- どうしたら、常に最良の自分でいることができるでしょうか!?
- 実は、セルフコンパッションという考え方がポイントかも。
- なぜなら、これはマインドフルネスよりも大きな範疇をとらえる考えだからです。
- 本書は、セルフコンパッションとその方法に関する1冊です。
- 本書を通じて、自分との向き合い方の新しい視点を得ることができるでしょう。

セルフコンパッションとは!?
コンパッションとは、仏教の考え方を応用したストレスマネジメント法のことです。これは、もともと仏教で、智慧と並び、仏陀になるために必要なものとされていました。
- あらゆる人の幸せを願い(慈)
- あらゆる人の苦しみがなくなることを願い(悲)
- あらゆる人の幸せを喜び(喜)
- 偏りのない平静で落ち着いた心(捨)
という、これらのありさまこそが、コンパッションと言われる状態です。
このコンパッションは、他者だけではなく、自分に向けることも可能です。
それが、セルフ+コンパッションということになります。
他人のために何かをしようとするならば、まず自分自身が安全で、健康でなければ救うことができない。
セルフ・コンパッションの登場
マインドフルネスという考え方や行動規範も注目されています。マインドフルネスは、判断することなしに、さまざまな感覚を受容することに充填が置かれます。一方で、セルフコンパッションは、自己の感情や思考を優しく受け入れ、他者との共通点を認識することが中心になります。
マインドフルネスは「良い」「悪い」という判断をしないために、すべてを受け入れるスタンスをとります。そのために、セルフコンパッションは土台を作ると認識してもいいでしょう。セルフコンパッションの自分、つまり、自分に対しても他者に対しても優しい思いやりに溢れた共感の心を持って、受け入れるマインドセットを作るのです。
他の方法との違い!?
さまざまなストレスマネジメント法が注目されています。それだけ現代は、ストレスを感じる人が多いということでしょう。
たとえば、合理的思考法。
これは、自分の思考や感情を観察して、その思考の根拠や反証となる事実を探し出して、考え方や捉え方を修正する方法です。すべてが人と劣っているわけではない、という冷静な理解と発見により、自分を取り戻します。ただし、悩みが解決されないままで居ると、批判的な思考が頭の中を占め続け、認知を修正しようとする動機を見出すのが難しくなってしまいます。
他者との比較の中に、新しい自分を見出すことは難しいのかもしれません。
また、カウンセリングという手法も重用されます。しかし、その場を離れてしばらくすると、どうしても日頃の批判的な自己が存在感を増してしまい、変化を伴わないことも多々あるように見受けられます。
そこで、重要視されているのが、マインドフルネスやセルフコンパッションなどのような仏教のマインドセット、つまり自分を含む世界の理解の方法を応用した、思考法なのです。
現在自分にあるものをそのまま受け入れれば、満足や安心といったポジティブな感情を経験できるというのが、仏教の考える幸福の形である。
ストレスマネジメント法とは異なる 仏教のアプローチ

セルフコンパッションで重視することとは!?
セルフコンパッションでは、3つの軸を重視します。
1)自分への優しさ ↔ 自己批判
自分への優しさとは、自分の良いところも思い浮かべるなどして、暖かくやさしい気持ちを向けることです。自己批判が自分や他人への苛立ちや怒りを生むのに対して、自分への優しさは感謝や尊敬、温かさや安心や安全といったポジティブな感情に繋がります。
2)共通の人間性の認識 ↔ 孤独感
共通の人間性とは、失敗や困難といった経験は、自分だけではなく人間である以上、誰しも共通してあるという認識を持つことです。そうした状況で苦しんでいても、それから解放されて幸せを願うという気持ちも共通しています。
共通の人間性が認識できると、他者とつながっている感覚が戻り、孤独感が払拭されていきます。
3)マインドフルネス ↔ (感情への)過剰同一化
マインドフルネスは、ネガティブな感情を経験した時、頭が混乱して感情にコントロールされてしまう過剰同一化に陥ることなく、感情をありのままに受け入れてバランスを保っている状態を目指すことです。
マインドフルネスは、セルフ・コンパッションとは相補的関係にある。
セルフ・コンパッションへの誤解
禅には、坐ることで、世界の認識や感覚を整える発想があります。こちらの投稿「【坐禅の真の坐り方とは?】考えすぎない生き方3|藤田一照」もぜひご覧ください。

まとめ
- セルフコンパッションとは!?――自他を優しさをもって共感するスタンスです。
- 他の方法との違い!?――仏教の考え方と世界の認知構造をベースにしています。
- セルフコンパッションで重視することとは!?――自分への優しさ、他者への共通認識、マインドフルネスです。
