【人を活かす経営とは!?】パーパス・マネジメント ―― 社員の幸せを大切にする経営|丹羽真理

パーパス・マネジメント ―― 社員の幸せを大切にする経営
  • いま、注目されているパーパスとは何でしょうか!?
  • 実は、経営に密接に関わるのがパーパスです。
  • なぜなら、パーパスを考えることは、組織に所属する個人とその組織の存在意義を問うからです。
  • 本書は、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)として活躍する丹羽真理さんによる、パーパスの全容を語る1冊です。
  • 本書を通じて、パーパス設定の効用を俯瞰できるだけではなく、その設定のポイントを知ることができるでしょう。

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丹羽真理
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「幸せ」と向き合うといいことがある!?

幸福であることは、業績に直結すると言います。幸福な社員がいればいるほど、中長期的に見て、成功する事業や組織となりうる可能性が高いです。

「幸せな社員」は会社の業績向上にも貢献しているのだ、という研究結果もあります。

研究が示す幸福度向上の有効性

具体的には、
*楽観的な生命保険エージェントは、そうだない人と比較して売上が37%高い
*人生満足度の高い従業員が働いている小売店の店舗面積利益は他店のそれより21ドル高く、小売りチェーン全体では利益が3200万ドル増えている
*人生満足度の高い社員は顧客から高い評価を得る可能性が高い

といった、研究成果があるそうです。

大切なことは、中長期的に見て、こうした社員は、組織に多大なる利益貢献をするということです。短期的に見えれば、もしかしたら、ブラック企業のような人を生きがい、働きがい、存在意義ではないレイヤーで縛る組織が成果を出すかもしれません。しかし、中長期的には本質的に正しいことをしている組織や個人に成果がもたらされるのだと思います。

過去の投稿「【VUCAの正しい備え方とは!?】最強の教養 不確実性超入門|田淵直也」の非常に含蓄のある見解を思い出します。不確実性の社会を予測をもってして対応するのではなく、とにかく、正しい小さなことを積み重ねて、修正を繰り返していくことが、ポイントであると説かれていました。

でも、幸せは、結果論だ!と思いませんか?例えば、良い評価が得られるから、幸せになれる。あるいは給料が増えるから幸せになれる。ということも考えられるかもしれません。ある一側面ではそれは正しいのかもしれませんが、しかし、そうした報酬効果は長続きしないものです。

じつは、幸せというのは、結果ではなく、スタートラインなのです。

幸福優位の7つの法則』という著書の中で、ハーバード大学シェーン・エイカーさんは、「幸せは成功に先行する」と語っています。

「努力→成功→幸せ」というのはもやは古い考え方で、「幸せ→努力→成功」である、という見方の方が科学的であるのです。

幸福優位の法則

まずは、幸せについて向き合って、幸せを実感できるかどうかがポイントです。でも、幸せって目に見えないですし、人それぞれ異なりそうだし、難しいですよね。これに向き合うとき、パーパスが役に立ちます。

「幸せ」の起点には「パーパス」あり!?

Purposeとは、単純な目的ではなく、「存在意義」を表しています。

幸福の起点は個人がPurposeを持つこと

パーパスは、存在意義です。そして、個人のものと組織全体のもの両方を含みます。共通して次にあげられるような2つの要素を含んでいます。

1)自身が大切にする価値観に沿っている
2)社会的意義が含まれている

社会的意義がいよいよ注目されていく時代になりました。人のためにどれだけ存在していられるか、が幸せに直結しているといいます。まずは、自己の利益だけではなく、利他的な視点も幸せのためには持つことがポイントです。

利他的な視点については、過去の投稿「思いがけず利他|中島岳志」もとても面白く興味深い1冊でした。ご一緒に拝読されることをおすすめします。

価値観というのも難しい概念です。ここには「メタ認知」が深く関わってきます。これも過去の投稿「【人間OSの高め方とは!?】リフレクション(REFLECTION)自分とチームの成長を加速させる内省の技術|熊平美香」に詳しい内容が書かれています。しらずしらずに培われている価値観に対して俯瞰的になることがポイントです。

ミッション・ビジョン・バリュー、いわゆるMVVのミッションとパーパスは異なるのでしょうか?!これについて、丹羽真理さんは、非常に近いものとして説明しつつも、パーパスの方が、より本質的で、根源的な存在意義を追求する必要があり、これを意識したいためにパーパスという言葉を使うと説きます。

企業や事業を考えるときは、個人とその組織のパーパス、行動指針、ビジョンの3つを定めるのが良さそうです。

  • パーパス・・現在|我々は何のために存在しているのか?
  • 行動指針(バリュー)・・日々の活動|何を大切に行動するのか?
  • ビジョン・・将来|我々はどこへ向かうのか?

CHOは知っておきたい「幸せ」を形作る「PARW」とは!?

最近、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)が注目をあつめるようになってきました。経営の立場から、従業員や組織全体の幸福、あるいはウェルビーイングを共に考え、創造するアクションをするリーダーシップを持つ人のことです。

CHOはじめ、組織の幸せを考える際には、PARWが重要だと丹羽真理さんは言います。

  • P|Purpose パーパス=存在意義のことです。
  • A|Authenticity オーセンティシティ=自分らしさのことです。
  • R|Relationship リレーションシップ=関係性のことです。
  • W|Wellness ウェルネス=心身の健康のことです。

これらの要素を文章で表すと「自分が意義を感じられる仕事を、自分らしく、周囲とよい関係を築きながら、実現できること。そのための土台としての心理の健康が備わっていること」となります。

アイディール・リーダーズが考える「仕事における幸せ」とは

これらを総合的に満たすことが、これからの組織に求められる一つの経営(マネジメント)視点であることは間違いないでしょう。本書の中では、PARWを実現するためのソリューションも数多く提示していくれています。ぜひ一度、手にとってみてください。

本書の中で特に印象的だったのは、丹羽真理さんのこんな言葉です。

「艱難汝を玉にす」ということわざがありますが、わたしも困難に立ち向かったり、そこから成長を得ることを否定しません。ただ、そこでその状況を楽しむことができたら、きっともっと成果が得られるはずです。

CEO・COOに加わる新しい経営職「CHO」

楽しみをいかに見出すことができるか。成功や報酬にだけ、幸福をかんじるのではなく、辛いときにこそ、私たちに与えられている機会や関係性に感謝をすることができるかが、パーパスや幸福への気づきをもたらすのではないか、と私も、思います。

まとめ

  • 「幸せ」と向き合うといいことがある!?――「幸せ」な従業員は組織に利益貢献をします。
  • 「幸せ」の起点には「パーパス」あり!?――存在意義を本質的に考えることが「幸せ」の原点です。
  • CHOは知っておきたい「幸せ」を形作る「PARW」とは!?――Purpose、Authenticity、Relationship、Wellnessの4要素を常に意識してみましょう。

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