- これからの時代において、私たちが根底で求めるものは何でしょうか!?
- 実は、人間はなぜ生きるか?という問いが大切かもしれません。
- なぜなら、哲学(理念・思想)がなくては、方向を見失うからです。
- 本書は、実業家稲盛和夫さんの生き方に関する言葉です。
- 本書を通じて、これからの時代の生きる指針のヒントを得ます。
魂を磨くこと!?
本日は、こちらの1冊「生き方」をご紹介したいと思います。
私たちは、何も考えずに普通に生きていれば、欲に迷い、惑う生き物です。仏教でも108つの煩悩があるとは、よく指摘されたことですが、悩み深い生き物が人間です。際限なく、財産や地位や名誉を欲しがり、快楽に溺れかねないです。
これらの欲が困ったのは、満たされる瞬間が無いことです。少しずつ与えられては、さらにもっと欲しがってしまう。再現のないループが私たちをさらに苦しめることになります。財産や地位も名誉も、全てあの世には持っていくことができないものなのに、なぜ私たちはそれにしがみついているように生きてしまうのでしょうか。
稲盛和夫さんは、この際限のない欲のループに待ったをかけます。
そのなかでたった一つ滅びないものがあるとすれば、それは、「魂」というものではないでしょうか。
魂を磨いていくことが、この世を生きる意味
この世界を生きていく目的は、一人ひとりがその「魂」を磨いていくことだといいます。魂・・言い換えてみれば、よい心といえましょうか。
よい心――とくに「世のため、人のため」という思い―だは、宇宙が本来もっている「意志」であると考えられるからです。
心にあがいたものが実現するという宇宙の法則
宇宙はそうしてできている!?
よい心で生きることは、あらゆることに実現する力を与えます。それは宇宙自体が、そうした他者のためによりよくある発展を望んでいるからだと、稲盛和夫さんは指摘します。この宇宙の意志が生み出す流れに上手く乗ることができれば、人生に成功と反映をもたらすことができます。
宇宙の誕生には、ビッグバンという大爆発があったという見方があります。素粒子が大爆発して結合し、原子核を構成する陽子、中性子、中間子を作り上げ、電子と結びつき、最初の原子である水素原子を生み出しました。
さらにさまざまな原子、そして分子が育まれ、やがて高分子ができあがり、人類のような高等生物までもが生み出されました。このように、宇宙の成り立ち自体が、ものごとを発展させようというなにか「偉大な力」によってもたらされているのです。
私は長くモノづくりにかかわってきて、そのような「偉大なもの」の存在を実感することが少なくありませんでした。その大きな叡智にふれ、それに導かれるようにして、さまざまな新製品の開発に成功し、人生を歩んできたといっても過言ではないのです。
心にあがいたものが実現するという宇宙の法則
宇宙や「偉大な力」あるいは、大きな何かが、あなたの周りに存在するとき、自分の行く末を決めるのは何でしょうか!?実は、自分の「心」次第ということに気づくはずです。
宇宙には、一瞬たりとも停滞することなく、すべてのものを生成発展させてやまない意志と力、もしくは気やエネルギーの流れのようなものが存在する。しかもそれは「善意」によるものであり、人間をはじめとする生物から無生物に至るまで、いっさいを「善き方向」へ向かわせようとしている。
森羅万象を絶え間なく成長させる宇宙の流れ
世界はよりよい方向へと向かおうとしている。その流れに自分の帆を立て、自然の力を受け前に進むのです。それには、変化も必要でしょう。常に変化することで存在する波間のように、自分の心や言動を修正しながら、成長を目指すのです。
この点については、田坂広志さんも指摘されるところです。こちらの投稿「【大きな何かよ、導きたまえ!?】運気を磨く~心を浄化する三つの技法~|田坂広志」もぜひ合わせてご覧ください。
少しずつの平凡な努力も、積み重ねることで、非凡の才能となります。大きなことをいきなり達成しようとするのではなく、毎日行えること、毎日できること、毎日したいことを中心に自分の「よい心」に照らして、継続してみましょう。
努力を積み重ねれば平凡は非凡に変わる
努力を積み重ねれば平凡は非凡に変わる
毎日の創意工夫も欠かせません。昨日よりも今日、今日よりも明日というように、改良を上乗せして、よりよい状態を目指し続ける活動自体が、人生を形作っていきます。
けっして通い慣れた同じ道は通らないということが、成功に近づく秘訣なのです。
毎日の創意工夫が大きな飛躍を生み出す
心を磨くために必要なことは!?
心を磨くための、「6つの精進」を実践しましょう。
1)誰にも負けない努力をする
2)謙虚にして驕らず
3)反省ある日々を過ごす
4)生きていることに感謝する
5)善行、利他行を積む
6)感性的な悩みをしない
この6つです。人よりも多くの努力を行い、謙虚な気持ちでものごとに丁寧に取り組んでいきます。大切なのは、大きすぎる目標をやめること、毎日の実践が大切なため、毎日できることに集中しましょう。少しの努力があなたにとてつもない力を与えてくれます。
そして、毎日自分の心のありようを点検して、不純さがないかどうか、方向性は誤っていないか、を確認しましょう。自省自戒して改め続けることが大切です。
また、善を志、他を利する活動を継続しましょう。世のため、人のためにあることが、あなたを自然と成功へと導くのです。また、感性的な心配事にとらわれることは避けましょう。くよくよと悩まないように、むしろ積極的な気持ちで、ものごとを解釈し、改善と挑戦を続けていけばいいのです。
よい心で進んでいるあなたを止めるものはありません。心を常に点検しながら、ただ進んでいけばいいのです。
日々の労働によって心は磨かれる
日々の労働によって心は磨かれる
自分の心のありように注目することは、客観的な視点を持つということです。自分という存在がこの世界の中で、いかに活かされてる存在かに気づき、感謝の気持ちを通じて、改め続けていきましょう。
仏教の世界観を知ることも客観視のヒントになるかもしれません。ぜひこちらの1冊「【仏教の教えを一言でいうと!?】完全版 仏教「超」入門|白取春彦」もご覧ください。
まとめ
- 魂を磨くこと!?――より良い心を持ち続けられるようにしましょう。
- 宇宙はそうしてできている!?――より良い心は、宇宙の生成・発展の摂理に従っていきます。
- 心を磨くために必要なことは!?――6つの精進を怠らず、日々取り組むことです。