【いかに知的戦闘力を高めるか!?】読む力 最新スキル大全|佐々木俊尚

読む力 最新スキル大全
  • VUCA時代、どうしたら自分のビジネスパーソンスキルを高められるでしょうか。
  • 実は、インプットの仕組み化と意義・意味への見立てが、ポイントです。
  • なぜなら、単にインプットを増やしても、「統合」がなければ、それは「使い物」にならないからです。
  • 本書は、毎日激しくインプットを続ける佐々木俊尚さんが、「読む力」を切り口に、何を目指すために、どのようなインプットと整理を重視すべきか語ってくれます。
  • 本書を通じて、いかにインプットするか、そして、それを保管し、アウトプットにつなげるかの一連のノウハウを得られるでしょう。

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情報インプットの究極の目的とは何か!?

「学び」というものの本質は、さまざまな知識を自分の頭の中で「統合」していくことだとわたしは考えている。
英語でいえば、「インテグレーション」。知識がたくさんあっても、統合されていなければ「雑学」や「ウンチク」でしかない。統合されてはじめて「教養」になる。
そこまで進まないと、「学び」には意味がない。

◆「学び」の本質は、さまざまな知識を「統合」していくこと

知識を得て、それを初めて使うことで、経験をし、知恵となります。この知恵というレベルに達することで、概念として応用が効くようになります。これは、私が、別の本から得た概念としての知識です。

まさに、佐々木俊尚さんも、この統合のことを言っているのだと思います。

自分の頭の中にあることが、繋がて、統合された時に、初めて血肉となるのです。

そのためには、ものごとに対するスタンスも重要です。さまざまな価値観が存在することや、自分が知っていることは、ごくごく一部であるという前提で、いない限り、この統合スパークを生む可能性を縮めてしまうでしょう。

ここで、佐々木俊尚さんは、「群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)」のことわざを引き合いに出します。

「群盲象を評す(ぐんもうぞうをひょうす)」とは、《多くの盲人が象をなでて、自分の手に触れた部分だけで象について意見を言う意から》凡人は大人物・大事業の一部しか理解できないというたとえです。

ある人は、鼻を触って蛇だと言い、ある人は、角を触ってヤリだと言い、ある人は、しっぽを触ってホースだと言う。誰一人、ゾウは見えない。こういう状況です。

世の中や社会というのは特別複雑で、その全体像は見えません。

このスタンスで、なにごとにも謙虚に向き合う姿勢が重要なのです。

「概念」を集め「世界観」を作り出していこう!

「概念」をつかんでいくという作業を日々おこなうと、自分の脳の中に「さまざまな概念」が溜まってくる。そうやって「たくさんの概念」が溜まっていくと、今度は「世界観」をスケッチできるようになる。

◆「たくさんの概念」を集めると、「世界観」をスケッチできる

上記のゾウの例でいうと、ゾウの足や手、ゾウのザラザラとした皮膚、これらはバラバラな情報です。

これらをまとめていくと「概念」になります。これがゾウの本体です。

「概念」というのはちょっとむずかしい言葉だが、わかりやすくいえば、「さまざまな情報や視点」を順にまとめて、ひとつの物語や全体像にしたものである。

◆「たくさんの概念」を集めると、「世界観」をスケッチできる

ゾウの概念だけではなく、シマウマやライオンの概念も脳内に蓄積していくことで、彼らが生息する「サバンナ」という世界を描写できるようになる。この世界観こそが、自分の血肉になるのです。

世界観を学び、自分の中で育むことこそが、学びとなります。

実践的なステップとは!?

圧倒的なインプットとアウトプットを仕組み化することがポイントだと佐々木俊尚さんは言います。

どんな媒体を見ていくのがよいかは、本書を読んでいただくとして、私が注目したステップを記載してみたいと思います。

さまざまなものを読む
 ↓
「知識」や「視点」を獲得する
 ↓
そこから「概念」をつかむ
 ↓
「概念」を集めて「世界観」をスケッチする
 ↓
「世界観」から、自分のための「血肉」を育てる(読むことの最終目標)

「世界観」から、自分のための「血肉」を育てる

インプット、と最後の「血肉」という世界観のアウトプットへのステップが重要です。

また、とくに、「概念」を集め、蓄積する方法も重要だと佐々木俊尚さんは語ります。

「概念」は頭の中に、そして、「メモ」はデバイス(クラウド)に保管すると良いといいます。

「概念」は繋がりを必要とするからです。頭は、あいまいなデバイスなので、ちょとしたことで、知識と知識がストーリーのように繋がります。これはAIにはできないことでしょう。そんなストーリーの連鎖は抽象度をたかめた「概念」に任せるべきと言います。そして、ディテールの「メモ」についてはデバイス(クラウド)に託しておくと、脳のCPUを圧縮しないです。

つまり、読書も、概念を頭にいればいいという示唆をえられますね。一言一句覚えるように読むのではなく、それこそ過去の投稿「【本は風のように読め!?】乱読のセレンディピティ|外山滋比古」で、外山滋比古さんがかたるように、風のように読みながら、概念に触れていくことが肝心なのかもしれません。

まとめ

  • 情報インプットの究極の目的とは何か!?――頭の中で「概念」の統合を果たすことです。これによって「世界観」を描写できるようになります。
  • 「概念」を集め「世界観」を作り出していこう!――インプットの仕組みを持ち、「概念」を集めましょう。
  • 実践的なステップとは!?――インプット→保管→アウトプットです。特に保管について、「概念」は脳内に、「メモ」はデバイスに保管しておきましょう。

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