【幸せのための経営とは!?】リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~|塚越寛

リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~
  • 人は何のために仕事をするのでしょうか!?
  • それは、幸せになるため。
  • 仕事は目的ではなく手段であり、会社も目的ではなく手段なのです。
  • 本書は、伊那食品工業代表塚越寛さんによる経営とは何かを説く1冊です。
  • 本書を通じて、仕事や会社を見立てるひとつの軸を知ります。

経営のあるべき姿とは!?

ことあるたびに、塚越寛さんのこの1冊「リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~ 」を読みたくなります。拝読するたびに、立ち止まって考えさせていただく文章が変わります。

人は幸せな人生を送るために生きているのです。

文庫化に寄せて

だから、経営にとってあるべき姿とは、「社員を幸せにするような会社をつくり、それを通じて社会に貢献する」ことになります。社員は、会社を存続させるために生きているのではありません。自分が幸せになる手段として会社を選択しているのです。だから、売上も利益も、幸せ実現の手段でしかありません。

塚越寛さんは、「社員を幸せにするような会社をつくり、それを通じて社会に貢献する」ためには、存続することが大切であると永年会社の舵取りをしながら見出しました。

会社が存続できなければ、どこかで社員の幸せを断ち切ることになってしまうからです。

第1章 「年輪経営」を志せば、会社は永続する

少しずつの成長でもいいから、永く存続する。そんなじっくりとした、しかし着実な成長を、年輪に例えました。

塚越寛さんは二宮尊徳(二宮金次郎)を敬愛します。彼の言葉に「遠きをはかる者は富み 知くをはかる者は貧す」というものがあります。足元の利益ばかりに注目していて、コストを減らして、人を減らして、投資をなくしていては、すぐに立ち行かなくなります。それはただのカンフル剤であり、本質的な解決ではないからです。

人件費はコストではなく、会社の目的そのものである

第2章 「社員が幸せになる」会社づくり

「いい商品」とは!?

塚越寛さんは、「いい商品」はどんなことがあろうと、自然と市場に残るものだと説きます。「いい商品」とは、「これは人びとの役に立つな」「これは人びとを幸せにするな」と感じられるものです。

ちょっと分かりにくいかも知れませんが、「人間のあるべき姿」を追っている商品だと、私は理解しています。

第2章 「社員が幸せになる」会社づくり

こうした商品は、いずれ必ず花が咲きます。

会社も、余裕がなくなると目先のことにはしり、どうしても今すぐ売れる商品を目指さざるを得なくなります。なぜ、そうなるのか――それは、過去に種まきをしてこなかったからです。

研究開発という種まきを継続していれば、常に何らかの花は咲いています。

第2章 「社員が幸せになる」会社づくり

私の尊敬する会社の営業の先輩が昔こんなことを言っていました。売上や利益というのは2年前にもうすでに決まっているものなんだ。だから、今期の目標がどうのこうのといってももう遅い。今できることは、2年後の飛躍のために種を巻き続けることなんだ。という趣旨のものです。

ものごとが、なすには、一定の時間が必要です。よりブレずにしなやかなに強い成果こそ、成長のための時間が必要でしょう。そのためには、1年では足りず、やはり最低でも2年くらいの時間が必要だとおっしゃっていました。

だから、例えば、会社で掲げられるような5%成長の目標。これについても、「普通に」やっていれば、必ず達成できる。そうではなく、それをやり続けられるかどうか、が大切なんだ、ともおっしゃっていました。

私は、いまでもその考えや思想について繰り返し思い出しては、触れます。先輩があえて使った「普通」という言葉。「普通」とは何なのか、ということが大切なのだと思います。それは、いかに生きるかの哲学に近いものなのかも知れません。

利益はカス!?

塚越寛さんのお話に耳を傾けます。とてもおもしろい表現で、利益を説明してくださっています。

ウンチを出すことを目的に生きている人はいません。でも、健康な体なら、自然と毎日出ます。

第1章 「年輪経営」を志せば、会社は永続する

「健康な会社」であれば、「利益」は自然と生まれてしまう副産物なのです。大切なのは、それが目的ではないということ。ここでいう健康な会社とはどのようなものでしょうか。それは、「バランスのとれた会社」です。

太り過ぎもせず、痩せ過ぎもしていないので、均整の取れた筋肉質な体をしていて、皮下脂肪や内臓脂肪を溜め込みすぎない、動き続けられるものです。企業も同じように、あまりに利益を体内に溜め込みすぎないで、適切に投資や還元を繰り返し、身軽に新しい挑戦や種まきのために動き続けられるかが、問われるのです。

紙面が足りなくなってきてしまったので、また次回、塚越寛さんの言葉に触れていきたいと思います。塚越寛さんが考える老舗企業の特徴について詳しく見ていきたいと思います。

塚越寛さんの著書については、こちらの投稿「【百年先の幸せを目指して!?】幸せになる生き方、働き方|塚越寛」の1冊もぜひ拝読下さい。人生や経営について考える1冊です。おすすめです。

まとめ

  • 経営のあるべき姿とは!?――人の幸せのためにあるべきものです。
  • 「いい商品」とは!?――「人間のあるべき姿」を映すような商品のことです。
  • 利益はカス!?――健全な会社から自然と生まれてしまうものです。
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