【これが真のカスタマーサクセス!?】隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法|マシュー・ディクソン,ブレント・アダムソン,パット・スペナー,ニック・トーマン

隠れたキーマンを探せ! データが解明した 最新B2B営業法
  • これからの時代のB2Bの営業方針で大切なこと、何だと思いますか!?「トップを落とせ!」「全員と総当たりの営業を仕掛けよう!」それとも、「ゴマすり!」「足で稼げ!」?
  • 実は、これらは旧来型の営業手法に成り下がっているかもしれません。
  • なぜなら、顧客のビジネス環境が絶えず変わり続け、情報化の中で、顧客とサプライヤー間で、情報格差が埋まりつつあるからです。
  • 本書は、そんな現代のB2B営業の成否を分ける、真のカスタマーサクセスについて説きます。
  • 本書を通じて、豊富な研究事例から、「誰に」「何を」行っていくことが重要化がわかるでしょう。大変おすすめの1冊です!
マシュー・ディクソン,ブレント・アダムソン,パット・スペナー,ニック・トーマン
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B2B営業のスタンスを変えなければならない!?

営業現場の変化は、販売活動ではなく、顧客の購買活動から起きているということを、忘れてはいけません。あなたはモノやサービスを売るのではなく、顧客の購買活動を支援するのです。そうして、その先には、顧客の成功体験を創造する役目を負うのです。この点を捉え直すことから始めてみましょう。

顧客のビジネスの変化、そしてそれを取り巻く環境の変化、情報化、などなどさまざまな変化の要因が重なって、顧客との関係性が絶えず変化をしています。唯一変わらないのが、顧客は成功を求めているということです。

Customer Satisfaction(顧客満足)から、Customer Success(顧客成功)へ

監修者あとがき(リブ・コンサルティング/権田和士)

B2B営業をオーセンティックに捉えて、しまうと、こうした変化に対応することができずに、まったく見向きもされない時代になっているのです。

  • 顧客先で、購買に関わる「全員を追跡し、説得する営業」をしても、ありふれた契約しか取れないし、
  • 専門家ならではの優れた提案もまた、ライバル会社の値引きには勝てないし、
  • 顧客の興味をひくコンテンツをどんなに量産しても、成約率はあがりません。

また、コンテンツで見込み客を集めようと言うアプローチも古くなっています。なぜなら、月並みな文章を大量に書くことでは、競合差別化することが困難な上、得意先にも当社ビジネスの核心を実感を伴って伝達することは、難しいでしょう。

顧客の立場になってみれば当然なのですが、顧客にとって導入ドライバーになりうる情報と、それ以外は、異なるのです。

ドライバーの影響度を調べると、

  • 顧客のビジネス上のニーズや課題について新しい情報を教える・・0.446(◎)
  • なぜ行動を起こすべきかについて、説得力ある理由を顧客に提供する・・0.302(◎)
  • 専門家の視点/スマートな視点を示す・・0.013(×)
  • わかりやすい・・-0.047(×)
  • 興味深い事実やエピソードを含む・・-0.096(×)
  • 利用しやすい/すぐに見つかる・・-0.132(×)

という結果が見られました。

顧客は、自分のビジネス上のニーズあるいは課題について新しく提示され、かつ、なぜ今すぐに行動すべきかについて説得力をもってアプローチしてきてほしいのです。

カスタマーサクセスの視点をもって、B2B営業の手法をすべて作り直す必要があります。具体的には、「誰」を狙うのかを考え、そのターゲットを巻き込みながら「何」を伝えていくべきか、事前に検討すべきです。

「誰」を狙うべきか!?

一般的なB2B購買に関わる3000人以上の関係者に尋ねたところ、購買決定に正式に関わる人数は平均で5.4人になる、と顧客自身が答えている。

第1章 顧客コンセンサスの「暗部」

そして、この5.4人は、多様な人材であることを忘れてはいけません。部門横断的にアサインされ、購買を決定するため、導入視点が異なることから、要件定義や購買条件の設定に関して議論がスタックすることがあります。

研究によると、全体の購買行程のうち、スタートから37%のラインを超えることが難しいと明らかになっています。しかし、顧客は全体の内57%を過ぎたタイミングでないと、サプライヤー(営業)に連絡を取らないのです。つまり37→57%のギャップを埋めない限り、互いに「正しい」購買スキームを円滑に組むことは難しいのです。

つまり一方的な製品やサービスの情報提供だけをするのではなく、約20ポイントのギャップを埋めるように、顧客を教育あるいはコーチングする必要があるのです。これができれば、競合他社よりも圧倒的なアドバンテージを得て、購買を円滑に進めることができます。

重要なのは、誰に味方になってもらうか?ということです。

パフォーマンスの高い販売員は、「ゴー・ゲッター」「ティーチャー」「スケプティック」との関係づくりを重視し、平均的なパフォーンマンスの販売員は「ガイド」「フレンド」「クライマー」をターゲットにする――。

