- なぜ、私たちは働くのでしょうか!?
- 実は、成長へと向かうひとつのベクトルが見えるかもしれません。
- なぜなら、仕事とは社会と深くつながる行為だからです。
- 本書は、田坂広志さんによる仕事の見立ての1冊です。
- 本書を通じて、なぜ働くのか、自らの感度を検討できるでしょう。
仕事10のテーマとは!?
そうした意味では、就職して実社会で働くということは、多くの場合、青春時代に描いた夢が破れるということであり、志した目標が挫折するということでもあります。
はじめに なぜ我々は働くのか
そして、夢破れ、目標を失ったとき、私たちのこころに浮かぶのは、次の問いです。
「なぜ我々は働くのか」。
この問いに田坂広志さんは、自身の成長のストーリーから丁寧に紐解いてくれます。私たちが、なぜ働くのかを検討する際、あるいは、自身の経験に照らす指針をいただくことができます。
仕事の報酬とは!?
仕事の報酬を考えることで、仕事とは何かを考える補助線を得られます。
仕事の報酬とは、給料であるという世界観。
会社で働くのは、給料を稼ぐことが目的であり、その稼いだ給料で自分の好きな人生を送るという、考え方です。誰にとっても最初に見えているのは、こうした世界観かもしれません。
しかし、私たちが仕事に「真剣に」取り組んでいく場合、こうした世界観だけでは物足りなさを感じてしまうかもしれません。その時、次のような世界が見えます。
仕事の報酬とは、能力であるという世界観。
仕事が面白くなってくる時、この世界観が開けてくるように思います。仕事の能力を磨くことで見えます。できなかったことが、できるようになることを楽しむことができます。仕事に一生懸命取り組んでいるからこそ、少しずつ仕事のスキルやノウハウが身についてきます。仕事の能力が磨かれていくのです。そもそも、人間にとって本源的な面白さであり、楽しさなのでしょう。
仕事の報酬は、仕事であるという世界観。
一生懸命に仕事を行っていて、スキルを積み、能力を磨いていくと、次の世界が見えてくるようになります。それが、仕事の報酬は、仕事であるという見立てです。これまでできなかったことやプロジェクトが推進できるようになり、組織や社会から新しい仕事を任せてもらえるようになります。そのうえで、自分で本当にやってみたかった仕事にリーチできるようになるのです。
そして、当然のように「やりたい仕事」というのは、「やりがいのある仕事」であることに重なります。
なぜならば、そうした仕事というのは、単に自分にとって満足を得られるだけではなく、自分の会社にとっても、相手の顧客にとっても、さらには、社会にとっても、大きな意義のある仕事だからです。
やりたい仕事がやれるとき
だからこそ、あなたの企画は通るのです。だからこそ、社内が賛同し、顧客が採用してくれるのです。
このことを裏返していえば、
やりがいのある仕事とは
ビジネスマンにとっての企画力の真髄とは、
自分にとってはもとより、会社にとっても、顧客にとっても、
さらには、社会にとっても有意義な仕事を企画できる能力なのです。
自分にとって「やりたい仕事」と「やりがいのある仕事」が重なり合って、ひとつになっていきます。
しかし、こうして仕事のスキルやノウハウを身につけ、仕事の能力を磨き、面白いけれども難しいチャレンジングな仕事に取り組んでいると、私たちには、さらに深い世界が見えてきます。
見えてくる深い世界
仕事の報酬は、成長であるという世界観。
ひとりの職業人として成長していくことは当然ですが、ひとりの人間として成長していくことができるのです。そして、その成長を実感し、その成長の喜びを味わうことができるのです。
この「人間としての成長」とは、何か・・・
それは、「こころの世界が見えるようになってくる」ということです。
人間として成長すると、こころの世界が見えるようになってくるのです。
見えてくる深い世界
たとえば、顧客の気持ちや職場の仲間の気持ちがわかるようになってきます。そして、顧客の気持ちや仲間の気持ちがわかるようになると、「うまく働くこと」ができるようになってくるのです。
なぜならば、「働く」とは、「傍」を「楽」にさせることだからです。
そばにいる顧客や仲間を楽にさせてあげることだからです。
たとえば、顧客に提出する企画書ひとつでも、顧客の要求や希望だけでなく、
顧客が社内で置かれている立場や気持ちがわかっていると、
いわゆる「痒いところに手がとどく」ような企画書が書けるのです。
そして、そのことによって、顧客を楽にしてあげられるのです。また、職場の仲間と協働して進めるプロジェクトにおいても、
見えてくる深い世界
単に仲間の能力や適性だけでなく、仲間の性格や気持ちがわかっていると、
プロジェクトを文字どおり「円滑」に進めていくことができるのです。
そして、そのことによって、仲間を楽にしてあげられるのです。
そして、こうして、顧客や仲間を楽にしてあげられると、
顧客や仲間の喜ぶ顔を見ることができます。
そして、その喜ぶ顔を見ることによって、私たちは、
自分の成長を実感し、成長の喜びを味わうことができるのです。
こころの世界とは!?
「こころの深い世界」が見えるようになり、そのことによって「うまく働くこと」ができるようになります。実は、「こころの深い世界」が見えるようになってくる、そのこと自体が、私たちにとって深い喜びになるのも真実ではないでしょうか。
「見えなかった世界が見えるようになってくる・・・」これも、人間にとって本源的なよころびであるのです。
「仕事の報酬は、成長である」
その世界を見失わないことが大切です。
仕事の報酬を見誤らない
なぜならば、「人間としての成長」とは、
決して失われることのない報酬だからです。
「人間としての成長」という報酬だけは、決して失われることのないものです。
仮に困難や障害に直面して仕事そのものが挫折したとしても、その困難や障害と格闘するなかで、必ず人間というものは成長していくことができるからです。
だから、私たちは、「人間としての成長」という報酬を見失わないようにしなければなりません。「仕事の報酬は、成長である」という世界観を見失わないようにしなければならないのです。
田坂広志さんの著書についてはこちらの投稿「【1日の成長へ!?】人生の成功とは何か|田坂広志」も大変おすすめです。ぜひご覧ください。今回取り上げさせていただいた本書と合わせて、成長についてぜひご検討ください。
まとめ
- 仕事10のテーマとは!?――仕事に関して10の着眼点を持ち、自分の思想と行動を照らしてみましょう。
- 仕事の報酬とは!?――段階があるものです。
- こころの世界とは!?――仕事の報酬とは、成長であること、見誤らないようにしましょう。