【私たちの社会はどこへ向かうのだろう!?】思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント|山口周

思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント
  • コロナ禍を経て決定的に変わったことは、一体何でしょうか。
  • もしかしたら、「思考のコンパス」をもって、みずから道を切り拓いていく意志を持たなくてはならないということでしょうか。
  • なぜなら、状況がめまぐるしく変化していく世界において、現在地にもまして、これからどこへ向かうのか、という方向性を持つことが、頼りになるからです。
  • 本書は、2019年に発刊された山口周さんと時代を代表する思考の実践者たちとの対話本です。
  • 世界をどのように見立てることが、私たちにどのようなヒントを与え、そしてコンパスをもたらしてくれるのか、触れることができます。

これからの世界を生きて行くのに必要なのは、地図よりも、コンパス!?

パンデミックで世界が大きく変わってしまった今、これからもテクノロジーの進展や価値観の変化は加速度的に続いていくことが予想されます。確実に変化が来ることが予想されているのです。例えば「【50年前のオムロンの未来予測がスゴイ!!】SINIC理論 過去半世紀を言い当て、来たる半世紀を予測するオムロンの未来学|中間真一」ですが、個別の未来ではなく、大きな潮流をずばり50年前に言い当てたことで、今、改めて注目されています。このSINIC理論によると、これからさらに、世界は変遷していくことが説かれているのです。

世界のあり方が突如として変わったり、徐々に変化する中で、私たちは依り何処をどこに持てば良いのでしょうか。

このような時代にあって必要なのは、常に進むべき道を示してくれる「思考のコンパス」なのです。

はじめに――アフターコロナの世界に生きるためのコンパス

地図ではなく、コンパスが必要だと山口周さんは、語ります。

これは同時に、自分自身で問いをいかに持てるか!?ということにもつながるのではないか、あるいは、自分の感性で世界を捉えて、頭で考えて行動できるかどうか、に関わっているのではないかと思います。

3つの世界の変化とは!?

思考のコンパスを持つときに大切なのが、世界の大きな方向感を知ることです。

1)仮想空間へのシフト

都市はもともと人が作り出したものですが、もともと非常に仮想空間的でした。自然と都市を比べてみると、はっきりするのですが、都市にはノイズが少ない。地面は均一なアスファルトで塗装され、自然の凸凹道とは異なる。建物は図面のように均整で、木々や山々のように気まぐれではない。都市と自然を往復すると、都市には、こんなにも刺激が少ないのかと知ることができます。

私たち、ホワイトカラーは脳という工場で情報を製造してきました。これまでは、情報を移動させるコストが高すぎたため、脳を移動させることでカバーしていました。ですが、いまや情報を移動させるコストが極限にまで小さくなっています。画面を通して打合せも可能ですし、アイデアや事業に関するあらゆる情報もデジタルで簡単に送れるようになりました。

あらためて「物理的に集まることの意味ってなんだっけ?」ということを皆が考えざるを得ない状況に陥っているわけです。

はじめに――アフターコロナの世界に生きるためのコンパス

2)反都市化への反転

首都圏では、通勤に往復2時間近くかかっているのですが、これは就業にともなって必ず発生するのにもかかわらず、あたかもなかったコトにされるシャドゥ・ワークになっています。また、都市部の家賃や土地価格が高すぎて、住居を持つことが現実的ではありません。

こうした状況の中、「週に何日、会社に行くか?」という論点が提示され、私たちが住む場所を選択できる自由を得たのです。

3)ライフスタイルの多様化・複層化

これまで人生の風景を決めるもっとも重大な意思決定であったはずの「どこに住むか」問題は、会社によって強く規定されてしまっていました。しかし、これからは、もっと自由に選択できるのです。

ついに、私たちは「普通の働き方・暮らし方」から解放されて、「自分の働き方・暮らし方」を追求できるようになりました。しかし、ここで新しい問題が発生するのです。はたして、自分の志向する働き方や暮らし方とは何なのか!?多くの人が、真剣に向き合う必要が出てきました。

みなが、もう一度、自分の中に、思考のコンパスを求める時代に突入しているのです。

「教養のある人」とは!?

そんな変化の激しい時代を生きていくため、多くの分野をまたがる知識のある人が、教養のある人ではありません。

「複雑で曖昧な状況において、その人らしい決断ができること」を「教養がある」というのです。

はじめに――アフターコロナの世界に生きるためのコンパス

「教養がある」とは、知識のありなし、ではなく、その人が自分らしい判断をすることができるか、あるいはその覚悟をもって、生きているかによるのです。

まとめ

  • これからの世界を生きて行くのに必要なのは、地図よりも、コンパス!?――変化の絶えない時代において、個人の生き方にもビジョンが必要な時代です。
  • 3つの世界の変化とは!?――「仮想空間へのシフト」「反都市化への反転」「ライフスタイルの多様化・複層化」です。これらで社会の全体感をつかんでみましょう。
  • 「教養のある人」とは!?――「複雑で曖昧な状況において、その人らしい決断ができること」です。
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