第2章 モビライザー
  • ゴー・ゲッター|他者の良いアイデアを指示します。つねに求められる以上の成果をだすことにこだわります。ミスから学び、進歩しようとします。
  • ティーチャー|新しい知見を教えます。同僚や幹部から意見を求められます。他者の説得がうまいです。
  • スケプティック|不透明なプロジェクトを危険とみなします。影響力の強い関係者を破壊的なアイデアに備えさせます。変革にはまず小さな成功が必要だと考えます。
  • ガイド|ベンダーには手に入りにくい情報を提供します。ベンダーと話すときは真実を述べます。情報を公平に分配します。
  • フレンド|接触しやすく、販売員との会話を楽しみます。販売員と同僚のネットワークを築きます。販売員に惜しみなく時間を割いてくれます。
  • クライマー|プロジェクトから個人的利益を得ます。リスクを取ったことに対する個人的報酬を望みます。成功談を話したがります。

大切なのは、これらの特長を見極めて、販売員(営業)としてのあなたの味方になってくれる人か、そうでない人かを見極めなくてはなりません。上の3者である場合、組織の変革を思考し、あなたの巻き込みに応えてくれる可能性が高いです。

こうした変革者を著者は、「モビライザー(動員者)」と呼びます。

巻き込みにおいては、次の3つのステップを意識しましょう。

1)「モビライザー」に、どこで学べはよいかを「指導」する。
2)「モビライザー」への関与のしかたを、それぞれのタイプに「適応」させる。
3)「モビライザー」が合意形成プロセスを「支配」できるように導く。

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「何」を伝えるか!?そして、どのように巻き込むか!?

「モビライザー」に何を伝えていくか?どんな価値観、あるいは価値を共有するかがポイントです。

われわれがひとつ学んだのは、モビライザーもよくわかっていないかもしれないということだ。モビライズ(動員)の意向があるからモビライズできるとはかぎらない。

第2章 モビライザー

問いかけが大切なのです。実は、モビライザーもわからないことがある。その視点を提供するのです。「問い」と言う形で。

問いかけとは、「顧客がみずからのビジネスについて(よくわかっているべきなのに)わかっていない点は何か?」コマーシャルインサイトが何よりも考えようとするのは、この問いである。

第4章 コマーシャルインサイトの構築

コマーシャルインサイトを見つけ、これをビジョンとして共有するのです。コマーシャルインサイトとは、顧客の高次の関心事です。たとえば、印刷機メーカーの顧客を想定する場合、低コストのインク/トナー、基本機能、サプライヤーの提供価値、信頼性、低価格、使いやすさなどは、高次とは言えません。サプライヤー側の機能や価値ではなく、顧客の本質的な価値、たとえば、ビジネスの成功、ビジネスの永続性、ビジネスの革新、組織の革新、社会価値の追求などがこれにあたります。

コマーシャルインサイトを見つけましょう。次の6つのステップを応用するのです。

  • ステップ1)自社の差別化要因を洗い出す。
  • ステップ2)顧客が最も関心を持つ結果の一覧をつくる。
  • ステップ3)結果に優先順位をつけ、起点となるものを選ぶ。
  • ステップ4)結果のドライバーに関する顧客の認識をマップ化する。
  • ステップ5)自社の差別化要因と顧客の結果とのつながりを想定する。
  • ステップ6)つながりを検証・確認する。

コマーシャルインサイトの中心にある型破りなアイデアの探究を刺激しましょう。コンテンツや事例などを通じてモビライザーに現状を疑う姿勢を提供するのです。もっといい状況があるかもしれない、現状は未来から見れば誤りかもしれない、そんなあたりまえを疑う視点です。大切なのは、こうしたあたりまえを疑うのに十分な刺激的なコンテンツ・事実を用意することです。

刺激的なコンテンツで問いをもったモビライザーをさらに誘導していきましょう。アイデアをもっと詳しく説明し、合理的な根拠・証拠を示しながら、疑いを確信に変え、解決策を自然体に魅せるのです。

最終的には、「変わらないことの痛みは、かわることの痛みより大きい」ことをうったえかけ、クロージング、あるいは協働プロジェクトへと導いていきます。

このように見ていくと、営業が持つべき能力が昔とこれからとでは少し異なることに気づきます。

5.4人の世界では、関係者同士を効果的に結びつけようとしたときに必要なのは、プレゼンテーションよりもファシリテーション、つまりスムーズな会話を促す能力である。

第8章 コンセンサス創造の「支配」

相手のことをより良く知りたいと、思う気持ちをいかにもち、いかに他者と問いを共有できるかが、B2B営業の前線で求められているのです。

過去の投稿「【この辺で、おさえておきたい「コーチング」!?】コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる|伊藤守」も参考にしながら、いかに顧客をコーチングしていくかを学ぶのもヒントになるかもしれません。

まとめ

  • B2B営業のスタンスを変えなければならない!?――トップダウン、全員とのまんべんのない営業手法は、機能しづらい時代になりました。営業戦略をアップデートしましょう!
  • 「誰」を狙うべきか!?――モビライザーを狙いましょう。彼(彼女)を巻き込み、プロジェクトを組成しましょう。
  • 「何」を伝えるか!?そして、どのように巻き込むか!?――コマーシャルインサイト(顧客も気づいていない、顧客のビジネスにとって核心的で上位的な問題・課題)を突きましょう。
マシュー・ディクソン,ブレント・アダムソン,パット・スペナー,ニック・トーマン
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