【相手のことを、想おう!?】頭のいい人が話す前に考えていること|安達裕哉

頭のいい人が話す前に考えていること
  • どうしたら、よりよい協働を実現することができるでしょうか。
  • 実は、まず考えて、話すということが大切です。
  • なぜなら、相手のことを想ってこそ、よりよいコラボレーションが実現するからです。
  • 本書は、自分の知識や思考を相手のために使うための1冊です。
  • 本書を通じて、人との関係をよりよく紡ぐことができるかについて考えるきっかけを得られます。
安達裕哉
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木の倒れる音はするか!?

仏教の禅僧、イスラム教のスーフィ教徒、タルムードのラビなどの神秘家の公案に、「無人の山中で木が倒れたとき、音はするか」という問いがある。

無人の山で木が倒れたら音はするのか?

答えは、「否」です。

確かに音波は発生するでしょう。しかし、音は、近くされてはじめて音となります。よって、誰も受け手がいない場合は、それは音になりえないということになります。

この音こそが、コミュニケーションの本質と重なります。「誰も聞かなければ、コミュニケーションは成り立たない」ということです。コミュニケーションを成り立たせるのは、受け手ということになります。

私たちは、ともすると話し方、話す内容ばかりに気を取られて、受け手の気持ちや受け手の心情を計りかねるときが多くあります。

こちらの1冊「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる|ケイト・マーフィ」でも指摘されていることでした。

コミュニケーションの主体は自分ではなく、相手であることを意識することから、「頭のいい人」の思考はスタートします。相手にあるからこそ、相手のことを想っての思考や発言、活動を紡いでいくことが可能になります。結果、より良い関係を作ることになり、互いに永続性を担保することができます。

「他者がどのように思うか」を意識することこそ、知的で、慕われる人が持つマインドの根本であり、思考の質を高めるためにも最も大切なことになります。

どんな仕事でも、大切で、一番えらいのは、「最初に案を出す人」です。場のことを考えれば、まずたたき台を用いて、相手に喋りやすい環境を作る、これもとても大切なことです。ここでもコミュニケーションのポイントを思い出しましょう。もちろん中身も大切なのですが、もっと大切なのは、ふるまい・いかにあるかということなのです。

信頼はいかにして生まれるか!?

ビジネスを進めていく上で、信頼関係は不可欠です。信頼というのは、積み重ねです。崩れる時はあっという間。だから、コワイ。でも、信頼があれば、互いに遠くまで行けるチームを作れます。

信頼が生まれる瞬間の心情はこうです。
“この人、我々のためにちゃんと考えてくれるな”
相手がこの心情になったとき、信頼が生まれ、長期的な関係につながります。

「信頼」が生まれる瞬間

ちゃんと考えてはなして!ということをよく聞いたりするかもしれません。このちゃんと、というのはどういう意味でしょうか。ひとつ確かなことは、上述の通り、相手のことをしっかり考えること、相手の立場からものごとを見ること、であると思われます。

もっと深ぼっていくと、“相手の言っていることから、その奥に潜む想いを想像して話す”ということになりそうです。相手の言葉を文面通りに捉えつつも、その奥で、何を感じ・何を想い・何を見ようとしているのか、この見えない部分に想いを寄せることこそに、本当のコミュニケーションがあります。

ビジネスもプライベートも、だれかと長期的な関係を築くには、信頼感が不可欠です。社会人になって求められる頭のよさは、信頼を伴う頭の良さなのです。

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人と闘うな!?

罪を憎んで人を憎まず。という言葉があります。人が犯した過ちや悪行を批判することはあっても、その人自体を憎むべきではない、という意味です。この言葉は、誰かが間違いを犯したときに、その行為を非難することはあっても、その人の価値や人間性を否定しないという考え方を表しています。つまり、行動と人格を分けて考え、過ちを犯した人にも改善や許しの機会を与えるべきだという思想です。

これと同様に、ビジネス上でコンフリクトがあった場合に、人と闘うことを避けるべきです。

人と闘うのではなく、課題と闘うのです。

人のせいにするのではなく、その背景にある、状況や仕組みについて問題や課題を見つけ、自ら引き受けて対処していくマインドセットが大切なのです。

こちらの投稿「【バリューを高めるには!?】GitLabに学ぶ世界最先端のリモート組織のつくりかた|千田和央」でもあったのですが、人の価値観や人間性にフォーカスをしすぎると、ものごとがスタックします。私たちが、ビジネスで繋がっているのは、人間性の共鳴ではなく、バリュー提供による協働です。この点にフォーカスしましょう。

“わかった気になったときが一番危ない”
これが22年コンサルタント人生の中でのもうひとつの結論です。

おわりに

努力を続けていれば、視界が開けることもあるでしょう。でもその先に続く道を歩みに続けることが、すなわち人生であるのです。熟達に限度はありません。日々をより良くするためにも、精進する心を忘れることなく、頑張り続けていく、それが頭のいい人ということになるのかもしれません。

まとめ

  • 木の倒れる音はするか!?――受け手がいなければ、音はなし。です。
  • 信頼はいかにして生まれるか!?――“この人、我々のためにちゃんと考えてくれるな”の時です。
  • 人と闘うな!?――課題と闘いましょう。
安達裕哉
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