【マネジメントの喜びとは!?】仕事の思想|田坂広志

仕事の思想
  • 組織のマネジメントをするとは、どういうことでしょうか!?
  • 実は、自分の成長に喜びを味わえる機会かもしれません。
  • なぜなら、マネジメントには義務と責任の引受があるからです。
  • 本書は、働くことの意味を説く1冊です。
  • 本書を通じて、働くこととは何かの解像度を上げることが可能になります。
田坂広志
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地位を得ることではない!?

マネジメントを任されたり、マネジメントになったり、組織のプロジェクトの中でリーダーを行ったりする場合、それは「地位」の獲得でしょうか!?

見方を変えてみましょう。

これらのことは、義務と責任を負うことにほかならないのです。

出世への階段を求めてでもなければ、給料が上がることを期待してでもない。
ましてや、大勢の部下を持って権力を誇示したいからでもないと思うのです。

マネジャーという地位の意味

義務と責任を求めてなりえるものが、マネジャーになるということです。

では、私たちはなぜ義務と責任を求めてマネジャーになるのでしょうか?

義務と責任は何をもたらすのか!?

1つは、義務と責任が、仕事の「働きがい」につながるからです。

たとえば、マネジャーとして顧客に対する義務と責任を果たすということは、
顧客の喜ぶ顔を見ることができるということです。
また、マネジャーとしてあずかった組織の目標を達成するということは、
その組織に所属する部下の喜ぶ顔を見ることができるということです。

「リスク」が鍛える精神

マネジャーにとっての働きがいは、人のためにあるということにほかなりません。顧客、会社、そして部下のためにいられる存在であること。そのために義務と責任を進んで引き受けるのがマネジャーです。

さらにもう1つは、義務と責任が、人間を成長させてくれるということにも繋がります。

マネジャーは、義務と責任を負うことによって、
ひとりの人間として大きく成長できるのです。

「リスク」が鍛える精神

1)「仕事のリスク」に責任を持つことによって、成長することができます。
仕事のリスクは、絶対にゼロにはできません。そのリスクに対して自分自身が最終責任を持つという立場に立つことは、人間の精神を鍛え、成長させてくれます。こうした自分自信の成長を感じることがマネジャーにとって、深いレベルでの喜びになります。

2)「部下の人生」に責任を持つことによって、成長できます。
マネジャーとしての地位を得るということは、部下の人生に責任を持つことにもなります。部下の人生に責任を持つということは、部下の成長に責任を持つということです。

あくまで、部下の成長に「直接的に」責任を持つのは、部下本人にほかなりません。一方で、マネジャーは、その部下の人生に「間接的に」責任を持つ立場になります。

人生に責任を持つということは、成長に責任を持つということです。

成長については、こちらの投稿「【生きることへの解像度を上げるには!?】仕事の思想|田坂広志」もぜひご覧ください。

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チームマネジメントの目的とは!?

どうしたら、マネジャーは「部下の成長」に責任を持ち、それを支えていくことができるでしょうか?

この問いに対して「いかに部下を指導するか」や「どうすれば部下を教育できるか」といった視点で、多くの議論をすることもできるでしょう。

部下の成長を支える条件

しかし、本当に必要なただ一つのこと、それは、

自分自身が成長すること。

このことに尽きる、と、田坂広志さんは言います。

マネジャーが、ひとりの職業人として、ひとりの人間として、どこまでも成長し続けていくこと、そのことが最も大切なことです。マネジャーがどこまでも成長したいと願い、どこまでも成長していくことができれば、部下は黙っていてもその姿から何かを学んでくれるでしょう。

そして、「成長するマネジャー」のいる職場には、黙っていても「成長のエネルギー」に満ちた空気が生まれてくるでしょう。

部下の成長を支える条件

「成長の場」とでも呼ぶべきものが生まれてくるはずです。その「場」こそが、部下を成長させるのです。

マネージャーは、そうした「場」を生み出すことを通じてこそ、部下の成長に責任を持ち、それを支えていくことができるのです。

部下の成長を支える条件

「いかに部下を指導するか」や「どうすれば部下を教育できるか」といった論点は、その後にやってきます。なぜならば、「教育」というものに最高の方法があるとするならば、それは「成長の方法」を教えることにほかならないからです。

ひとりの職業人として、ひとりの人間として、どうすれば成長していけるか。その方法を伝えることこそが、最高の教育になるのです。

かつ、「成長の方法」とは、その最も高度な部分は、言葉にして表れない暗黙知です。それは、「こころの姿勢」や「こころの置きどころ」とでも呼ぶべき、言葉にならない世界にあります。

よって、成長の真髄を部下に伝えるためには、マネジャー自身が成長していく姿を見せることが、最高かつ、唯一の道なのです。

まとめ

  • 地位を得ることではない!?――マネジャーになるということは、義務と責任を引き受けることにあります。
  • 義務と責任は何をもたらすのか!?――成長という喜びです。
  • チームマネジメントの目的とは!?――部下の成長のために自分が成長することです。
田坂広志
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