- 大企業に所属するか、スタートアップで血気盛んに起業するか?いわゆるビジネス的な成功というとその二者択一という風に思っていませんか?
- 実は、スモールビジネスという概念が重要かもしれません。
- なぜなら、大企業やスタートアップは、過度に規模を期待しすぎるがあまり、経済と時間と精神的なのムダをも生み出している可能性があるからです。
- 本書では、スモールビジネスの特徴とその利点について触れた後、はじめ方についても具体的に述べられています。
- 本書を読み終えると、これまでのビジネス価値観に新しい第3軸を見出だせることができるでしょう。
ビジネスの世界で目立つのは大企業とベンチャー
ビジネスの世界で目立つのは大企業とベンチャービジネスであり、小規模ながら安定着実な経営を実現しているスモールビジネスが表舞台に出ることはほとんどない。しかし、そこには素晴らしい世界が広がっていることをスモールビジネスに参入し、はじめて知ったのだ。
はじめに
ついつい起業を考えると、ベンチャーを目指しがちです。誰もが必要とするような業種で、他者の資本を注入して、そしてスケールアップを目指して、バイアウト。夢のリタイア生活・・。あるいは、大企業に所属しながら、確実に幸せな生活のあり方を模索する・・。
これだけ情報があふれる社会にあっても、なかなか、この二者択一の世界観が拭えません。
でも実は、生き方はこれだけではないのです。スモールビジネスという第3の選択肢が実はあるんです。そこには、自分の個性や能力を存分に活かしながら、ある程度の手取りを確保しつつ、理想の生活を運営できるポジションの可能性が眠っているのです。
スモールビジネスというスマートさ
ビジネスに正解はないなどと言われることはあるが、正攻法はある。
はじめに
スモールビジネスは、過度な成長を追い求めません。出来高として、年商3,000万円~100億円規模を、2年程度で目指していくモデルです。
この年商のミディアムさが最大のポイントになります。
過剰な売上を目指さないと、ビジネス上、良いことがたくさんあります。
・自分の能力を活かしたビジネスの領域規定ができます。
・ニッチ市場を選ぶことができます。
・間接的な管理コストがほぼゼロで済みます。
・過剰な営業活動を行わないで済みます。
・他人資本(投資)を受けずに済みます。
・属人的なビジネスが可能です。
・仕入先の自由度が格段に向上します。
などなどです。これは大企業や、ベンチャーなどの他人資本(VC・銀行等の融資)を借りることもあるモデルでは難しいです。
Hot to start スモールビジネス
スモールビジネスはあなたを縛り付けるためではなく解放するためにある。
スモールビジネスがもたらす生活の拡張性
スモールビジネスを始めるためには、まず自分の経験や趣味や強みを棚卸しすることが前提になります。そのうえで、生活者として見出したニーズに飛びついてはいけません。なぜなら、そういう多くの人の目に触れやすい市場は、参入者が多く、過当競争状態になっている可能性が高いのです。
ではどうするか?
自分が仕事で見つけた不を大切にすることです。自分が関わる専門的な仕事の中で、取引先や協力会社が困っていることが必ずあるはずです。これを解決する視点でビジネス構築することがポイントです。
これを1つめとして残り4つの条件をまとめています。
1)課題自体に多くの人が気付きづらい
2)自分の趣味、経験があるからこそできること
3)属人性がある
4)称賛されない
5)既に類似のサービスに金を払っている市場が存在する
徹底的に競争を避けて、オリジナルな市場を構築するスタンスを維持し続けるということにスモールビジネスの根幹があります。
この視点でいうと、過去の投稿「【一生この会社でいいのかな?の時読む本】ナリワイをつくる|伊藤洋志」で、伊藤氏が提唱していたナリワイと関連性を見ます。ぜひこちらの本も合わせて手にとってみてください。
まとめ
- ビジネスの世界で目立つのは大企業とベンチャー――3つ目の軸としてスモールビジネスにも注目しましょう。
- スモールビジネスというスマートさ――スモールビジネスは過度に規模を求めないからこそ、あなたの能力・属人性を武器にしながら一定の収入を目指せる力がやどります。
- Hot to start スモールビジネス――自分の能力や趣味などのたなおろしと、仕事などで見つけた不をあらためて見出すところから、始めましょう。
中小企業診断士として活動する私も、じつはこのスモールビジネスという第3軸に期待しています。最も直接性があり、そして最も人が活かされるスタイルだと思うからです。そして、ジョブ型の社会のための一種のプロトタイプでもあると思うのです。診断士として支援していると、ステキなスモールビジネスを展開されている多くの方にお会いできるのも、この分野を信頼できる要素になっているのだと思えました。