ることが重要です。
  • 第2の成熟 「分析の知」から「統合の知」へ――横断的な思考を巡らせることが大切です。
  • 第3の成熟 「個人の知」から「集合の知」へ――互いにGIVEできる信頼の基盤が必要です。
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