- どうしたら、イノベーションが起こせるようになるでしょうか!?
- 実は、イノベーションとは何か?の、「考え方」が重要です。
- なぜなら、世の中のアイデアは、やはり既存のものごと同士の組み合わせだからです。
- 本書は、リバース・エンジニアリングの手法を知り、イノベーションを身近に感じる1冊です。
- 本書を通じて、「新しさ」とは何か?の解像度を上げることができます。
リバース・エンジニアリングとは!?
リバース・エンジニアリングが、普及してきた背景には、コンピューター業界の進展があります。目まぐるしく事業環境が変遷する中において、まず、現状のものごとをキャッチアップし、そこから発展的にものごとを作り上げ行ったほうが効率的であると皆が気づいたことによります。
ゼロ1という言葉がありますが、必ずしも、ゼロからものごとを立ち上げなくてはならない!ということではありません。ベースがあって、その上に、独自のエッセンスを載せていけばいいのです。
「純粋な好奇心」と「知りたいという欲求」が、リバース・エンジニアリングの2つの原動力である。
変革の時代に必要なのは超一流のスキル獲得術
学習もそうです。そもそも学習とは、一側面として、知識の習得があるはずです。知識の基盤がなくては、台無しです。いかに現代を生きるためのOSを手に入れて、それを更新するか、もしくは、アプリケーションを新たに載せ続けていき、社会に対してバリューを提供できるかが、キーです。
学習については、こちらの1冊「【あなたを高め続ける唯一のスキルとは!?】教わる力 すべての優秀な人に共通する唯一のスキル|牧田幸裕」も大変ユニークな視点を提供してくれます。
リバース・エンジニアリングの事例とは!?
1980年、スターバックスは、コーヒー通に豆を販売するだけの小売業者でした。店舗数もほんの数店しかなく、現在の世界に進出したスターバックスとは程遠い展開をしていました。
スターバックスに新たにマーケティング・ディレクターとして採用された元ゼロックスの営業マン、ハワード・シュルツさんは、ある時、ミラノを訪れた際に体験した、エスプレッソ・バーの魅力に虜になりました。
当時のアメリカで外でコーヒーを飲むには、味のしないスーパーマーケットのコーヒーや、コーヒーショップとは名ばかりの多少小綺麗な食堂と大差ないお店が当たり前だったのです。
シアトルでなら、コーヒーハウス文化が花開きはしないだろうか?
10億ドルのフランチャイズを逆設計する
そう思い立ち、飲み物も販売するスターバックスの基礎を形作っていきました。
結果だけを見ている私たちにとって、ハワード・シュルツさんは、まるで天才起業家のように映ります。でも、その原点には、既存のものごとと、それを当たらな場所で展開する、非常にシンプルで素朴なアイデアがあったのです。
特筆するべきは、自分の感覚で、よいものは良いと感じられる感度を持っていたということではないでしょうか。ミラノを訪れても、あるいは、ミラノでエスプレッソ・バーに訪れても、そうした「発見」ができる人は稀有であり、また、それを、シアトルに持っていったら・・と、妄想できる人も稀有なのかもしれません。
トヨタ自動車の原点にも、こうしたリバース・エンジニアリングの発想がありました。1933年、豊田喜一郎さんは、新型シボレーを分解した結果から、織機製造から手を広げ、自動車開発部門を設立すべきだと、一族を説得しました。
ゼロ1への見立てを改める必要があります。結果だけを見て、創造性のハードルを自ら上げないように、意識することが大切なのです。
リバース・エンジニアリングのポイントは!?
正しく学習すれば、単に時代の流れについていく以上の効果がある。
変革の時代に必要なのは超一流のスキル獲得術
と、本書の中では、語られていますが、それでは、「正しい学習」とはいったい何でしょうか!?
リバース・エンジニアリングが有用で、その一方、恐ろしいのが、単なる模倣になりかねないということです。模倣はよろしくありません。模倣しないように、自らのエッセンス、何か新しいアイデアを常に組み込んでいくことが必要です。例えば、UIのデザイン性とか、機能のシンプル化など、何らかの要素を組み合わせる必要があります。
リバース・エンジニアリングによって、いかに早く、そのものごとの核心を学習できるかがキーになります。的を射た学習は創造性を高めるのに役立ちますし、周辺分野から貴重なアイデアを引き出す能力が身につき、独自のスキルを組み立てることができます。
確立している公式をそのまま流用するのではなく、自分のエッセンスを加えます。一方で、何もないところから公式を作るのは果てしないリソースが必要になるし、そもそも不可能なことかもしれません。
大切なのは、次にかがげるようなマインドセットです。
人々の期待に沿うように、公式をうまく生かして改変する方法について学び、さらにそうした戦略を自分たちの仕事に応用する方法を考えていく。
変革の時代に必要なのは超一流のスキル獲得術
顧客から始めることが大切であるということかもしれません。顧客視点にアンテナを立てるには、こちらの1冊「【キーは、「状況」という単位!?】バリュー・プロポジションのつくり方|前田俊幸,安達淳」も大変刺激的です。ぜひご覧ください。
次回の投稿では、私たちがついつい陥っている、創造性とオリジナリティに対する勘違い、について触れながら、もっとイノベーションを身近なものにできるように視点をずらすトライ!をしてみましょう。
まとめ
- リバース・エンジニアリングとは!?――既存のものごとから学ぶ姿勢です。
- リバース・エンジニアリングの事例とは!?――結果だけを見ないことを教えてくれます。
- リバース・エンジニアリングのポイントは!?――創造性のハードルを過剰に高く設定しないことです。